エクストラレギュレーションとは?
エクストラレギュレーションとは、「スカーレット&バイオレット」「ソード&シールド」シリーズの他に、「サン&ムーン」「XY」「BW」シリーズのカードも入れて対戦するレギュレーションのことです。
特別なルール
アララギ博士とプラターヌ博士と博士の研究
サポートの【アララギ博士】と【プラターヌ博士】と【博士の研究】は枚数にかかわらず、1つのデッキにいずれかしか入れられません。
フラダリとボスの指令
サポートの【フラダリ】と【ボスの指令】は枚数にかかわらず、1つのデッキにいずれかしか入れられません。
ポケモンキャッチャー、きずぐすり、スーパーボール
ポケモンキャッチャー、きずぐすり、スーパーボールの3枚は、同じ名前のカードでも過去のカードは違う効果が書かれています。いずれのカードもデッキに入れることはできますが、効果については最新のものに置き換えて処理をします。
使用禁止カード
この章ではエクストラで禁止カードとなったカードの解説とその理由を解説します。
その前に、ポケモンカードにおける禁止カードとはどのような基準にて判断されているのかを知る必要があります。
現在は削除済みですが、過去にポケモンカード公式サイトにて掲載された一文を参考にしました。
ポケモンカードゲームにおいて、デッキ構築やプレイングによって対戦相手の行動を制限し勝利を目指すことは、戦術の一つとして認められています。これらのカードは他の一部のカードと組み合わせることで対戦相手の行動を極端に制限し、多様なデッキ構築やプレイングの幅を著しく狭める恐れがあるため、スタンダードレギュレーションにおいて使用できないカードに指定します。
ポケモンカード公式サイト(現在は削除済み、一部改変)
この一文は当時のスタンダードレギュレーションにて、とある2枚のカードが禁止カードに指定された際に公式サイトにて掲載されたものです。
この一文の後段には判断基準が明記されています。
他の一部のカードと組み合わせることで対戦相手の行動を極端に制限し、多様なデッキ構築やプレイングの幅を著しく狭める恐れがある
上記の基準に抵触するものはポケモンカードで使用を禁ずるとしたものです。
この判断基準はエクストラ、そしてこれからのカード設計開発にも及んでいると考えられます。
禁止カードのどのような部分が「対戦相手の行動を極端に制限し」に該当しているのか、その使い方を考えたり、ではなぜこのカードは禁止カードとなっていのか、その理由は?などを想像しながら読んでみると面白いかもしれません。
では、現在のポケモンカードにおける禁止カードの紹介とその使われ方、禁止に至った経緯を解説していきます。
ヨマワル
2024年9月2日(月)新たに禁止カードとして指定された。ヨマワルは先攻1ターン目に相手の場のポケモンをすべてきぜつさせて勝利を目指すワンショットコンボを成立させた。禁止経緯となったコンボの一連の流れは下記のようになる。
- 特性【ひとだましんか】でサマヨールに進化する。
- サマヨールに「いのちのしずく」をつける
- 特性【カースドボム】を宣言。「いのちのしずく」の効果で相手はサイドを取れない。
- 「スイレンのつりざお」で「いのちのしずく」を山札に戻す。
- 1~4を繰り返す。
この手順を先攻1ターン目に行う。エクストラレギュレーションにはグッズで山札を引くカードやポケモンを山札に戻すカードが存在しており、それらをうまく組み合わせることで先攻1ターン目から特性【カースドボム】を6~8回使用することを可能とした。この【カースドボム】で相手の場のポケモンをすべてきぜつさせるワンショットコンボを成立させている諸悪の根源がヨマワルであった。
ヨマワルが収録された初日のエクストラの大会から即大惨事だった。上記のコンボは成功率80%以上と高い成功率を誇っており、数多のプレイヤーが後攻まで番が回ってくることなく苦渋を嘗める結果となった。
