メガリザードンXex解説

メガリザードンXexはHP360という高耐久、倍率90の青天井火力、環境に少ない水弱点と、スペック自体は優秀。しかし、10月1日(水)時点では、シティリーグでの入賞はあまり見られない。

入賞しているリストも、その多くは悪タイプのリザードンexを基盤とした構築であり、そこにメガリザードンexとオドリドリexを数枚加えた形になっている。つまり悪リザードンの序盤の弱さをメガリザードンXexで補っているだけにすぎない。

正直なところ既存のリザードンとの差別化はできておらず、「おぉ、これぞまさしくメガリザードンデッキ!」と呼べる構築は、現状まだ存在しない。とりあえず、その事実をお伝えするために今回の記事を作成した。

良い点

  • ダメージの倍率が高い
    エネルギーを4枚トラッシュするだけで概ねどのポケモンもきぜつさせることができる。
  • HPが高い
    環境に水ポケモンが少なく、メガリザードンXexをワンパンすることは困難。
    メガリザードンXexが相手ポケモンを連続で倒してサイドの連取を狙うことができる。

悪い点

  • 攻撃までの準備過程が多すぎる
    攻撃に至るまでには、リザードンへの進化、オドリドリを出す、複数枚のエネルギー確保、、ポケモンのいれかえの準備が必要となる。さらに、攻撃を行ってもエネルギーはトラッシュされるため、毎ターンのエネルギー供給が求められる。
  • ライバルがいる
    現環境では、青天井火力を持つポケモンがすでにタケルライコexとサーフゴーexの2体存在している。そのため「相手をワンパンできる」という強みは特別なものではない。メガリザードンXexには他に差別化できる要素がほとんどなく、この一点でしか勝負できないのが実情。
    「ワンパンを狙うだけなら他のポケモンでいい」という立ち位置にとどまっており、これこそがメガリザードンXex専用構築が環境に存在していない理由である。
  • サイドレースが弱い
    オドリドリexを場に出す都合上、1-2-3と3回の攻撃でサイドを6枚取り切られてしまう。本来メガシンカポケモンは、サイドレースで有利に立ち回りたいところだが(※)、このデッキはコンセプト的にオドリドリexを場に出す必要があるため、サイドを効率よく押し付ける動きが取りにくい。

(※)メガシンカポケモンがサイドレースを意識したい理由とは?
ポケモンカードにおける対戦の勝利条件は、相手よりも先にサイドを6枚取りきることである。サイドを「1-2-3」と取らせるのは、最も効率の悪い6枚の取らせ方とされている。
効率の良いサイドの取られ方とは、「1-1-3-3」のようにサイドを取らせ、勝利条件「サイド6枚目の取得」に対して余剰(あまり)を2発生させることである。
つまり、もし存在すれば、「7枚目」「8枚目」のサイドを手に掛けさせるような展開に持ち込むことが、相手にとって最も高いハードルとなるサイドの取らせ方である。この考え方をサイドレースと呼ばれ、メガシンカポケモンの登場によって生まれた新しいサイド管理の概念である。

近年は、マシマシラの【アドレナブレイン】やドラパルトexの【ファントムダイブ】といった、サイドレースから離脱するデッキが多く、サイドレースはあまり重視されてこなかった。
しかし、メガシンカポケモンの登場によって、サイドに対する考え方は再び重要性を増していくだろう。

まとめ

メガリザードンXexはスペック自体は高いものの、攻撃に至るまでのハードルが高く、現環境で活躍するのは厳しい。デッキスロットにも余裕がなく、メタカードを差し込むスペースもない。

他のメガシンカと同様、ワンパンしてくるデッキには不利で、ワンパンしてこないデッキには有利が取れるが、サーフゴーexやタケルライコexといったワンパン性能を持つデッキがレギュレーション落ちするまでは、辛抱の時期と言えるだろう。来年の新環境での立ち位置に期待。

ネガティブな内容の記事となりましたが、率直な感想をストレートに述べた点を評価して、リザードンファンの方はどうか見逃してください…。

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