【サーナイトex】環境デッキへの立ち回り解説

ポケカコラム

更新日:2/5【水】

ポケカブックでは立ち回りを解説する際、「サイドの有利トレード」という言葉を使用します。

サイドの有利トレードとは?

各ポケモンが持つサイドの価値の交換のことを指します。ポケモンexはサイド2枚分の価値を持ち、非ルールポケモンはサイド1枚分の価値を持ちます。各ポケモンが自身のサイド価値を上回る成果を挙げることを、「サイドの有利トレード」と表現しています。

たとえば、非ルールポケモンがポケモンexをきぜつさせた場合、そのポケモンはサイド1枚分の価値に対して2枚分の働きをしたことになり、これはサイドの有利トレードに該当します。
ポケモンカードにおいてサイドが劣勢の状況では、お互いの攻撃が順当に進む限り、サイドの等価トレードを繰り返すだけでは逆転することができません。
そのため、どこかでサイドの有利トレードを仕掛け、相手より多くのサイドを取る 又は 攻撃を耐えて相手にサイドを取らせないターンを作ることが重要となります。

《サイドの有利トレードが行われることなく、このままゲームが進めばどちらが先に勝つのか?》
この戦略的な考え方を『サイドレース』と呼びます。

サーナイトex環境評価メモ
  • レギュレーションの変更により、特性【リファイン】を持つキルリアが使用不可となったことで、サーナイトデッキの環境からの消滅が予想されていた。しかし、実際には環境にタケルライコやドラパルトといったポケモンが多く存在し、さらにリーリエのピッピを採用したサーナイトデッキがこれらのデッキに対して有利な立ち回りを見せている。その結果、リザードン及びゾロアークを除く多くのデッキに対して優位性を持つことから、サーナイトデッキの使用者は一定数を保っている。
バトルパートナーズ収録カードによる構築変化
  • 特性【リファイン】のキルリアを失う→シャリタツやキチキギスを採用。とにかくドロー要素が不足しているため、山札を引く要素が増量された。
  • レギュレーション変更前はマシマシラを複数展開してサーナイトexの『ミラクルフォース』を使う戦い方が一般的であったが、新デッキはフワンテやサケブシッポを全面的に押し出していく戦い方になる。

環境デッキへの立ち回り解説

【サーナイトex】ジムバトル優勝デッキレシピ

序盤は「博士の研究」や「ナンジャモ」でドロー。「大地の器」と「ハイパーボール」で超エネルギーをトラッシュし、相手の場に対応した超タイプアタッカーでサイドを取っていく。

主なメインアタッカーはフワンテとサケブシッポ。これらのポケモンに「勇気のおまもり」を持たせ、最大HPを底上げする。その後、特性【サイコエンブレイス】を使用、自身にダメカンを乗せることでワザの威力を増加させ、大ダメージを狙う。

フワンテに「勇気のおまもり」を持たせ、特性【サイコエンブレイス】を限界まで使用した場合、HP120に対して5回発動が可能となる。この特性は発動ごとにダメカンが2個乗るため、合計で10個のダメカンが蓄積され、ワザ『バルーンボム』の威力は300ダメージに達する。この戦術は、【サイコエンブレイス】の「ダメカンを乗せる」というデメリットを逆手に取った独自のコンボであり、他のデッキにはないユニークなコンセプトとなっている。

アタッカーの役割

  • フワンテ
    「勇気のおまもり」をつけて、ワザ『バルーンボム』で300ダメージを与える。サーナイトデッキにおける最高ダメージを誇る。マシマシラの特性【アドレナブレイン】と組み合わせることで、リザードンexやドラパルトexをワンパンする。
  • サケブシッポ
    ベンチ狙撃要員。妙案が浮かばない場合、相手のベンチにいる「山札を引く特性」を持つポケモンや1進化ポケモンを優先して狙っておけば、とりあえず間違いはない。ワザ『ほえさけぶ』は、「勇気のおまもり」なしのサケブシッポ単体でも160ダメージを出せる。このダメージはイキリンコexを倒すことができるため、サイドの有利トレードを生み出しやすい。
  • マシマシラ
    特性【アドレナブレイン】を使う。
    バトル場のポケモンがきぜつするたびにサーナイトexをバトル場に出す。続いて特性【サイコエンブレイス】をサーナイトexに2回使用し、バトル場からにげることで、無の状態からダメカン4個を生成することが可能。ワザ『サイコトリップ』によるこんらん状態も強力であり、攻守両面で優れた働きを見せる。
  • ミュウex
    ワザ『ゲノムハック』を使用し、相手のバトルポケモンのワザをコピーする。プレイの選択肢が大きく広がるが、ミュウexは倒されやすく、サイドを2枚取られるリスクがある。サイドの有利トレードを狙うためには『ゲノムハック』でコピーするワザによってサイドを3枚以上取得する必要があり、このような運用ができなければゲームの逆転ができない。そのためマシマシラの特性【アドレナブレイン】や、サケブシッポのワザ『ほえさけぶ』を活用し、適切な布石を打つことが求められる。これらを踏まえると『ゲノムハック』の運用は上級者向き。
  • リーリエのピッピex
    特性【フェアリーゾーン】でタケルライコexやドラパルトexの突破を容易にする。デッキ内にはピッピexよりも優秀なワザを持つポケモンが多いため、ピッピexはアタッカーとしての役割を担わない。
  • サーナイトex
    サーナイトデッキの中で唯一、相手の攻撃に耐えることができるポケモン。高い継戦能力を持ち、攻撃を仕掛けると同時に相手がサイドを取れないターンを作る。

