おまつりおんど解説

良い点

・確定サーチで再現性が高い

バトル場に特性【おまつりおんど】を持つポケモンがいると、バチンキーの特性【ドンドンだいこ】によって山札から好きなカードを持ってこれる。バチンキーにさえ辿り着けばそこから連鎖的に盤面を展開。一度盤面が整ってしまえば、毎ターン2〜3枚の確定サーチが可能となり、高い要求に応えられる。

・2回攻撃でサイドを複数同時取得しやすい

このデッキの1番の特徴は特性【おまつりおんど】による2回攻撃。
バトル場ポケモンを倒すだけなら、タケルライコやサーフゴーを使えば良い。おまつりおんどは今や環境で生き残るための必須戦略「サイドの複数同時取得」の条件を満たしている。

悪い点

・全体のHP総量が低く、ダメカンばら撒きに弱い

現環境はサーナイトやドラパルトなど、ダメカンをばら撒いてくるデッキが多く、後半になるとばら撒きだけでサイドを進められてしまう。
おまつりおんどを発動させる関係上、スタジアムには「おまつり会場」が必須となるため、ばら撒き対策となるバトルコロシアムを採用できない。

・ダメージが低く、ダメ―ジUPカードが必須

特性【おまつりおんど】を持つポケモンは、「2回攻撃できること」を前提に設計されているため、基本ダメージが低い。一番ダメージが出るカミッチュですら、ダメージUPカード無しでは最大100ダメージ。これでは一度の攻撃でマシマシラすら倒せず話にならない。
確定サーチがあるとはいえ、ダメージの補助カードを持ってこなければならない場面が多く、手札が追いつかないターンが目立つ。

・どこからでも逆転を許してしまう

確定サーチであるバチンキーの【ドンドンだいこ】は、特性【おまつりおんど】を持つポケモンがバトル場にいなければ使用できない。そのため、バチンキーがバトル場に呼び出されると、バチンキーが自力で逃げられるまで確定サーチが止まってしまう。
この呼び出されたバチンキーにふうせんがついていなければ、手札干渉でビタ止まりしてしまい、前半のリードを簡単に取り返されてしまう。

各対面解説

ドラパルトex

死神。この確定死イベントをどれだけ回避できるかにかかっていると言っても過言ではなく、エンカウントした瞬間、お囃子も鎮魂歌へと転調する。ロジックで勝ちに行くのは諦めるべし。

アタッカーの進化前であるカジッチュのHPは40、トサキントのHPは50。これらは『ファントムダイブ』や『カースドボム』で倒されてしまう。
カジッチュに至ってはルチャブルの【フライングエントリー】からの2体同時きぜつもあり、ドラパルト側の盤面が完成してしまうと一瞬で全滅させられてしまう。

序盤から全力で攻めてイージーウィンを勝ち取るしかない。

サーナイトex

マシマシラが複数体完成すると、毎ターンサイドを2枚以上取られるため、それまでにサイド差をつけておきたいマッチアップ。
サーナイト側は序盤にHPの高いポケモンを用意しにくいため、げんきのハチマキをつけて『おまつりおんど』のダメージを110へ。そうすればマシマシラのHP110を突破できるため、サイドを連続で取得しやすい。
しかし、サーナイト側のどのポケモンに「勇気のおまもり」がついただけでワンパンできなくなるため、やはりこのマッチアップも序盤の押し切りがキーポイントとなる。『ともだちのわ』素点MAX100ダメージは厳しい。

タケルライコex

そう、タケルライコのような戦い方がシンプルなデッキとひたすらマッチアップしたい。おまつりおんど側の準備さえ間に合えばサイドの1-2交換を繰り返しで勝利できる。

バチンキーをバトル場で縛られて、『らくらいあらし』のタケルライコで狙撃され続けるのが唯一の負け筋のため、序盤からシェイミを出して純粋なバトル場勝負に持ち込む。

バトル場のポケモンとのサイドトレードを淡々と繰り返すだけのマッチアップを絶対に落とさないこと。この当たり前の試合を絶対に落とさないことで勝利数を積み重ねるのが、おまつりおんど流ランチェスター戦略。

サーフゴーex

タケルライコと同じく、ばら撒きも手札干渉も無いマッチアップ。しかしサーフゴーexが草抵抗のため、ポケモンのどうぐやサポートなど2パーツによるダメージ補助が無いとワンパンできない。

