更新日：3/1【土】
ポケカブックでは立ち回りを解説する際、「サイドの有利トレード」という言葉を使用します。
サイドの有利トレードとは？
各ポケモンが持つサイドの価値の交換のことを指します。ポケモンexはサイド2枚分の価値を持ち、非ルールポケモンはサイド1枚分の価値を持ちます。各ポケモンが自身のサイド価値を上回る成果を挙げることを、「サイドの有利トレード」と表現しています。
たとえば、非ルールポケモンがポケモンexを1ターンできぜつさせた場合、そのポケモンは自身のサイド1枚分の価値に対して2枚分の働きをしたことになり、これはサイドの有利トレードに該当します。
ポケモンカードにおいてサイドが劣勢の状況では、お互いの攻撃が順当に進む限り、サイドの等価トレードを繰り返すだけでは逆転することができません。
そのため、どこかでサイドの有利トレードを仕掛け、相手より多くのサイドを取る 又は 攻撃を耐えて相手にサイドを取らせないターンを作ることが重要となります。
そして、《サイドの有利トレードが行われることなく、このままゲームが進めばどちらが先に勝つのか？》
この戦略的な考え方を『サイドレース』と呼びます。
テラスタルバレット立ち回り解説
Tord Reklev選手使用
デッキタイプ
- ピカチュウexの採用には採用パターンと不採用パターンがある。
- ピカチュウexを採用することで、サーフゴー、ブリジュラス、ザシアンと戦えるようになり対応範囲が広がる。一方で、デッキの事故率はやや上昇する。
- 3/1【土】現在、上記のデッキ（特にサーフゴー）は無視できないと判断され、ほとんどのデッキがピカチュウexを採用。
- 当初の目的通り、タケルライコやドラパルトの対策に特化するか、それともピカチュウexを採用し対応範囲を広げるか。この二つの構築思考がある。
デッキの回し方
- 先攻を取る。
- 環境は後攻を取るデッキが多いことから、先攻特化の構築にしているため。
- 先攻で場にポケモンを出すことができれば、ヨルノズクに進化し、特性【ほうせきさがし】を宣言。その後、「きらめく結晶」と「アカマツ」で攻撃に移行できる。ヨルノズクに進化するだけで成立する動きであるため、グッズロックに対して強いデッキタイプとなっている。
- オーガポンいどのめんexのワザ『げきりゅうポンプ』でサイドを2枚ずつ取得していき、3回の攻撃で勝利を目指す。
- それぞれの対面に強いポケモンをマッチアップさせることがこのデッキを回す上でのポイントになる。
VSタケルライコ
先行後攻問わず、バトル場には非ルールのポケモンを出す
- 自分は サイド2-2-2 の進行を狙い、相手にはサイド 1-2-2-2 の進行を強いる。
- 一見すると、リーリエのピッピexの特性【フェアリーゾーン】でタケルライコexの弱点を突けるためピッピex側を有利と説くのが自然に見える。
- しかし実際にはそう単純ではない。サイドレースの優位性は弱点相性を凌駕するため。
タケルライコ側が非ルールのポケモンを非ルールのポケモンで突破してくる
- タケルライコ側は、ピッピ側のスピンロトムをスピンロトムできぜつさせにくる。
- これに対しピッピ側はオーガポンいどのめんexのワザ『げきりゅうポンプ』でカウンターする。
- タケルライコ側がスピンロトムで攻撃してきた場合でも、タケルライコexで攻撃してきた場合でも、ピッピ側にはサイドを2枚ずつ取得する選択肢が常に残されている。
サイドを2枚ずつ取得する
- 必ずサイドを2枚ずつ取得する
ピカチュウexの採用
- タケルライコ側が非ルールのポケモンを避け、いきなり「プライムキャッチャー」でベンチのポケモンexをきぜつさせてきた場合、ピカチュウexを採用していることでサイドの有利トレードを発生させて逆転することができる。
- ピカチュウexの特性【がんばりハート】により、タケルライコ側はピカチュウexをワンパンすることができない。毎ターン「ボスの指令」を要求することで逆転の可能性が高まる。
VSドラパルト
オーガポンいどのめんexで速攻を決めるマッチアップ。
1ターン目から『げきりゅうポンプ』を狙う
