WCS2022の参加権利を手に入れたタナカトモヤ選手、そしてそのデッキ調整を手伝う私(ポケカブック)の挑戦の記録です。
環境考察
World Championships 2022(以下WCS)
第一層
パルキア、アルセウス
第二層
その他
環境は1層と2層に分類しました。
更に上位は3つの派閥で争われると予想しました。
私たちは画像の上枠
「パルキアとアルセウスに勝てるよう極端なアプローチを考えたもの」派閥に属して戦うことになります。
それゆえ、例えばミュウの場合はどうするのか?等の疑問は、想定していないマッチアップであるため答えられません。
前提として非常に重要なので繰り返し申し上げますが、私はWCSでパルキアとアルセウスと相対することしか想定していません。
使用デッキ紹介
WCS DAY2使用デッキ
デッキのベースとなる考え方
まず基本的な動きを説明します。
このデッキは白馬バドレックスVMAXで相手のパルキアとアルセウスを1撃で倒すデッキです。引いたものから使っていき、最速の4ターン決着目指すノーガードの速攻デッキです。
このデッキは4ターン決着を目指す速攻デッキである。
相手がダイランスを耐えれない以上、後から攻撃を開始(後殴りと言われる)でもサイドレースを逆転することができます。
サイドレースがよくわからない方はこちらを先に一読ください。
これは原則です。つまり建前上は有利判定となるわけですが、この原則を乱す3つの要因があります。
この3つの要因の克服こそが、今回の打倒アルセウス&パルキアのテーマとなります。
その原則を乱す3つの要因とは…
- 要因① アルセウスデッキ、「おおきなおまもり」
- 要因② 私が後攻であるときのパルキアデッキ、インテレオンによる「アクアバレット」
- 要因③ 私が後攻であるときのパルキアデッキ、輝くゲッコウガによる先攻2ターン目「月光手裏剣」
4ターン決着の実現をするための課題、この3つの解決を目指す。
各々のマッチアップに対する考え方
VSアルセウス
要因① アルセウスデッキ、「おおきなおまもり」
アルセウスVSTARに大きなおまもりを付けて、HPを310にする。相手の攻撃を耐えてチェレンの気配りで攻撃をなかったことにする。
単純ですがHP310を1撃で倒せない以上、厄介極まりないコンボです。
各対面こなしてわかったのですが、あらゆるデッキの可能性を摘み取っているのは、パルキアよりこのアルセウスだと感じました。
このデッキの攻略は、至極単純ですがツールスクラッパーを2枚採用して大きなおまもりを2回剥がすことで解決しました。
こちらはノーガードで攻撃する速攻デッキゆえ、1度でも倒し損ないがあったら負けは必至でした。多少不細工な採用理由ですが、これはツールスクラッパーにしか担えない非代替的な役割。まぁ2枚が妥当なところでしょう。
アルセウスインテレオンとの対戦勝率65勝6敗。勝率91%。
これ以上の検討は必要ないとしてアルセウス編の解説を終了します。
ツールスクラッパーを2枚採用することでアルセウスに対して容易に勝てるようになり、要因①を解決した。
VSパルキア
ある程度覚悟していたことですが、私たちは時間のほとんどをこのVSパルキアに注ぐことになり、そしてその過程は難航を極めることとなります。
結論から申し上げますと、私たちはパルキアデッキに完璧な活路を見出すことができませんでした。
先攻時こそ明確な解答を用意できましたが、後攻時の勝率がどうしても安定せずしどろもどろに。
そこで私たちは相手パルキアデッキの構築上の差異を突く「メロンの枚数と勝負する」という戦略を企てます。(後述で紹介)
まず私たちが勝利条件を満たすまでの分岐を興しました。
※ここから先は通常起こりうる一般的なロジックで検討しています。
例えば自分が引けなかったらどうするのですか?や、
ボスで逃げられなくなったらどうするのですか?等の
特別なパターンは想定していません(一般論でないと議論は進まないため)
常に自分も常識の範囲内での最速、相手も常識の範囲内での最速で動きます。
私が先攻時の相手の分岐は全部で4パターン
私が後攻時の相手の分岐は全部で3パターンです。
私が先攻 パターン①
ダイランスでパルキアを3体を倒して4ターンで勝利。
相手の初動が悪かったときはこのパターンで勝つことになります。
私が先攻 パターン②
メッソンを倒してその後のパルキア3体と相対するパターン。サイドレースは1-2-2-2と効率良く動きますが、3回の攻撃では白馬バドレックスVMAX2体を倒せないためパルキアを倒し続ければ勝利できます。
私が先攻 パターン③
インテレオンを挟んでくるパターン。サイドレースは2-2-1-2と効率良く動きますが、3回の攻撃では白馬バドレックスVMAX2体を倒せないためパルキアを倒し続ければ勝利できます。
私が先攻 パターン④
私が先攻の場合、唯一の相手の勝ち筋がコレ。
月光手裏剣で白馬バドレックスVMAX2体にダメカンを乗せて、パルキアの攻撃2回でサイドを6枚取り切るパターンです。
これは2体目の白馬バドレックスVの進化を遅らせることで対処します。
月光手裏剣の標的とならなかった白馬Vを進化させることで、月光手裏剣の2体攻撃の効率を失わせます。
私が先攻の場合、相手はこの4パターンのみにしか派生しません。
私が先攻である以上、ゲームは必勝であることがわかりました。
私が先攻時に相手に活路があるのはパターン④月光手裏剣のみ。これはベンチに白馬Vを2体用意して、ダメカンが乗っていない白馬Vを進化させることで解決した。
問題は私が後攻の場合です。
私が後攻の場合にこそ問題があり、冒頭で挙げた要因②、要因③が登場します。
後攻である場合、対戦はどのように派生するのでしょうか?