サーフゴーは現環境を代表するストレートデッキであり、おまつりおんど側からすれば、デッキ相性的に最も汲みしやすい相手である。本音を言えば、無対策で楽勝マッチとして処理したい。しかし、サーフゴーexに草抵抗があるせいで、こちらは常に迂回ルートを歩まされてしまう。

サーフゴー側のサブアタッカーであるソルロックは草弱点で倒しやすいが、問題は2回目の追加攻撃を受けにバトル場へ出て来たサーフゴーex。2回目の追加攻撃を与えてサーフゴーexの残りHP190となったとする。(100-草抵抗30=70ダメージ)
しかし、ここで多少HPを削ったとしても、結局次のターン、ポケモンのどうぐやサポートの権利を使わなければ残り190のHPを削り切ることができない。そのため、おまつりおんど側の要求値一切は変わっておらず、2回目の追加攻撃がサイドレース的に意味を成していないのである。

このマッチアップの残念なところは、デッキコンセプトの相性は明確におまつりおんど有利にも関わらず、「楽に勝たせてくれない」ところにある。

手札干渉もなく、メインアタッカーがポケモンexという構造上、本来ならばおまつりおんど側が圧倒的有利を取るマッチアップであるにも関わらず、サーフゴーexの“おまけのような草抵抗”で、毎回ギリギリ勝負のガチバトルに引きずり込まれる。
ダメカンばら撒きマッチを割り切って勝負に来ているおまつりおんどに対して、サーフゴー側はその“草抵抗ひとつ”でこちらの覚悟を踏み倒してくる。明らかに損得の釣り合いが取れていない。

環境という因果の風向きがおまつりおんどに全く味方しておらず、不憫で仕方ない。彼の名誉を守るためにもこのマッチくらい楽に勝たせてやってくれ。

ちなみに回しているうちにどんどんサーフゴー側の勝率が上がっていった。サーフゴー側のコツは2回目の攻撃をゲノセクトexで受けてフトゥーで流す→無傷のサーフゴーexのみの盤面を目指せば、おまつりおんど側の「ブレイブバングル」が枯れて耐久勝ちできる。

リザードンex

リザードンexが草弱点のため有利マッチではあるが、特性【カースドボム】と組み合わせてアタッカーやバチンキーを枯らされると攻撃が途絶え、サイドを取れないターンを作られてしまう。

現在のリザードンはクレッフィとジェットエネルギーが標準搭載されており、コダックを出しても相手の手札が潤沢な場合は、クレッフィ+ジェットエネルギー+特性【カースドボム】を揃えられてしまう。そのため、まずはピジョットexを最優先で倒し、相手の要求値を上げて対応したい。

ソウブレイズex

「からておうの稽古」1枚でソウブレイズexを倒せるため、安心して戦うことができる。サーフゴーもこれくらいの温度感でやっつけたかった。

まとめ

2回攻撃と確定サーチという独自性からファンも多く、たびたび話題に上がるデッキ。

特性【おまつりおんど】を持つポケモンとバチンキーを揃えられないと、強みである確定サーチが使えないため、最近ではトサキントとアズマオウの採用が増えてきている。
また、1エネルギーでワザが使えることで構築の幅が広く、ルミナスエネルギーからファイヤーを動かしたり、最後の高火力アタッカーとしてガチグマ アカツキexを採用したりと、プレイヤーによって色が出る。実際「おまつりおんど」のコンセプトを、ピジョットexの疑似マッハサーチとして流用したリストも何度か見かけたことがある。

シティリーグで時折上位に姿を見せるのは、おまつりおんどが『ごっつぁんプリファイ』のように機能し、スーパーアグロで相手の場を崩壊させられているからだろう。

しかし、デッキの構造上どうしてもHPが低くなりやすく、ばら撒き系に弱い。そして現状、おまつりおんど側はその対策を持ち得ない。現環境はダメカンばら撒きが多いため、この問題が解決しない限り環境上位に食い込むのは難しいだろう。
ピンサーチができるため、つい色々とメタカードを採用したくなるが、実際のところ勝機は前半にしかないのでは?など、構築上の課題もある。夏休みの宿題は多い。

コメント

  1. 祭囃子 より:

    ぶあついうろこが登場するらしいのですがドラパ相手にどうすれば勝てますでしょうか?