- 先攻を選択し、2ターン目からオーガポンいどのめんexのワザ『げきりゅうポンプ』を宣言。サイドを2枚ずつ取得していく。
- 『アカマツ』の採用枚数が多いため、場を整えておけば安定して攻撃を継続できる。 またピッピ側はドラパルト側に後攻を取らせたとしても問題なく戦えるようにカスタマイズされている。
ドラパルトexをピッピexでカウンターする
- ピッピexでドラパルトexをワンパンする。
- ドラパルト側が2回の『ファントムダイブ』＋『カースドボム』130ダメージを決めるとサイドを6枚取り切られてしまう。 そのためドラパルト側に全力で必要なパーツを揃えられてしまうと、ピッピ側は敗北を免れない。 ピッピ側がどれだけ最速で動いても、ドラパルトexを倒すために最低でも3回の攻撃が必要であるため。
- ドラパルト側の手札干渉によってピッピ側の攻撃が続かなかった場合、ドラパルト側のキチキギスexにワザ『すすりなく』をすると1ターンの猶予を得られる可能性がある。
VSリザードン
ピッピ側は2進化ポケモンに対して強いコンセプトを持つため、机上では有利と考えられる。しかし、このマッチアップは机上論と実戦の乖離を示す。机上では有利と結論づけられるものの、実際の対戦ではそう単純にはいかない。
なぜピッピ側を有利と言いがたいのか？
- 基本的に、ピッピ側は相手の場の倒せるポケモンを最速で倒していくことしかできないため、リザードン側に対して十分な負荷を与えられない。
- リザードン側は、『バーニングダーク』→「ブライア」→ヨルノズクなどに特性【カースドボム】→『バーニングダーク』。この流れでピッピ側の最速を上回る速度で勝利を狙うことが可能。
- さらに、リザードン側が「ブライア」を虎視眈々と狙っていることが明白であったとしても、ピッピ側にはそれを妨害する手段が存在しない。
- したがって、ピッピ側はリザードン側の言いなり。 ピッピ側にはリザードン側の手札が噛み合わないことを祈りながら爆進するという行動指針しかなく、デッキに明確な対抗策が組み込まれていない。
- このように、デッキに解決策が存在しないにも関わらず、偶然勝率が良いという事実のみを根拠に「有利」と結論づけることは、再現性を追求する者として適切ではない。 自分にとって都合の良い事実だけをもとに物事を解釈していないか、客観性が問われるマッチアップである。
オーガポンみどりのめんexを捧げて「ブライア」を防ぐ
- ピッピ側はリザードン側のキチキギスexやテラパゴスexをピッピexできぜつさせる。
- リザードン側はリザードンexがワンパンされることを嫌い、ベンチのオーガポンみどりのめんexをバトル場に呼び出してくる。
- ピッピ側はリザードン側に「ブライア」を使わせないようにするため、オーガポンみどりのめんexを呼び出すことにリソースを割かせる。
- ピッピ側にとってもオーガポンみどりのめんexを失うことは激痛。しかし、素直に「ブライア」を使用させると負けが確定するため、オーガポンみどりのめんexをベンチで育てて温存しておく。
- オーガポンみどりのめんexの育成は2体同時並行して行う。(1体のみでは先に呼び出されてきぜつさせられた場合、カウンターするポケモンがいなくなるため。)
基本戦術
- オーガポンみどりのめんexでリザードンexをワンパンする。
- オーガポンいどのめんexでリザードン側のヒトカゲを枯渇させることができれば、この行動が一番強い。
- リザードン側は入れ替えカードの採用がない構築も多いため、オーガポンいどのめんexのワザ『すすりなく』も有効。『すすりなく』が通るなら、一気にサイドを3枚取得して「ブライア」のターンを飛ばすことができる。
VSサーフゴー
ピカチュウexの採用の有無で勝率は変わる。
ピカチュウexの採用がある場合
- 特性【がんばりハート】によって、サーフゴーexのワンパンを防ぐことが可能。
- 1体のピカチュウexで2体のサーフゴーexのきぜつが期待できるため、サイドの有利トレードを仕掛けることができる。
- サーフゴーexのベンチの数は徐々に減っていくことが予想される。サーフゴー側のベンチに4体以上のポケモンが出ている場合、最初の1体目のサーフゴーexはピッピexできぜつさせ、残り2体はピカチュウexできぜつさせる。