私が後攻 パターン①
先攻時と同様、3回の攻撃で相手はサイドを取り切れません。
パルキア側の初動が少しでも悪いと大体このパターンで勝利となります。
私が後攻 パターン②
要因②
私が後攻であるときのパルキアデッキ、
インテレオンによる「アクアバレット」
4回の攻撃で先にサイドを6枚取り切られてしまうので、サイドレースでは負けてしまいます。(白馬V、白馬バドレックスVMAXに2回攻撃、ボスの指令ビーダルを倒されて敗北)
解決方法として、相手のインテレオンが出てきたターンで私はボスの指令を使う必要があります。ボスの指令を出来る限り多めの、3枚採用で問題は解決したこととしました。
色々と検討しましたが、この要因に対してはこれ以上の上策はなく、やや説得力には欠けますが納得するしかありません。
ここまで理詰めなのに急になぜこうも楽観的かというと、後述する要因③先攻2ターン目の「月光手裏剣」よりよっぽど楽だからです。
インテレオンが出てくるまでにボスの指令を引き込んでおく必要があるが、構築とプレイングで対応することができた。これは決して分の悪い勝負ではなかった。
私が後攻 パターン③
要因③
私が後攻であるときのパルキアデッキ、
輝くゲッコウガによる先攻2ターン目「月光手裏剣」
まず初めに…
先攻2ターン目に月光手裏剣を最高の効率で使われると確定で負けます。
調整過程は1度、迷走期間に突入します。
マナフィを入れたり、様々なカードを差し替えて試しましたが明確な解答が出ません。これ以上続けるとパルキアに対して苦手意識が生まれてしまいそうな、そんな不穏な空気が次第に漂ってきました。
そしてこの問題発覚してから2週間経過した時…
「ちょっと待った。これ難しいことせず押し切れるパターンが結構あることない?」
このとき私たちは勝敗は相手の構築に委ねるという愚策、その愚策の極みの中に潜むウルトラC。
「相手のメロンの枚数と勝負する」戦法を思い付きます。
メロンの枚数と勝負するとは?
先攻時 パルキア目線
1ターン目 場にポケモンを用意する
2ターン目 ゲッコウガ気絶
3ターン目 パルキア気絶
4ターン目 パルキア気絶(この時点で取られるサイドは5枚)
2ターン目の月光手裏剣使用後のゲッコウガをボスの指令で躱さない限り、パルキア側には5回目の番が回って来ます。[※私がパルキア、パルキア、パルキアと倒して勝利しない限りゲームは5ターン目に突入するということ]
そこで私たちは合計5回の番でパルキア側は何枚のエネルギーカードをボードに用意できるか、その正確な枚数を計ります。
5ターンでボードに用意できるエネルギーの枚数は最大で9枚
メロン1枚構築の割合は13/20、信用度65%(キバナ、友達手帳を含まない)
これを前提として…
パターン① 相手がパルキアスタートした場合
パルキアスタートしたとき、パルキアがエネルギーを切って逃げた時点で3体目のエネルギーが絶対に間に合いません。(クロススイッチャー除く)
パターン② ゲッコウガスタートした場合
(メッソン、マナフィは回収ネットで逃げれるので検討不要)
このパターンってよくあるのか?
