
良い点
- 終盤の盤面が強い
最終的にはリザードンexとドラパルトexの2体体制で攻める。この2体をドロンチで支えることで、終盤の盤面は非常に強い。ここで言う「終盤の盤面が強い」とは、手札干渉を受けても勝敗に影響を及ぼさない、盤面だけで勝てている状態を指す。
(※)盤面だけで勝っているとは?
次の自分のターンが来れば、ワザ宣言するだけで勝てる状態。手札0枚でも勝てる状態のこと。 - 多くの環境デッキに耐性がある
リザードンexでのワンパン、ドラパルトexでのダメカンのバラマキを使い分けることで、単体では厳しいマッチアップも戦うことができる。 - ACESPECを自由に選べる
「アンフェアスタンプ」「プライムキャッチャー」「マキシマムベルト」等、どれが入っているか相手は予測できない。「アンフェアスタンプ」のケアができないことは仕方がないとしても、「プライムキャッチャー」や「マキシマムベルト」を読み違えて盤面を崩すことができれば、それだけで勝ちもあり得る。
悪い点
- ポケモンの育成に時間がかかる
2進化ポケモンが2体、さらに「ふしぎなアメ」の採用枚数も多くない。そのため1進化ずつ積み上げていく必要があり、殴り始めが遅い。この殴り始めの遅さは「相手にも等しく盤面形成の時間を与える。つまりイージーウィンがなく、すべての対戦を25分のフルタイムで戦わなければならない」と言っても過言ではない。言い換えれば、相手のたね無しドローゴーを咎めることがほぼ不可能な初速である。
この戦略を潔しとするかどうかは人それぞれだが、個人的には「楽に勝てるシチュエーションをひとつ、自ら放棄している」ように見えるため、デメリットとして挙げた。 - 開口一番の攻撃が難しい
順調にポケモンを育てられたとして、さあ今から攻撃。このときリザードンexとドラパルトex、どちらで攻撃を始められるかを選べれば理想。しかし実際には、手札にルミナスエネルギーがなく、リザードンexの『バーニングダーク』で攻撃を始める展開が多い。
そして序盤の『バーニングダーク』はダメージが低いため、立ち上がりが難しく、我慢のゲームが続く。
各対面解説
- ドラパルトex
ワザマシン「エヴォリューション」から展開し、【カースドボム】+『ファントムダイブ』で壊滅しないよう盤面を整える。「カウンターキャッチャー」や『ファントムダイブ』+【アドレナブレイン】を組み合わせて相手のボムラインを削り、最後は『バーニングダーク』で勝ち切ることを狙う。パワーでは劣っているため、コダックを採用して【カースドボム】を止めたい。 - サーナイトex
リザードンex2体育成を目指す。スボミーで相手の動きを止め、先に攻撃を仕掛けたい。サーナイト側がミュウexのワザ『ゲノムハック』からの『バーニングダーク』、あるいは【アドレナブレイン】からの『ファントムダイブ』、あるいは『デヴォリューション』。どのパターンで勝ちを狙っているのかを見極め、倒すポケモンを選択する必要がある。
サケブシッポの『ほえさけぶ』でリザードが倒される展開が厳しい。サーナイトを重く見るならシェイミの採用を検討したい。 - タケルライコex
イーユイが強く使える対面。イーユイを押し付けることで、サイドレースを有利に進められる。積極的に盤面に出してプレイするのが吉。基本はサイドを2-2-2で進行することを目指す。サイドを2枚先行されても捲れる対面なので、「ブライア」を程々に警戒しつつ、最後まで諦めずにサイドを取っていく。 - サーフゴーex
ここもイーユイが輝く対面。基本はサイドを2-2-2で進行する。「アイアンディフェンダー」が採用されている可能性あり。イーユイがサイド落ちしている場合は大きくプランが変わるため、事前にサイド落ちを確認しておく必要がある。 - マリィのオーロンゲex
ユキメノコの【いてつくとばり】やイベルタルの縛り、「デヴォリューション」など、ケアすべきカードが多い対面。ユキメノコでダメカンを乗せられないよう、アタッカーは早めに進化させて戦いたい。「ボスの指令」でユキメノコやマシマシラを狙い、オーロンゲ側にダメカンを自由に使わせないよう意識する。
あれこれと思案を巡らせるが、結局はオーロンゲ側がプランの後出しする権利を持っていることが多く、こちらの攻撃力不足を痛感することが多い。 - リザードンex
スボミーでリザードン側の展開を止めつつ、『ファントムダイブ』でポッポやヨマワルを倒していきたい。サイドを3枚以上取ると「マキシマムベルト」からドラパルトがワンパンされてしまうため注意。無傷のリザードンに暴れられるとそのまま負けに繋がるため、サイドを調整するか、リザードンexをワンパンできるようにダメカンのバラマキを意識したい。
まとめ
現環境『BIG6』と呼ばれるデッキは、いずれを使っても不利マッチが発生してしまうが、このデッキはドラパルトex+リザードンexを組み合わせることで、極端な不利マッチを避けられる構成となっている。
しかし、BIG6に肩を並べるかと問われれば、パフォーマンスは高いものの、一歩及ばない印象は否めない。
その理由は、BIG6はパワー・スピード・再現性・逆転性といった、いずれかの要素を極限まで高めた積極的なメリットを備えているのに対して、このデッキは「どのデッキとも対等に戦える」という、他者に依存した消極的なメリットに終始している点にある。
この「どのデッキとも対等に戦える」という特性をどのように解釈し、どこまで引き伸ばせるか。
「どのデッキとも対等に戦える」を「どのデッキにも勝つことができる」への昇華。それを追求する、まさに玄人好みのコンセプトデッキである。
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