ヨマワルが禁止になるまでリリースから約二ヶ月半の時を要したが、SNS上では「もっと早くに禁止するべきだった」との声が多数挙がっており、それはごもっともな意見であると多くのプレイヤーが同感であろう。
回収ネット
自分のポケモン(「ポケモンV・GX」をのぞく)を1匹選び、手札にもどす。(ポケモン以外のカードは、すべてトラッシュする。)
幾年ぶりか、2023年新たにエクストラに禁止カードが追加された。回収ネットの主な禁止理由として、カード効果の除外先をV・GXに限定していること。これが良くなかった。
時が進んでex環境、そして次世代ルールを持つポケモン環境に移り変わるとV,GXのみを除外する文言が適切ではない。今後収録されるカードや、ゲームにかかる時間やバランス等を鑑みて回収ネットは禁止カードとなる。
(ではどのように書けば適切であったか、というとここは「ルールを持つポケモン」をのぞくとすべきであった。V,GXのみを限定とするテキストがレギュレーションの変遷に対応していない。)
ただこのカードはたとえ「ルールを持つポケモン」をのぞく、でリリースされていたとしても禁止を免れることができたかというと懐疑的である。それほど強力な1枚であった。
アーケオス(BW2)
このポケモンがいるかぎり、おたがいのプレイヤーは、手札からポケモンを出して進化させられない。
後述の【マツブサの隠し玉】との組み合わせにより、1ターン目からアーケオスを場に出すことで可能。この組み合わせにより進化デッキの生存を軒並み否定することができた。
禁止カード判断基準「相手の行動を極端に制限する」に該当するものとして禁止カードとなる。
フラダリの奥の手
おたがいプレイヤーは、それぞれ、自分のトラッシュにあるすべてのカード(「フラダリの奥の手」をのぞく」)を山札にもどす。そして山札を切る。
対戦開始直後1ターン目から大量にグッズを使用する→フラダリの奥の手でグッズを戻す→大量にグッズを使用する→ワザ宣言してバトル場のポケモンを気絶させる→相手に番が回ったころには既に20分以上が経過しているため、そのまま時間切れ。サイド差で勝利する。
この戦術は決して遅延行為ではなく、単にとてつもない物量で合法的に時間を消費し、意図的に時間切れ勝利を狙ったものである。対戦相手は対戦開始から終了まで、手を膝に置いて相手の挙動をただただ眺めていることしかできなかった。
この使われ方は開発陣も想定しておらず、正にフラダリの奥の手の欠陥と言わざるを得なかった。
そしてこの戦術を活用したデッキが直近のチャンピオンズリーグ2015にて準優勝。適切な使用がされていないとして、リリース後、僅か半年で禁止カードとなる。
巨大植物の森
おたがいの草ポケモンは、最初の自分の番や出したばかりの番でも進化できる。
この特性は、このカードを手札から出して進化させたとき、1回使える。コインを1回投げて表なら、相手のポケモンを1匹選び、そのポケモンとついているすべてのカードを、相手の山札に戻す。
コノハナが草タイプのため、巨大植物の森を出せば1ターン目からコノハナはダーテングに進化可能。特性【きょだいなうちわ】を使用して、相手の場のポケモンを0体にして特殊勝利を目指すデッキが生まれる。本来想定されているポケモンカードの勝利条件に相応しくないと判断されたため禁止カードとなる。
マツブサの隠し玉
このカードは、自分の手札がこのカード1枚のときにしか使えない。自分のトラッシュから闘ポケモンを1枚選び、ベンチに出す。その後、自分の山札を5枚引く。
アーケオスとの巻き添えで禁止カードとなる。
アーケオスの他にも化石から進化する闘ポケモンたちには、ギリギリ悪さできそうな、できなさそうな微妙な妨害効果を持ったカードが揃っているため、念のための措置と思われる。
アンノーン【DAMEGE】(SM8)
このポケモンがバトル場にいるなら、自分の番に1回使える。自分のベンチのポケモン全員にのっているダメカンの数が66個以上なら、この対戦は自分の勝ちになる。