3枚ポータルからの月光手裏剣って割り切れる程度の確率でしか発生していなくないか?
状況を整理しますと、
ここまでは割り切るとして…
相手が先攻2ターン目に月光手裏剣を使った場合、2枚ポータル、1枚メロンが私たちが勝てるギリギリのボーダーライン。
だがこのボーダーラインは更に4つの諸条件と交錯する。
私たちはこの複雑に絡み合う諸条件を上策であると判断し、要因③を解決したものとみなしました。
つまり…
「難しいことはせず、ただバトル場をひたすら攻撃し続けるのが一番強いんじゃないか」説
構築を変えたり、ボスの指令で後ろを倒したり等の余計なことをせず、バトル場のポケモンを倒し続けるだけで実はそれなりの勝率が見込めることに気づいた。
102戦ほどして白馬が70勝、パルキアが32勝。勝率68%。
途中白馬バドレックス側が構築迷走期に入り勝率を落としましたが、方針が定まった後半はしっかり取り戻すことができました。
68%の勝率は勝負事における非常に贅沢な結果に至っているとして、パルキア編の解説を終了します。
紹介したのはあくまで私たちが納得できる落とし所です。
これは解決策ではなくデッキの安定性や再現度との比較考量を行い、その末の妥協案に過ぎないということを私たちは重々承知しております。
VSミュウツーコントロール
NAIC(北アメリカインターナショナルチャンピオンシップス)にて突如彗星の如く現れたミュウツーVunionコントロール。登場当初こそ頭を悩まされましたが、このデッキには明確な弱点がありました。
このデッキはカビゴンの特性「くいだめ」に大きく依存していています。カビゴンの特性を止めるエンペルトVの特性「エンペラーアイ」にて高勝率を叩き出すことを可能とし、この勝率は正に必勝戦略と謳って良いでしょう。
VSレジギガス
相手のスタジアムによって勝敗が変わります。
WCSはポケストップ型が主流だったみたいで一安心でした。
VSミュウ
このデッキは対策していません。
対策していないと言っても、こちらは腐ってもパルキア、腐っても白馬バドレックス。10に2つくらいはあって然るべきで、私たちはそれで上等としました。
ポケモンキャッチャーが入っている構成が主流となっているミュウですが、裏を返せばポケモンキャッチャーで表を出さなければ勝てないデッキにまで成り下がってしまったという認識。
日に日に評価を落としているミュウにこれ以上構っている時間はないとして次に進みます。
[※DAY1ではかなりの人数いたようですが、DAY2にはほとんどいなかった模様。DAY1の様子を見る限り不安でしたが、予想通り杞憂に終わりました]
VS諸々のマッチアップ
時間のほとんどをパルキア対面に注ぎ込んだため真剣に検討はしていませんが、認識は上記のよう。
つまり冒頭の環境考察で述べた方針を遵守しているため、パルキアとアルセウス以外に対する考え方はおざなりということです。
ですが当日を振り返ってみてもこの考え方は的を得ており、私たちの環境予想を否定する結果ではありませんでした。
パルキアとアルセウス以外は少しずつしか練習せず、経験則で対応した。
これで十分であると感じたし、実際に十分であった。
デッキ完成までの経緯
6/12に開催されたJCSでトモヤ選手がTOP16に入りDAY2の権利を獲得。
後日WCSに参加するという所信表明があり、今日から私たちの長い調整期間が始まります。
6月後半 6/19~6/30
まだ何も決まっていないため、各デッキの使用感を確かめました。とりあえず対戦してポケカ脳作ろうか、程度のラフさです。
れんげきテンタクル
セイボリーの有無が重要。アルセウスのHP310を超えるためには手札が8枚必要であり、手札を8枚山に返しながら後続を用意するのは要求が厳しすぎると思った。
かがやくリザードン
雪道+ツツジからの復帰の難易度が気になる。防戦一方から徐々に捲っていくという、厳しい試合展開を毎回強いられるのも地味にストレス。プレイ難度は高くないが、とにかく疲れるデッキだった。
ミュウツールナソル
アルセウスを1撃で倒せるのでアルセウスは負け越すことが多かった。
デッキシステムの都合上ベンチのポケモンを絞ることが難しく、パルキアに蹂躙される。
れんげきウーラオス
難しすぎる。もう少し練習したら上手になっていたかもしれないが、使っていてあまり楽しいデッキではなかった。どうせなら練習するなら使っていて楽しいデッキが良いと思った。
れんげきインテレオン
