
良い点
・盤面完成までの要求が低い
メガガルーラexの特性【おつかいダッシュ】と暗号マニアの解読で2枚を確定サーチできる。キーパーツの「フォレトスex」や「活力の森」を手札に加えやすい。
・メタカードが効きづらい
オーガポンいしずえのめんexに対しては「ロケット団の監視塔」でメガガルーラexの特性を消すことで対策、リキキリンexにはフォレトスexで草弱点を突き、タイマンで倒すことが可能。
単構築でよく起こり得る“ルール上突破できない障壁”への解答も現状では用意されている。
・絶対に負けないターンが作れる
盤面にメガガルーラexが1体のみの状態で「アセロラのいたずら」を使用することで、相手のポケモンexからワザのダメージや効果を受けない状態を作り出すことができる。
現在の環境はポケモンexが主体のデッキが多く、そもそも非exではメガガルーラexを容易に突破できないため、「絶対に負けないターン」を作り出すことが可能。
・対戦が盛り上がる
メガガルーラexのワザ『マシンガンコンボ』はコインを投げ、その結果次第では2進化ポケモンをワンパンすることもできる。その盛り上がり方はまさにエンターテインメントであり、観戦している側も思わず引き込まれる。
また、「アセロラのいたずら」を複数ターン連打する瞬間も愉悦そのもので、両者の間に思わず笑みがこぼれるような時間を生み出す。
悪い点
・コダックに弱い
フォレトスexの特性【ばくれつエナジー】でエネルギー加速とサイド2枚を相手に取らせる動きを軸としているため、相手の場にコダックを出されてしまうとエネルギー加速ができないうえ、メガガルーラexを2回倒されるだけで勝敗が決してしまう。
結果として相手のサイドは3-3と進み、それは「アセロラのいたずら」が使用できなくなることを意味している。(フォレトスexの特性ばくれつエナジーはコダックのしめりけで、カースドボム同様使えなくなる)。
・手札干渉に弱い
毎ターン「おつかいダッシュ」を使えるとはいえ、引けるのは2枚のみ。手札干渉の後に必要なカードを引き込めるかどうかはかなり運任せ。
ポケギアやミラクルインカムを採用していても、必ずしも「アセロラのいたずら」を使用できるとは限らず、そのタイミングで敗北してしまうケースもある。
これはデッキコンセプトに抵触する致命的な欠陥とも言えるが、個人的にはここで“ガチデッキとそうでないデッキ”のちょうど良い線引きがなされているように感じている。
この欠陥はむしろ魅力の一部であり、つまり、まあなんというか、交流会でこのデッキと対面したのであれば、「この人は対戦そのものを楽しみに来たのだな」という第一印象を受ける。コンセプトデッキとして強く、しかしあくまでファンデッキの領域を出ない。この雰囲気を天然で醸し出すことで、良い格下げが行われていると感じる。(個人の意見です)
・カースドボムなどのサイドまとめ取りに弱い
「アセロラのいたずら」は、相手のサイドが残り2枚以下にならなければ使用できない。そのため、1体目のメガガルーラexを削られ、カースドボムと合わせて一気に突破されるような展開になると、デッキ本来の強みを発揮できない。
さらに「ブライア」にも弱く、相手が意識して非exのみの盤面を作り、ブライアを避けられない状況にされてしまうと、フォレトスexのサイド2枚とメガガルーラexのサイド4枚でサイド「2-4」進行となり敗北する。
各対面解説
ドラパルトex
グッズロック下でも、「暗号マニアの解読」さえ引ければフォレトスex、クヌギダマ、活力の森等、足りないパーツをサーチして攻撃に移ることができるため、序盤で躓くことは少ない。
カースドボムを絡められて「アセロラのいたずら」が使えないターンを作られないよう、ヨノワールラインは優先して倒す。
サーナイトex
勇気のおまもりを付けたフワンテに300ダメージを出されると、「アセロラのいたずら」関係なくワンパンされてしまうため明確に不利マッチ。
「ボスの指令でサーナイトexを呼び出し、マシンガンコンボ3オモテでワンパンする」という、大冒険プレイでサーナイトexをぶっ飛ばせ!
タケルライコex
手札干渉の回数が少なく、正攻法で突っ込んできてくれるため、戦いやすい対面である。
アセロラのいたずらループに入ってしまえば、非exのコライドン以外にワンパンしてくるポケモンはいないため、「あんぜんゴーグル」で闘弱点を消して安全に立ち回りたい。
サーフゴーex
基本的に手札干渉が飛んでくることはなく、サーフゴーex以外のダメージも低いため、これもまた戦いやすい対面である。
サーフゴーexのHPは260あるため、ハチマキ系カードを付けて、コイン1オモテでサイドを取れるようにしておきたい。
初手でソルロックによってクヌギダマを倒されると、サイドが「1-2-3」進行となってしまうため、活力の森の効果でクヌギダマの状態で場に出ている時間を少なくするプレイが重要。
マリィのオーロンゲex
「ジャンボアイス」をいかに温存して戦えるかが勝負を分けるマッチアップ。
オーロンゲexとマシマシラによってダメカンをばら撒かれ、全体的に均等なダメージを受けるため、アセロラのいたずらが使いづらい展開にされてしまう。
そのため、1体をジャンボアイスで大きく回復しつつ延命し、相手のマシマシラを枯らしてアセロラのいたずらを使える盤面に誘導していきたい。
リザードンex
ボム型が減っているため、アセロラのいたずらループを決めやすい。
リザードン側も序盤はダメージが低く、ガルーラ側もジャンボアイスで延命できるため、何度も何度もマシンガンコンボを打ち込んでいけば、いつかは勝てるよね、的なゲームになる。
ただこのデッキはコダックの採用率が高いので…。
まとめ
「アセロラのいたずら」を連続して使用し、粘り勝ちを狙うのがこのデッキの趣旨。
一方で、環境には「アセロラのいたずら」を回避する手段を持つデッキが多く、勝てる対面と勝てない対面が明確に分かれるデッキとなっている。
相手にコダックの採用があると、フォレトスexの特性は使えずエネルギー加速はできないし、アセロラのいたずらは使えないしと、実質ゲーム終了である。環境を見ながらコダックの採用率が少ないタイミングで持ち込みたい。
…が、このデッキは対戦で勝つための競技デッキではなく魅せるデッキである。どのように使ってみてもエンタメ要素が多すぎる。もはや手札干渉後にアセロラのいたずらが引けないことすら面白い。
プレイヤーにできることと言えば、各対面を詰めて練習する!ではなく、「対戦が楽しめる大会に持ち込めただけでプレイングは完結しており、それ以上は野暮だ」といった印象。
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