ピカチュウexの採用がない場合
- リーリエのピッピexでサーフゴーexをワンパンする必要がある。
- ピッピexのワザ『フルムーンロンド』は、ピッピ側の場だけでは最大180ダメージしか出せない。 サーフゴー側にも4体のベンチポケモンを並べてもらう必要があり、この条件を満たすのは非常に厳しい。
- サーフゴーに対する明確な対抗策がなければ正攻法での勝利はかなり難しい。
オーガポンいしずえのめんexの採用
- ピカチュウexを採用する場合、デッキの内容を大幅に変更する必要がある。
- しかし、オーガポンいしずえのめんexであれば、ピン刺しでも十分に効果的な働きが期待できる。 (サーフゴーexの攻撃をシャットアウトできるため、戦いの軸がサーフゴー側のサブアタッカー次第となるから。)
- サーフゴー側のデッキの内容によっては、オーガポンいしずえのめんexだけで殴り勝てる試合もある。
- 「サーフゴーexに勝つためにオーガポンいしずえのめんexを採用した」という理由だけでは動機として弱いが、最低限の対策としては十分すぎるほどの活躍を見せる。
- ただし、オーガポンいしずえのめんexはサーフゴーex単体は完封できるだけ。サーフゴー側のサブアタッカーとの対決は避けられないことに留意する。
VSブリジュラス
環境デッキの中で最も不利なマッチ。
ブリジュラスデッキに勝つという明確な意思を持って対抗策を組み込まなければ勝てない。
しかし、VSサーフゴーで記載した内容と全く同じ内容を当てはめて対策することができる。
ピカチュウexを採用する
- 特性【がんばりハート】によって、ブリジュラスexのワンパンを防ぐことが可能。
- 1体のピカチュウexで2体のブリジュラスexのきぜつが期待できるため、サイドの有利トレードを仕掛けることができる。
オーガポンいしずえのめんexを採用する
- ピカチュウexを採用する場合、デッキの内容を大幅に変更する必要がある。
- しかし、オーガポンいしずえのめんexであれば、ピン刺しでも十分に効果的な働きが期待できる。 (ブリジュラスexの攻撃をシャットアウトできるため、戦いの軸がブリジュラス側のサブアタッカー次第となるから。)
- ブリジュラス側のデッキの内容によっては、オーガポンいしずえのめんexだけで殴り勝てる試合もある。
- 「ブリジュラスexに勝つためにオーガポンいしずえのめんexを採用した」という理由だけでは動機として弱いが、最低限の対策としては十分すぎるほどの活躍を見せる。
- ただし、オーガポンいしずえのめんexはブリジュラスex単体を完封できるだけ。ブリジュラス側のサブアタッカーとの対決は避けられないことに留意する。
基本的に勝てない
- ブリジュラス側は「ボスの指令」×3連発でゲームを終わらせることができる。また、ブリジュラス側はそのようなデッキに組んである。
- ブリジュラスexは『メタルディフェンダー』を耐えられないデッキに対して滅法強い。
VSNのゾロアーク
ゾロアーク側がヒヒダルマのワザ『ひだるまキャノン』以外を選択してエネルギーが残った場合、オーガポンみどりのめんexが草弱点を突いてワンパンすることができる。
ヒヒダルマラインを先に消す
- ゾロアーク側が『ひだるまキャノン』を選択し、ピッピ側のホーホー2体を同時にきぜつさせようとする展開になると、ゲームの進行がやや停滞する可能性がある。
- ピッピ側は先にオーガポンいどのめんexのワザ『げきりゅうポンプ』で、ダルマッカおよびヒヒダルマをきぜつさせる。
- 『ひだるまキャノン』の選択肢がなくなり、ゾロアーク側はオーガポンみどりのめんexのワザ『まんようしぐれ』によるきぜつを回避できなくなる。
仮に『ひだるまキャノン』を使用されても、1発、2発ではそれほど深刻なことにはならない。
ゾロアーク側にはピッピ側に対して有効なワザが存在しないため、焦らずサイドを2枚取得できる選択肢を選び続けたら良い。
中途半端にダメージを与えるとレシラムのワザ『パワーエイジ』でカウンターされるため、ワンパンできないなら攻撃をせず場を整えるだけに専念する。