VSタケルライコ

VSタケルライコ戦はサーナイト側の都合でゲームが進行する。

素早く盤面を作って、1ターンでも早く「勇気のおまもり」+フワンテのワザ『バルーンボム』でカウンターをすること。サーナイト側が事故で大きく出遅れたりしなければ、非ルールのポケモンでタケルライコexやイキリンコexを倒し、サイドの有利トレードを繰り返すことで逆転できる。

上記の「大きく出遅れたりしなければ」のリミットは相手が4枚目のサイドに手を掛けるまでの間。つまりタケルライコ側が3枚目のサイドを取ったターンの返しにサーナイト側がサイドを2枚取り返さなければ、サイドの進行としてもう追いつけない。タケルライコ側がサイドを3枚取ったタイミングで動き出すことは勝利条件である。

ゲームのポイント

  • ピッピexを出せば、フワンテやサケブシッポで容易にタケルライコexを倒すことができるが、ピッピexは相手に狙われやすい。できればピッピexに頼ることなくタケルライコexをカウンターしたい。
  • サーナイト側には小型のポケモンしかいないため、タケルライコ側の場にエネルギーがたまりやすい。サーナイトexのワンパンを防ぐため、エネルギーがたまっているポケモンを率先して倒したい。
  • 「フトゥー博士のシナリオ」の採用がない場合、サーナイトexを回収して負け筋を消すことができない。そのため1ターンでも早くサイドを取り返すことを意識する。

VSドラパルト

リーリエのピッピexの登場により、一気に有利なマッチアップとなった。リーリエのピッピexの特性【フェアリーゾーン】の効果で基本的にサーナイト側に採用されているすべてのアタッカーでドラパルトexをワンパンすることができる。

攻撃選択肢

  1. ドラパルト側の場にヨマワルがいる場合、リーリエのピッピexの特性【フェアリーゾーン】+ミュウexの『ゲノムハック』で『ファントムダイブ』をコピー。ドラパルトexとヨマワルをきぜつさせてサイドを3枚取得することが最強プラン。(このとき、勇気のおまもりをミュウexにつけてカウンターのファントムダイブを耐えるようにする。)
  2. 次点でリーリエのピッピexの特性【フェアリーゾーン】+サーナイトexのワザ『ミラクルフォース』でドラパルトexをワンパンする。

ミュウexの場合はサイド2-3交換、サーナイトexの場合はドラパルト側の攻撃をサーナイトexが耐えることができる。1と2、いずれの攻撃選択肢もサイドの有利トレードを仕掛けている。

ゲームのポイント

  • リーリエのピッピexのHPが190であるため、ピッピexに「勇気のおまもり」をつけて『ファントムダイブ』で倒されないようにする。
  • ミュウexのワザ『ゲノムハック』でドラパルトexの『ファントムダイブ』をコピーして使う行動が強い。ドラパルトexをワンパンしつつ、『ファントムダイブ』の余波の60でヨマワルやネイティを倒すことができる。マシマシラの特性【アドレナブレイン】と合わせてドロンチをきぜつさせるのも良い。
  • フワンテやサケブシッポなどの小型ポケモンで攻撃すると、「カウンターキャッチャー」からピッピexやキチキギスexを狙われて、サイドの3枚取りのきっかけを与えてしまう。できるかぎり、『ファントムダイブ』の余波の60できぜつしないような立ち回りを心がけたい。

VSリザードン

明確に不利なマッチアップになる。
以前までは「フトゥー博士のシナリオ」でサーナイトexを回収して負け筋を消す行動が有効だったが、キルリアの特性【リファイン】を失ったことでそこまで足を伸ばす余裕がない。エーススペックも「アンフェアスタンプ」から「パーフェクトミキサー」や「シークレットボックス」などの展開カードに変わったこともあり、サーナイトデッキのパワーダウンの影響が如実に現れているマッチアップ。

