メガカイリューex解説

【メガカイリューex】ジムバトル優勝デッキレシピ

良い点

・自身のサイド価値3枚を上回る成果が期待できる
現環境において、HP370・ダメージ330という数値は青天井ダメージ以外では基本的にワンパンされず、かつ相手の2進化exやたねメガシンカexをカウンターできる高いダメージラインを有する。そのため、メガカイリューex1体で相手のポケモンexを2体抜きすることも多く、自身のサイド価値3枚以上の働きをしやすい。

ただし、これは現在のターゲットのHPとメガカイリューexのダメージラインが偶然噛み合っているだけであり、メガシンカポケモンが主流となるであろう来年以降ではダメージ不足が懸念される。いまは良い点として触れるが、このメリットの先は短い。

・特性【スカイキャリー】の汎用性
単純な効果ではあるが、五指に割り込んでくるほどの強力な特性ではないだろうか。
入れ替え系カードのスロットを節約できる点は明確な強みであり、【スカイキャリー】はデッキスロット1~2枚分の価値を持つ。また、『逃げられない』効果を持つポケモンに対して耐性を有している点も評価できる。

しかし、昨今の『逃げられない』ブームは何なのか。この『逃げられない』効果については、個別で掘り下げる余地がありそう。(来年のカウンターキャッチャー落ちやフトゥー落ちを含め、その有効性の是非を問いたい)

・ハクリューの特性で盤面が作りやすい。
ハクリューの特性【しんかのみちびき】で盤面が作りやすい。
メガカイリューex+メガシビルドンexという、鈍足の極みのようなコンセプトを無理やり成立させる。

悪い点

青天井ダメージに弱い
再三指摘してきたが、これはメガシンカポケモン共通の欠点。いったん目を瞑って次へ。

・シビビールを狙われるとエネルギー供給が追いつかない
メガカイリューexは攻撃時にエネルギーを2枚トラッシュしなければならないデメリットを持っており、毎ターン攻撃するには特性【エレキダイナモ】が必須となる。

メガカイリューexが攻撃でエネルギーを消費した後にシビビールを狙われると攻撃が続かない。

しかし、シビビールの複数展開に気を取られてハクリューの用意を怠れば、今度はアタッカーが足りなくなる。

2面のケアを同時に求められ、常にガチガチの盤面を維持しなければならない。

各対面解説

ドラパルトex

【カースドボム】+『ファントムダイブ』でもメガカイリューexがワンパンされず、カイリュー側は無条件でドラパルトexをワンパンできるマッチアップ。
これだけ聞けばかなり有利に思えるが、実際は【カースドボム】とカウンターキャッチャーでシビビールが全滅させられ、エネルギーが追いつかなくなる。カイリュー側はそれを見越して多めにエネルギーを用意しなければならない。

ドラパルト側にとって、カイリューデッキは狙う場所が多く、さぞ腕が鳴ると言ったところだろう。一方カイリュー側は、継戦能力を維持するための盤面作りに必死にならざるを得ず、ドラパルト側が楽しそうにあれこれ模索しながらポケカをしている様子を見守る展開になりがち。

サーナイトex

メガカイリューexが環境にいない原因その1。

シビシラスやシビビールのHPが低く、簡単に【アドレナブレイン】で倒される。また、メガカイリューexには本来弱点は無いが、リーリエのピッピexがいると超弱点を付与されワンパンされる。

サーナイト側にピッピexの採用がなくとも、【アドレナブレイン】2回+ミュウexの『ゲノムハック』で倒されてしまい、相性最悪のマッチアップである。しかしデッキ相性的にサーナイトはまだ手加減をしてくれている方。

タケルライコex

メガカイリューexが環境にいない原因その2。

苦手な青天井ダメージデッキ。
メガカイリューexがワンパンされてしまうためサイド2-3交換。さらに、カイリュー側は攻撃までに準備ターンが必要なのに対し、タケルライコ側はたねポケモンで最速後攻1ターン目からサイドを取ってくる。
真正面から戦うのは負けに行っているのと同義。タケルライコを見るなら「アンフェアスタンプ」や「ロケット団の監視塔」などの強力な手札干渉やメタカードを採用して、構築単位で対策しなければならない。