好感触であった。「キョダイウズマキ」でアクアバレットのインテレオンを1撃で倒すことができないのがこのデッキの課題であったが、水エネルギーを採用して特性「ダブルシューター」で事前にダメカンを乗せることで解決出来た。もう少し調整したいと思いひとまず保留にするも、良いデッキ(白馬デッキ)と出会ったためここに戻ってくることはなかった。
ターボディアルガ
好感触であった。大味なデッキかと思っていたが意外とエネルギー管理が繊細なデッキだった。もう少し調整したいと思いひとまず保留にするも、良いデッキ(白馬デッキ)と出会ったためここに戻ってくることはなかった。
そらをとぶピカチュウ
事故が目立つ。パルキアデッキの月光手裏剣に好き放題されるので、そらをとぶピカチュウの良い所が無くなっていると感じた。蓋を開けば今大会で優勝したデッキだったが、評価は依然据え置きのままである。
ターボパルキア
アルセウスのチェレンループが超えられないため使用するに至らないデッキと判断した。このデッキは当時の環境の盲点を突く、期間限定のコンセプトデッキであったと再認識した。
このように様々なデッキで対戦を繰り返して使用感を確かめる期間でした。
7月第1週目 アルセウス
本格的に環境トップのデッキの使用感を確かめることになります。
この時点ではアルセウス、パルキア両デッキとも十二分に使用候補であったため、使用感を確かめる、というよりいつでも使える準備に取り掛かります。
1週間みっちり練習しました。
アルセウスデッキに点数を付けるのであれば、100点です。
強い。めちゃくちゃ強い。
特筆すべきはデッキの安定感でした。何も出来ずに負ける、ということがほとんどない。チェレンループの後の雪道+ツツジの二段構えは環境デッキ9割の可能性を奪っていると感じました。
ただ肝心のパルキアにのみあまり勝率が伸びませんでした。
その原因は月光手裏剣で、アルセウス2体に90ダメージを乗せられてしまうことです。ゲームが後手後手になってしまうのを否めません。
[※上記の100点というのはデッキのコンセプトに対する評価であり不利なデッキが存在するというのは減点要素ではありません](不利なデッキが存在するからという理由で、デッキ自体のパフォーマンスレベルが下がる要因とはならないため)
7月第2週目 パルキア
この週はパルキアを練習することにしました。
パルキアに点数を付けるのであれば、クロバット入りのデッキならば100点、無しなら95点。
序盤の立ち上がりさえこなすことが出来れば無敵という印象でした。
立ち上がりが良好で対戦に負けたのであれば、それは一重にプレイヤースキル不足である。そう断言しても良いくらい、常にそこら中に活路があるデッキです。
このデッキの立ち上がりとは手札枚数確保のことを指します。
手札の枚数が多くなれば多くなるほど強くなるデッキで、デッキの強さの指標は手札の枚数に比例すると言えるでしょう。
その手札枚数確保を補うクロバットの採用は必須だと感じ、これは現行レギュレーションでも同じことが言えると感じました。(※個人の見解です)
7月第3週目 白馬パルキア草案
今週もパルキアの練習を継続するつもりでしたが、トモヤ選手が突如デッキを作って持ってきました。
WCSデッキの草案となったものがこれで、海外選手のデッキを参考に自分でアレンジを施したものらしいです。
このとき初めて本人からデッキの方針を伝えられました。
曰く「インテレオンを使いたくない」とのこと。
この考えには漠然とですが共感出来ました。理由は対戦時間にあります。1勝1負で迎えた「3戦目」の良いイメージが全く浮かばなかったからです。
世界大会は全対戦が50分2本先取[BO3形式]で行われます。
インテレオンは各々のターンで作業量が膨大です。それゆえ1勝1負の状態で3戦目を迎えた場合、時間の都合で引き分けになることが多発する展開が容易に想定できました。
要するに「対戦を時間内に終わらせるには2-0のストレート勝利が求められる。が、それはインテレオンデッキでは不可能なのでは?」ということ。
この時点ではこの考えをうまく言語化できていませんでしたが、なんとなくインテレオンではダメだ、とはお互い直感的に感じています。
そしてVIPパス4枚入ってきたデッキを持ってきたことも、その気持ちの表れであると感じました。
序盤から早々に強く攻めたいという考えが読み取れます。
7月第4週目 昇華
- クロススイッチャーがあまり有効活用できていないことに気づいたため、抜くことにした。
- パルキア編で解説した、白馬Vの進化をズラすことで月光手裏剣の対策をしたいため、白馬Vの3枚目を採用した。