ゲームのポイント

  • リザードン側の手札事故を期待することが多い。リザードン側が手札事故を起こした場合、サケブシッポのワザ『ほえさけぶ』でヒトカゲを枯渇させてしまえば勝てる。
  • 「カウンターキャッチャー」で攻撃ができないポケモンを呼び出し、バトル場に縛る。その後サケブシッポでベンチのホーホーやピジョットexを狙う。1回で決まらずとも、2回、3回と繰り返してリザードン側が停止するターンを無理やり作りに行く。
  • 速攻で「勇気のおまもり」+フワンテのワザ『バルーンボム』+マシマシラの特性【アドレナブレイン】=合計330でリザードンexをカウンターすることができるのであれば、それが1番強い。(リザードンの復帰にリソースを割かせることで「ボスの指令」を使わせず、ベンチのサーナイトexを間接的に守る。)

世間の主流の宝石型リザードン。宝石型のエーススペックは「プライムキャッチャー」であるため、何かしらのポケモンを場に縛りつけることや、マシマシラのワザ『サイコトリップ』で1ターン稼ぎに行く期待値も薄い。

スボミーを採用すればサーナイト側が準備をする時間を作れるため、勝率は多少改善する。
宝石リザードンのシェア率が増えた場合、クレッフィを採用し、スピンロトムの特性【ファンコール】を止めて足止めすることができる。

VSサーフゴー

サーフゴーには様々なデッキタイプがあるが、どのデッキタイプでも戦い方は基本的には変わらない。
サーフゴーexをフワンテでカウンターし続けるゲームになる。

  • VSハッサム型
    ハッサムのワザ『パニッシュシザー』は相手の場の特性を持つポケモンの数×50ダメージを素点10に追加する。このワザは自分の場の特性持ちの数とサーナイト側の「勇気のおまもり」によってコントロールできる。フワンテとサケブシッポをバトル場に出しておくと、ハッサムは攻撃しづらい。
  • VSトゲキッス型
    対策方法は特になし。トゲキッスを倒す行動自体が最速勝利から遠ざかるため、サーナイト側が遅れている場合はコインのウラを願うしかない。
  • VSドラパルト型
    サーフゴー側にはポケモンexしかアタッカーがいないため、ポケモンexをフワンテでカウンターし続ける。ドラパルトexが出てきた場合も同様。
    フワンテでドラパルトexをカウンターした場合、『ファントムダイブ』でサイドを複数枚取得される憂いがある。しかしサーフゴー側がドラパルトexで連続攻撃するためには「カウンターキャッチャー」と「アカマツ」を同時に揃える必要がある。そのためこのハードルで勝負したので問題ない。

VSNのゾロアーク

環境の中で最も不利なマッチアップ。
サーナイトexが悪弱点であること、ヒヒダルマのワザ『ひだるまキャノン』を防げないことが原因。ゾロアーク側が手札事故を起こしていない限り、正攻法の殴り合いでは100%敗北する。

ゾロアーク側の場には攻撃仕様の都合上、ヒヒダルマやレシラム等、エネルギーを付けずにベンチ待機しているポケモンがいる。「Nの城」を破壊しつつ、「カウンターキャッチャー」でにげるコストが重いポケモンをバトル場に縛りつけたい。しかし、ゾロアーク側の多くのデッキはモモワロウexの採用があるため、まずはモモワロウexを潰すことから考えなければならない。

それでも何かをやらなければならない。
挑戦するなら、「Nの城」を破壊し、「カウンターキャッチャー」でヒヒダルマをバトル場に縛り付けつつ、「勇気のおまもり」+サケブシッポのワザ『ほえさけぶ』でモモワロウexを倒してゾロアーク側が動けないターンを作りにいく。

VSホップのザシアン

まず、第一段階としてブリジュラスを主軸としたデッキか、ザシアンを主軸としたデッキかを見極める必要がある。
ザシアンを主軸とする場合、スタジアムには「ハロンタウン」が採用されるが、ブリジュラスを主軸とする場合は「ジャミングタワー」が選ばれることが多い。特に「ジャミングタワー」は「勇気のおまもり」の効果を無効化するため、できるだけ早い段階でその有無を判別する。

ザシアンexが攻撃を仕掛け、相手がそれなりの枚数を引いているにもかかわらず「ハロンタウン」が出てこない場合、「ジャミングタワー」を温存している可能性が高い。

対戦では、小型アタッカーを適切に使い分けることで、ゲームの展開を有利に進められる。
具体的には「勇気のおまもり」をつけたフワンテと、「カウンターキャッチャー」+サケブシッポを活用し、効率的にサイドを取得していく。