サーフゴーex

メガカイリューexが環境にいない原因その3。

タケルライコと概ね同じ。リククラゲの特性【ねんきんコロニー】で対策したいが、カイリュー側がサイドの後追いではホップのウッウの起動を妨げられない。

(※)サーフゴーデッキにサイドを3枚先行されたと仮定し、サイド6-3からカイリューデッキが動き出すとする。しかし、この時点ですでにカイリュー側はサイド枚数に後がないため、リククラゲの設置を余儀なくされる(このタイミングがリククラゲの終点。ここで出さなけれリククラゲを使わず敗北してしまう)

しかし、6-3のタイミングでリククラゲを設置したとしても、カイリュー側はサーフゴー側のウッウが起動するサイド枚数を必ず経由しなければならないため、このタイミングでリククラゲを狙われてしまう。後追いデッキのリククラゲ設置が難しいと言われる所以はここにある。(ドラパルトのリククラゲはウッウの条件を飛び越えられるため、制約はある程度緩い)

マリィのオーロンゲex

メガカイリューexが環境にいない原因その4。

特性持ちが多く、オーロンゲ側の『デヴォリューション』が刺さるマッチアップ。オーロンゲどころか、ユキメノコ+マシマシラというコンセプト自体がカイリュー側にとって既に白目状態。

リザードンex

『カースドボム』と「マキシマムベルト」により、メガカイリューexがワンパンされてしまう危険性と隣合わせのマッチアップ。
カイリュー側は『カースドボム』には無力で、サマヨール→ヨノワールでシビシラス・シビビール・ハクリューが簡単に1-1交換される。これによりリザードン側はサイド調整を行いやすく、サイド残り1からのマキシマムベルト付き『バーニングダーク』380ダメージでメガカイリューexがワンパンされる。ドラパルト戦と同様、相手にやりたい放題を許してしまい歯痒い気持ち。

コダックを採用していてもクレッフィ+ジェットエネルギーで突破されるため、リザードンを重く見るならゴルダックまで採用して殴り合いに寄せるか、リザードン側が動き出す前に水オーガポンやテツノカイナexでサイドを3~4枚先行したい。

メガアブソルex

【スカイキャリー】で縛りを回避でき、勇気のおまもり付きメガアブソルexもワンパンできる。闘オーガポンはメガシビルドンexで突破可能。アブソル側のメガガルーラexが連続で表を出さない限り負けない、環境唯一の有利マッチである。

まとめ

メガカイリューexがなぜ環境にいないのかというと、簡単にいえば代替性が残されているから(あなたでなくて良いから)である。

ワザ『リューノグライド』で330ダメージを出してワンパンするならタケルライコで良く、シビビールでテツノカイナexを即起動させるならバチュルサーフゴーで良い。
高いHPを活かした場持ちで相手を2体連続でワンパンするという長所に価値を見出せれば生存レースでも生き残れるだろうが、環境からはその長所には需要がないと判断されている。

また、現状はハクリューの特性で盤面作りを始めなければ、とてもではないが間に合わない鈍足ぶりである。ハクリューで盤面作りを始めるとなると、ハクリューにエネルギーを付ける必要があり、そうなると相方はエネルギー加速ができるバシャーモexやシビビールなどに限定されてくる。
ワザの色指定も厳しく、逆算して必要カードを詰め込んでいくと、すでにデッキとしての開拓の余地はあまり残されていない。
要するに、メガカイリューexにとって、ポケモンカードのルール【デッキは60枚で組まなければならない】というスケールが小さすぎる。メガカイリューexのポテンシャルをフルで活かすには、コンボパーツがあまりに足りない。デッキ枚数が70枚、あるいは80枚であれば、デッキの機能として存分に活躍しただろう。

しかし、入れ替えカードが乏しく、メガシビルドンexのマヒが刺さるメガ環境であれば、もしかしたら次シーズンは強いのか…?もしくは空前の『逃げられない』ブームの到来か…?
とにかく、メガカイリューexにとっての本番は次のレギュレーションからであるため、現状で推し量るのは早計であるという、彼の名誉を傷つけないよう最大限のフォローを入れて締めることとする。

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