
良い点
ドローできる特性を持つポケモンが多い
ユンゲラーやフーディン、ノココッチなど、ドローできる特性を持つポケモンが多い。場のポケモンの進化が連鎖すれば、爆発的に手札を増やすことができる。そのおかげで盤面を作りやすく、後続アタッカーやシステムポケモンを展開しやすい。
非ポケモンexの盤面を組める
ポケモンexがキチキギスexのデッキレシピが多く、非ポケモンexのみで盤面を組みやすい。序盤からサイド2枚取られることが少なく、準備するターンを作りやすい。
青天井ワザを持つ
非ポケモンexでありながら青天井ダメージワザを持つ。ポケモンex環境である今、多くのデッキにサイドレースで有利に立ち回りやすい。
悪い点
全体的にHPが低い
全体的に進化前・進化後ともにHPが低く、ばら撒きによって一度に複数のサイドを取ってくるデッキに弱い。
「バトルコロシアム」のおかげである程度改善されているものの、オーロンゲやサーナイト等のばら撒き系のデッキはスタジアムを厚く採用しているケースが多く、有利になったとは言い切れない。(それでも、「バトルコロシアム」が通った1ターンの価値は、ゲームの勝敗を決するほどの影響力を持つ。ゆえに、その値千金の1ターンがもたらす莫大なリターンへの期待値から、バトルコロシアムの採用は前のめりである)。
手札干渉が効いてしまうと復帰できない
このデッキは手札を増やす手段をポケモンの特性に依存しているため、手札干渉を受けた後に止まってしまうと復帰できない。いや、もはや復帰なんて悠長なことを言ってる場合ではない。
非ポケモンexのみで盤面を構築することは、相手の1ターンの上限値にこちらから恣意的に制限をかける行為であり、このテクニックはポケモンカードのルール上で定義された最強の防御方法である。
しかし、その最強防御と引き換えに攻撃のテンポや速度は緩やか。
ゆえに、1ターンでも攻撃できないターンを作られてしまうと、その時点で敗北してしまう。
手札干渉が使いづらい
現環境で最も強力な手札干渉札と言えば「ナンジャモ」だが、このデッキではナンジャモを使うと自分の手札までリフレッシュしてしまうため、ダメージを出しにくく、採用しづらいカードとなっている。
「クセロシキのたくらみ」と「ぼうがいレター」を採用して手札干渉を可能にしているリストも存在するが、使い所が難しい印象を受ける。
各対面解説
ドラパルトex
序盤から攻めてサイドを先行し、ドラパルトexをワンパンすることを目指す。
昨今のドラパルトは特殊エネルギーの採用が多いため、「改造ハンマー」でエネルギーを削ったり、エネルギーが付いたドラパルトラインをボスの指令できぜつさせ、ドラパルト側が攻撃に移るターンを1ターンでも遅らせるように立ち回る。
しっかりと動かれると盤面を崩されてしまうため、コダック出してカースドボムを牽制し、サイドレースで差をつけたい。
1体目のドラパルトexはワンパンできる。2体目を捌くのは難しい印象。ドラパルト側のエネルギーテンポを奪うことを意識したい。
サーナイトex
悪エネルギーが付いたマシマシラを2体用意されてしまうと、無条件でケーシィを倒されてしまう。
そのため、バトルコロシアムを貼り続けるか、マシマシラを倒し続けて根源を断っていきたい。
また、マシマシラのワザ『サイコトリップ』による混乱状態は、フーディンを逃がしてノココッチの特性をバトル場で使うことで解除可能。
サーフゴーex
フーディンはサーフゴーに有利であるがゆえにシェア率を伸ばしていると言っても過言ではない。
基本的に手札干渉が飛んでくることはなく、かつサーフゴーexをワンパンできるため、ゲームを有利に進めやすい対面。
ただし、最近増えている「ルナソル型サーフゴー」は非ポケモンexでサイドを進めてくるため、フーディン側の準備が遅れると、逆転が難しくなる場面もある。まあこれは滅多に起こらないので杞憂。
攻撃可能な状況であれば、スピンロトムでコレクレーを倒し、こちらも早い段階からサイドを取り始めて差をつけられないようにしたいが、なんせ超絶有利である。
ソウブレイズex
こちらもサーフゴー同様、手札干渉が飛んでこないため非常に戦いやすい。
ソルロックによるサイド先行、ブライアは警戒。
マリィのオーロンゲex
ユキメノコとマシマシラを準備されると盤面が崩壊してしまうため、序盤からそのラインを優先的に倒しに行きたい。
ドラパルトと違い、毎ターン継続的にダメカンをばら撒いてくるため、バトルコロシアムが刺さりやすい。
ただし、オーロンゲ側もスタジアムを厚めに採用しているため、ゲームの展開は相手の引きに大きく左右される。
リザードンex
相手の手札干渉回数を減らすためにも、ピジョットexは早めに倒しに行きたい。
昨今はボム型が減少傾向にあり、サイドを一気に複数枚取られる心配が少ないため、比較的戦いやすい対面といえる。
フーディンはダメージではなく“効果”でダメカンを乗せるため、イーユイに反撃されない点も大きい。まれに採用されているミストエネルギーには注意。
タケルライコex
手札干渉が飛んでくる回数が少ないため、比較的戦いやすい対面。
タケルライコ側に非ポケモンexのアタッカーが複数枚採用されているため、ボスの指令を要求されるターンは多め。
非ポケモンexのタケルライコのワザ『らくらいあらし』でベンチのケーシィを倒され続けると後続が途切れる可能性があるため、シェイミは優先的に場に出しておきたい。
まとめ
フーディンの特徴は、有利・不利のデッキが明確であること。進化ラインさえ整っていれば手札が次々と増えていくため、結果的に攻撃が途切れにくいこと。プレイミスのカバー範囲も広く、比較的扱いやすいデッキであることが挙げられる。
また、不利対面に対しても「バトルコロシアム」の登場によってある程度抗えるようになり、日に日に入賞数を伸ばしている。
特に「サーフゴーex」や「ソウブレイズex」には明確に有利がつくため、これらのデッキが環境の第一線で活躍している限り、「フーディン」の存在価値が否定されることはないだろう。
構築面ではデッキスロットに余裕がなく、基本的にどのリストも大きな変化は見られない。
ただし、「クセロシキのたくらみ」と「ぼうがいレター」の採用有無は、たった2枚でフーディン側の立ち回りを大きく変化させる。
使う側も使われる側も対応が難しいカードであるが、デッキに少し個性を加えたい場合、この2枚の採用は戦略にかなりの味変をもたらす。



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