以下のカードのコンボでループすることで、特性【DAMEGE】の条件を1ターンで満たすことができる。(画像はクリックで拡大可能)
- マグマ団の秘密基地が出ている状態でクレッフィをベンチに出す。クレッフィにダメカンが2個乗る。
- ランクルの特性【ダメージスワップ】でダメカンを他のポケモンに移動させる。
- クレッフィの特性【ワンダーロック】でクレッフィをポケモンのどうぐにする。
- マニューラの特性【ひっぺがす】でポケモンのどうぐとなったクレッフィを手札に戻す。
この繰り返しで【DAMEGE】の条件を満たす。当初は要求が高すぎてロマンコンボかと思われたが、ゲンガー&ミミッキュのワザ【ホラーハウスGX】から2ターンかけてこの場を作るプレイの安定度が高く使用者が増加。しばらく猛威を振るった後にアンノーンは禁止カードとなる。
アンノーン【HAND】(SM8)
このポケモンがバトル場にいるなら、自分の番に1回使える。自分の手札の枚数が35枚以上なら、この対戦は自分の勝ちになる。
なぜか禁止カードとなる。今後リリースされるカードとの兼ね合いを考慮して、念のための措置と思われる。
こわいおねえさん
場に出ているスタジアムをトラッシュする。その後、相手は相手自身の手札を3枚選び、トラッシュする。
ハンデス系デッキに対する制限。
特定のカードと組み合わせることで容易に相手の手札を0枚にすることができるため禁止カードとなる。
ムサシとコジロウ
おたがいのプレイヤーは、それぞれ自分の手札を2枚トラッシュする。
ハンデス系デッキに対する制限。
特定のカードと組み合わせることで容易に相手の手札を0枚にすることができるため禁止カードとなる。
リセットスタンプ
相手は相手自身の手札をすべて山札にもどして切る。その後、相手は相手自身のサイドの残り枚数分、山札を引く。
ハンデス系デッキに対する制限。
特定のカードと組み合わせることで容易に相手の手札を0枚にすることができるため禁止カードとなる。
マーシャドー(SM3+)、レッドカード
自分の番に、このカードを手札からベンチの出したとき、1回使える。お互いのプレイヤーは、それぞれ手札をすべて山札に戻して切る。その後、それぞれ山札を4枚引く。
相手は相手自身の手札をすべて山札にもどし、山札を切る。その後、相手は山札を4枚引く。
先攻プレイヤーが1ターン目に使用することで、後攻プレイヤーはいきなり手札の枚数が制限された状態でゲームを開始することになる。たかだがじゃんけんの結果に過ぎないのに、先攻と後攻の差が大きく現れてしまうため禁止カードとなる。
フラベベ(SM6)
このポケモンは、後攻プレイヤーの最初の番なら出したばかりでも進化できる。
ハンデス系デッキに対する制限。
進化後のフラエッテが悪さをするポケモンだったため禁止カードとなる。
自分の番にこのカードを手札から出して進化させてとき、1回使える。相手の手札から表を見ないで1枚選び、そのカードの表を見てから、相手の山札に戻して切る。
ムウマージ(SM10)、ザクザクピッケル、しまめぐりのあかし、マチスの作戦
自分の番に1回使えて、使ったならこのポケモンをきぜつさせる。自分の手札が7枚になるように山札を引く。
相手の山札の上から3枚見て、その中から好きなカードを1枚選ぶ。残りのカードを山札に戻して切り、選んだカードを山札の上に戻す。
このカードをつけている「ポケモンGX、EX」の最大HPは「100」小さくなり、そのポケモンが相手のワザのダメージできぜつしたとき、取られるサイドは1枚少なくなる。
このカードは、自分のサイドの残り枚数が、相手より多いときにしか使えない。この番、自分が使えるサポートの枚数は3枚になる。(このカードをふくむ。)
チャンピオンズリーグ2020のエクストラ部門にてこれら4枚のカードを主要としたハンデスデッキが優勝。この頃からハンデスに対する規制が厳しくなる。これらのカードを組み合わせたデッキは以下の通りに動く。(画像はクリックで拡大可能)