ゲームのポイント

  • 「勇気のおまもり」をつけてフワンテに特性【サイコエンブレイス】を4回。ダメカンを8個に留めておくと、240ダメージでザシアンをワンパンできる且つ、『せつなぎり』の余波の30ダメージできぜつしなくなるため、「勇気のおまもり」をつけたフワンテで攻撃を仕掛けたい。
  • カビゴンのにげるコストが重いため、「カウンターキャッチャー」で呼び出し、サケブシッポでベンチのポケモンを狙撃する。このとき、ベンチのラティアスexを倒すことができればかなりのターンを稼ぐことができる。
  • 『せつなぎり』の余波の30ダメージはマシマシラの特性【アドレナブレイン】で解決できる。『せつなぎり』の余波の30ダメージできぜつしないように残りHPを調整する。

VSブリジュラス

VSホップのザシアンと同様、第一段階としてブリジュラスを主軸としたデッキか、ザシアンを主軸としたデッキかを見極める必要がある。
ザシアンを主軸とする場合、スタジアムには「ハロンタウン」が採用されるが、ブリジュラスを主軸とする場合は「ジャミングタワー」が選ばれることが多い。特に「ジャミングタワー」は「勇気のおまもり」の効果を無効化するため、できるだけ早い段階でその有無を判別する。

ザシアンexが攻撃を仕掛け、相手がそれなりの枚数を引いているにもかかわらず「ハロンタウン」が出てこない場合、「ジャミングタワー」を温存している可能性が高い。

ゲームのポイント

  • 「ジャミングタワー」と「ハロンタウン」が混在する構築は少ないため、「ハロンタウン」が出てきた場合は、フワンテでブリジュラスexをワンパンし続けることで楽に勝てる。
  • 「ジャミングタワー」を察知した場合、まずジュラルドンをサケブシッポで枯渇させていく。「フトゥー博士のシナリオ」でブリジュラスexがループできないようにしてから、フワンテでブリジュラスexをワンパンする。
  • 「ジャミングタワー」は大いに警戒したいが、それが来ると分かっていても、爆死覚悟でフワンテが突っ込んでブリジュラスexをワンパンしなければならない場面は必ず訪れる。(概ねブリジュラス側の方が多くサイドを取り進めている。どこかでサイドの有利トレードを仕掛けないと追いつけなくなる場面が必ず訪れる。)あまり考えても仕方ないので、やるときはやる。決断が遅いほど取り返しがつかなくなるため、なるべく早く動く。

VSオーダイル

後日記載

採用カード解説

サーナイトex

特性【サイコエンブレイス】によって超エネルギーを加速できる。高いHPを持つため、アタッカーとして活躍する場面も多い。

サーナイトexが場にいないターンが発生すると攻撃が途切れてしまう。そのためサーナイトexが倒されても対応できるよう、常にサブプランを用意しておくことが重要。

サケブシッポ

『ほえさけぶ』は、自分に乗っているダメカンの数×20ダメージを相手の場のポケモンに与えるワザ。ベンチポケモンにも直接ダメージを与えられる。

  • 「勇気のおまもり」でHPを底上げした後、特性【サイコエンブレイス】を用いてダメカンを乗せ、大ダメージを狙う。
  • 「ナンジャモ」を使用して相手の手札を減らした後、相手ベンチの特性で山札を引くポケモンをきぜつさせ、動きを封じる。
  • 相手のにげるコストが重いポケモンを「カウンターキャッチャー」でバトル場に呼び出し、にげるコストを支払う間に相手ベンチに攻撃を仕掛ける。

汎用性に優れているためよく使う。

フワンテ

自分にのっているダメカンの数×30ダメージを与えるワザ。特性【サイコエンブレイス】×3を使用すれば、フワンテ単体で最大180ダメージを与えることができる。バトル場にダメージを与える場合、サケブシッポよりもフワンテの方がダメージ倍率が高い。

「勇気のおまもり」をつけた後、特性【サイコエンブレイス】×5を使用することで、『バルーンボム』のダメージは300にまで跳ね上がる。これをマシマシラの特性【サイコトリップ】と組み合わせれば、2進化ポケモンをワンパンすることが可能となる。

マシマシラ

特性【アドレナブレイン】で自分の場のダメカンを相手のポケモンにのせかえる。実質的に+30の加点となる要素。ドラパルトexのワザ『ファントムダイブ』に対して有効な特性であるため、マシマシラはサーナイト以外のさまざまなデッキにも採用されている。

ワザ『サイコトリップ』で相手のポケモンをこんらん状態にする選択肢も強力。特性とワザともに優秀で、ポケモンカードの歴史に名を刻むほど、夢のようなスペックを持っている。

勇気のおまもり

フワンテやサケブシッポにつける。勇気のおまもりの効果でHPを拡張し、自分にのっているダメカンの数ぶんダメージを与えるワザを使って戦う。

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