
良い点
・ボールカードが多く、再現性が高い
このデッキの強みは【カースドボム】を複数回使用することで盤面を破壊していく点にある。
この動きを再現するためメガミミロップデッキではボール系カードが多めに採用されている。また、メタモンからメガガルーラexへ変化することで、なかよしポフィンしかボールがない場面でもドローに繋げられる。
・盤面を崩すパワーが高い
【カースドボム】を使いながら相手のポケモンを倒すことで、1ターンに相手の盤面からポケモンを2体以上きぜつさせることができる。現在のポケモンカードは進化ポケモン主体のデッキが多いため、メインポケモンのラインを枯らすことで、相手が攻撃できないターンを狙っていく。
悪い点
・『カースドボム』が使えないとダメージが足りない
メガミミロップexは、1エネルギーで230点という破格のスペックを持っている。
しかし、現在主流の2進化exやメガシンカ相手にはダメージが届かず、準備が整っていないターンや、サイドを進められていて【カースドボム】を使えないターンでは、ダメージ不足が生じてしまう。
・手札を伸ばしづらい
トウコや暗号マニアといった確定サーチ系サポートでデッキを回すため、手札を増やす手段は他のデッキに比べてかなり少ない。一度手札が詰まってしまうと立て直しが難しい。
各対面解説
ドラパルトex
グッズロック中は、ボール系・ふしぎなあめ・ポケモンいれかえが使えないため、行動が大きく制限される。
ドラパルトexは【カースドボム】なしではワンパンできないため、基本的にはドラパルトexの攻撃を一度受け、その後にカウンターを狙うゲームとなる。
まず、カウンターを狙うための第1のハードルは、1ターン目に盤面を広げ、『ファントムダイブ』による場の崩壊を防ぐこと。ここで重要なのは、できる限りポケモンを場に出して物量によって『ファントムダイブ』を受け切る準備をすること。(私はこれを「肉の壁作戦」と呼んでいる)。
そして第2のハードルが、メガミミロップexへのスムーズな進化。これを逃すとミミロルをすべて倒されてゲームセットとなる。
負け方のニュアンスとしては、リザードンVSドラパルトのマッチアップで、リザードン側がリザードンラインをすべて狩られ、盤面にシステムは残っているがアタッカーがいない状況と酷似している。
聞いているだけで苦しい構図だが、もしドラパルト側が後攻を取り、初動でグッズロックを決められなかった場合、逆にこちらが【カースドボム】による盤面崩壊の権利を得ることもできる。
肉の壁(物量)で受け、ドラパルトexをカウンターする。ドラパルト側もスボミーを差し出したり、カースドボムを使うため、サイドの消耗が何かと激しい。1回攻撃を受け切ることができたら勝利、できなければ敗北といった所感。
サーナイトex
【カースドボム】をできるだけ早く、そして多く準備し、相手の盤面を崩すことを最優先に考える。
サーナイトラインは多くても3面までしか並ばないため、ミミロップ側も【カースドボム】を3面展開し、サーナイトラインを同時にすべて倒し切ることを狙う。
一般的なミミロップデッキは「ボスの指令」の採用枚数が少なく、サーナイトexまで育ってしまうと手出しができない。
安全地帯でサーナイトexをぬくぬくさせてしまう展開になると概ね負け。
リザードンex
グッズロックをされない+ヒトカゲラインが少ないため、盤面からリザードンラインを消し去りやすい。連続エヴォリューションを使われて盤面にリザードを維持されない限り、基本的には有利な立ち回りができると思って良いだろう。
メガミミロップex単体のサイド価値3枚とリザードンex+カースドボムのサイド価値3枚が全く釣り合っていないため、【カースドボム】で加点をした『バーニングダーク』でメガミミロップexを倒されるのが最も辛い。
サーフゴーex
サーフゴー側の進化前が非exであるため、序盤から【カースドボム】でコレクレーを枯らしにいくことが重要となる。
サーフゴーexが場に出てしまうと、こちらはワンパンできず、逆にサーフゴーexにカウンターされる展開となる。こうなるとカースドボムを盤面崩壊目的ではなく、サーフゴーexをきぜつさせるための加点目的として運用せざるを得ない。
この非効率極まりない運用方法はつまり、空前絶後のパワーワード『サイドの2-4交換』を発生させる。(サーフゴーexを【カースドボム】+【しっぷうづき】で倒し、その返しにメガミミロップexを倒されると、実質的な2-4交換が発生している)。
現在のサーフゴーexは「スイレンのお世話」の採用率が高く、一方で「すごいつりざお」の採用率が低い傾向がある。そのため、一度コレクレーを枯らしてしまえば、そのまま押し切れる試合が多い。1進化デッキもご多分に漏れず、序盤勝負である。
ソウブレイズex
ソウブレイズ対面もサーフゴー同様、カースドボム無しではソウブレイズexをワンパンできないため、サイド2-4交換のゲームとなる。
ゲームの構造的には同じであるが、サーフゴーと違いソウブレイズは先攻を取ってくるため、【カースドボム】をする間もなく先にソウブレイズexへと進化されてしまうとお手上げ。
タケルライコex
メガミミロップexがタケルライコexをワンパンできず、カースドボムを絡めないといけないのに対し、タケルライコexはメガミミロップexをワンパンで取れるため、かなり苦しいマッチアップとなる。
基本的には、タケルライコの動きが悪いことが前提。メガミミロップexで特攻し、ワンパンされないことを祈る立ち回りになりがち。
まとめ
現環境で貴重な、先行逃げ切りを狙うデッキ。
特性【カースドボム】による盤面崩壊によって、自分が回った際には相手にまともな試合をさせずに勝ち切ることができる、いわゆる「対話拒否」タイプのデッキである。
デッキの強さとデッキの難易度のトレードオフは成立している印象を受ける。特に、デッキの最大値が可視化されやすいため、その番にできる等身大の選択を取りやすい点は評価すべきだろう。要は、一人回しを徹底的にやり込めば、プレイミスは限りなく減る。
しかし、何戦も連続して勝ち切るには要求値がやや高く、特に1進化主体の【カースドボム】で加点しなければ『しっぷうづき』で倒せない状況を作られると、正直笑えない。しかも、この状況は別に珍しいわけでもないだけにもっと笑えない。
とはいえ、極めて高い練度を要求するわけではなく、回ったときの最大値は非常に高い。相手がどれだけ上手くても、その最大値を引けば勝てるタイプのデッキであるため、練習時間を多く確保できないが一発を狙いたい場面では、十分に選択肢となるだろう。
こうした“最大値勝負”のデッキは、プレイヤーの精度を試すうってつけなデッキでもある。
昨今はこのようなデッキも随分と減ってしまったが、実はこの手のデッキタイプから学べることは多い。リーサルを見逃さない力、つまり『瞬殺力』を養うのに最適だからだ。
ところで、瞬殺の練習をしたことはあるだろうか。自分と相手の初手の最大値を推し量り、今この瞬間、GOサインが出ているかを自らに問う。地味な練習だが、一人回しの反復でしか磨けない能力も確かに存在する。



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