- ジラーチEXに【しまめぐりのあかし】を付けて気絶させる。
- ムウマージの特性【ふしぎなことづけ】を使用して気絶させる。
- 1と2を組み合わせて相手の残りサイドが1枚となった時、【マチスの作戦】→【N】→【マーズ】の順でサポートを使用。相手の手札は0枚となる。
- 【ザクザクピッケル】を使用して相手の山札の一番上を操作する。
ザクザクピッケル使用後の相手が行動できないターンの間に、サイドを6枚取るor相手のベンチ切れを目指すというもの。
禁止カード判断基準「他の一部のカードと組み合わせることで相手の行動を極端に制限する」に該当するものとして禁止カードとなる。
ゲーチス
相手の手札を見て、その中の「グッズ」をすべて相手の山札に戻して山札を切る。その後、戻したカードの枚数分、このカードの持ち主は山札を引く。
ハンデス系デッキに対する制限。効果が強すぎると判断されたため禁止カードとなる。
ヤレユータン(SM5S)
自分のトラッシュにある好きなカードを3枚、相手に見せてから好きな順番に入れ替えて、山札の下に戻す。
コントロールデッキ系に対する制限。効果が強すぎると判断されたため禁止カードになる。
時のパズル
「時のパズル」は同時に2枚まで使え、使った枚数によって効果が変わる。
・1枚使ったなら、自分の山札の上から3枚見て、好きな順番に入れ替えて、山札の上に戻す。
・2枚使ったなら、自分のトラッシュから好きなカードを2枚選び、相手に見せてから手札に加える。(この効果は2枚で1回はたらく。)
禁止カード判断基準「他の一部のカードと組み合わせることで対戦相手の行動を極端に制限」を幇助していると判断されたため禁止カードとなる。
オカルトマニア
次の相手の番の終わりまで、お互いの場・手札・トラッシュのカードに書かれている特性は、すべてなくなる。(新しく場に出したカードも含む。)
例えば、特性ロックをするカードで人気なサイレントラボやダストダスの特性【ダストオキシン】はフィールドブロアーで解除することができる。
しかしオカルトマニアは1度使われてしまえば解除の余地がない。
これが禁止カード判断基準「相手の行動を極端に制限する」に該当するものとして禁止カードとなる。
シェイミEX(XY6)
この特性は、このカードを手札からベンチに出したとき、1回使える。自分の手札が6枚になるように山札を引く。
このカードのテキストに調整が入ったものがクロバットVの特性【ナイトアセット】
【ナイトアセット】のテキストには この番、すでに別の「ナイトアセット」を使っていたなら、この特性は使えない。 という一文が入っている。
シェイミEXの特性【セットアップ】はこの制限がないため、1ターンに何回でも使うことができた。
1ターンに何回でも【セットアップ】を使うことには、とにかく1ターンの時間が長くなってしまうことが懸念であった。後に調整が入ったクロバットVがリリースされたため禁止カードとなる。
ミロカロス(BW2)
この特性は自分の番に1回使えて、使ったならこのポケモンをきぜつさせる。自分のトラッシュから基本エネルギーを3枚選び、自分のポケモン(「ポケモンEX」をのぞく)1匹に付ける。
自分のポケモン(「ポケモンEX」をのぞく)と書いてあるため、ポケモンVやポケモンGXには対応しているのが禁止のポイント。
(例えばエリートトレーナー+オーロット&ヨノワールGXの【ナイトウォッチャー】等が強力だった)
禁止カード判断基準「他の一部のカードと組み合わせることで対戦相手の行動を極端に制限」を未然に防ぐため禁止カードとなる。
ヤミラミ(BW4)
自分のトラッシュから「グッズ」を2枚選び、相手に見せてから、手札に加える。
コントロールデッキ系に対する制限。効果が強すぎたと判断されたため禁止カードになる。
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