VSホップのザシアン
机上では不利がつくが、総合的にはイーブン程度の勝率を維持できる。
ポイントは、ポケモンex同士での倒し合いをすること。すなわち、サイドの等価トレードを繰り返し、先にサイドを2枚を取得したテラスタルバレット側が勝つ展開に持ち込むことを目指す。
ウッウにサイドを取らせない
- ポケモンex同士の殴り合いを仕掛けたい以上、非ルールのポケモンにサイドを取られるのはこの理想に反する。
- ウッウが出てくるタイミングで手札干渉を行い、きぜつさせるためのパーツが不足するようにする。
- ここでウッウにサイドを取られてしまう（非ルールのポケモンを挟まれてしまう）と、逆転は難しくなる。
つまりゲームのポイントは1点。
先攻（後攻）2ターン目の攻撃で、HPがまんたんのピッピまたはピカチュウでザシアンexをきぜつさせられるかどうか。
最初のザシアンexをきぜつさせることができた場合、ブリジュラスexにはピカチュウex、ベンチを絞ってきた後半のザシアンexにはガチグマアカツキexをぶつけることで先にサイドを取り切ることができる。
VSサーナイト
ラルトスラインの全滅を目指す
- ラルトスを全滅させるより、「ジャッジマン」を使いながらシャリタツをきぜつさせた方が強力なパターンもある。
- サーナイトexが場に出てくるまではオーガポンいどのめんexのワザ『げきりゅうポンプ』の連発で良い。
サーナイトex育成後の戦い方
- テラスタルバレット側にはサーナイトexをワンパンできるポケモンがいない。
- そのため、フワンテやサケブシッポとの戦いに付き合わされる。これらのポケモンをスピンロトムのワザ『とつげきランディング』できぜつさせる。
テラスタルバレット側は、序盤で大きくサイド差を突き放すことができる。
サーナイト側は「ナンジャモ」を使いながら、サケブシッポのワザ『ほえさけぶ』でホーホーをきぜつさせ、テラスタルバレット側の動きを封じるようなギリギリの戦いを強いられる。
テラスタルバレット側にはイージーウィンの可能性があるが、サーナイト側にはそれがないため、テラスタルバレット側の方が気持ちに余裕を持って対戦に臨むことができる。
マシマシラの特性【アドレナブレイン】でダメカンを生成するために、サーナイトexを死に出しし、【サイコエンブレイス】でエネルギーを2枚付ける。その後、サーナイトexがにげる、というのはよくあるプレイ。このとき【アドレナブレイン】でダメカンを3個移動させても、ダメカンは1個残る。1個でも残っていれば、ピカチュウexでのきぜつが狙えるため、見落とさないようにする。
VSオーダイル
- オーガポンいどのめんexのワザ『げきりゅうポンプ』によるたね切れ以外の方法では勝利することができない。
- 「ゴージャスマント」を付けたミミッキュの突破や、ワニノコのワザ『かじりつく』など、オーダイルに組み込まれたコンセプトの大半がピッピ側に刺さっている。
- ミミッキュはミュウexのワザ『ゲノムハック』でダメージを与えることは可能だが、マシマシラの特性【アドレナブレイン】によって押し返されてしまうため、サイドを取り切るだけの火力には至らない。
VSヤドキング
- 最速でオーガポンいどのめんexのワザ『げきりゅうポンプ』を宣言する。
- ヤドキング側は1ターン目にヤドン3体とネイティ2体を出す必要があり、既にハードルが高い。（テラスタルバレット側のボスの指令を考慮し、どのような倒され方をしたとしても詰まないためにはヤドン3体とネイティ2体が必要。）
- ヤドキング側の準備が整ったとしても、ヤドキングはベンチに下げてしまえばワザ『げきりゅうポンプ』の120ダメージできぜつさせることができる。（ヤドキング側は常にヤドンを3体用意し続けなければならない。）
以上のことから、テラスタルバレット側は、ヤドキング側のあらゆる立ち回りに対抗策を持つ。
基本的には有利。しかし、キュレムのワザ『トライフロスト』によってホーホーが全滅し、テラスタルバレット側の動きが停止してしまう可能性もあるため、油断はできない。
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