- パルキアとアルセウスにはこだわりベルトが必須なので、余裕をもって3枚の採用とした。
- アルセウスに対して強く出るため、ツールスクラッパーを2枚にした。
- ミュウツーVunionとミルタンクを対策するため、エンペルトVを採用した。
- 頂への雪道でスターポータルを妨害されると困るので、3枚目のスタジアム「崩れたスタジアム」を採用した。
このデッキは1ターン目にクロバットを出して山札を引きに行くことが多いです。そのクロバットをベンチから消せるとして、気軽にプレイできる崩れたスタジアムは相性が良かったです。
8月第1週目 迷走
- ツツジを確実に打ち込み、後半の逆転を狙った。
- VIPパスが腐るので枚数を減らした。
構築は迷走することになります。
迷走の原因はゲッコウガの「先2月光手裏剣」です。
これを何とかできないかと考えていたら徐々に構築は迷走し始めることになりました。序盤の展開力を失ったため、このデッキの肝であるスピード感が大きく損なわれました。場の展開が遅れることで、ツツジを使う前に既に負けている、なんてことが多発します。
このデッキに重要なのは第一にスピード感であるということを再認識しました。
しかしそのスピード感を最も尊重した結果、パルキア編で説明した「メロンの枚数と勝負する」戦略を思いつくことができたので、意義のある失敗期間でした。
8月第2週目 果断
対パルキアへのロジック解明に明け暮れる中、パルキア側の構築上の抜け穴があることに気付きました。
それがパルキア編で明らかとした「メロンの枚数と勝負する」戦略です。
この白馬バドレックスは最初こそ好感触であった。でなければ調整デッキの候補として挙がっていない。
今、このデッキの調整しているのは白馬バドレックスのファーストインプレッションがパルキアに勝てるデッキと判断させてくれたからです。
それが何故か調整を重ねる度に結果が悪くなっている.…
なぜだ?
そこで立てた仮説がパルキア編で述べた、
「難しいことはせず、ただバトル場をひたすら攻撃し続けるのが一番強いんじゃないか説」でした。
思いのほかこの説は本質を突いており、白馬バドレックスの勝率は次第に回復していく、という結果に至ります。
白馬バドレックス側が負けていた原因。
それがまさかの「考えすぎ、上手になりすぎ」だったなんて皮肉な話だね、と笑いごとになったのは渡英の2日前のことでした。
DAY2 前日
DAY1のデッキ分布の調査内容の報告を受けます。
その報告結果を簡単にまとめると、「パルキアとアルセウスが多い。だがパルキアの方が明らかに多い」といった内容。
パルキアが多いならば、少しパルキア寄りの構築にシフトする必要があります。
まずこだわりベルトを1枚スポンジグローブに変更しました。
・メッソンに対する、「カイ」からの突き刺す後攻ワンキル
・インテレオンをダイランスの1枚エネルギートラッシュで気絶させる
以上2点の理由により採用しました。
パルキアはポケモンが全て水タイプで構成されているので、パルキア対面に限って言えばこだわりベルトの以上の役割を果たします。
そして最後に出来る限り白馬Vでスタートするようにヒスイのヘビーボールを白馬Vに変更しました。ヒスイのヘビーボールは今まで1度も差し替え議論の対象にならなかったカードですが、何故かお互いすんなり腑に落ちて差し替えることとなりました。きっとこうした方が良いだろう、と。
ヒスイのヘビーボールは保守的な役割を担っています。
世界大会の空気を実際に感じ、より攻めの姿勢を強化したいと彼のインスピレーションを刺激したのか、それとも不要なカードであることに薄々気付いていたのか。
ここまで来たらこの際理由なんてどうでも良く、理詰めでは到底説明することができない直感的な何かがあった、とでも思っておきます。
最後はそんな野生の勘での採用も、まぁ悪くないと感じました。
DAY2当日マッチアップ
ROUND1 パルキア ×○○
ROUND2 ミュウ ○××
ROUND3 パルキア ×○×
ROUND4 パルキア ○○
ROUND5 パルキア ○○
ROUND6 アルセバレット ×○○
ROUND7 アルセピカ ××
ROUND8 パルキア ○○
5-3-0[41位]
ミュウは仕方ないとして、7戦目のストレート負けが痛かったです。
以上で World Championships 2022 デッキ調整過程 を終了します。最後まで読んで頂き本当にありがとうございました。
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