

メガフシギバナexのHP380という高耐久と、特性【ソーラートランス】を活かし、盤面にエネルギーを残しながら「フトゥー博士のシナリオ」で回復し、攻撃回数を稼ぐデッキ。
2進化ポケモンをワンパンするほどのダメージはないものの、たねポケモンexの代表格であるタケルライコexはワンパンできるため、最低限のダメージは確保できている。
メタを読む(大会で勝つためにデッキを組む)ならリククラゲは必須。攻撃スピードは「活力の森」に依存するため、全力で引きに行く構築にしたい。早めに攻撃に移行しサイドの損失を抑えることで、2体のメガフシギバナexを押し付けれるように立ち回る。「フトゥー博士のシナリオ」をデメリットなく使えるかどうかも、「活力の森」をプレイできるかにかかっている。可能であれば、対戦中の全ての時間を「活力の森」で占有したい。
良い点
- 進化が容易
新スタジアム「活力の森」の効果により、出したばかりの草ポケモンでも(最初のターンを除き)進化できるようになった。これにより、前のターンにたねポケモンを置いておく必要がない、「ふしぎなアメ」で進化先と同時に引く必要がないといった進化のためのハードルがなくなり、安定感の向上につながっている。 - 高耐久&強特性
HP380という歴代最高の耐久を誇り、並のダメージではワンパンされないため、多くの場合は一度ダメージを受ける展開となる。そのためフシギバナデッキは「フトゥー博士のシナリオ」を複数枚採用し、被ダメージを受け流す目的の構築が望ましい。「フトゥー博士のシナリオ」などの回復カードは、”1度決まれば攻守逆転”、”2度決まれば概ね勝利”である。
ポケカにおいて、ポケモンを回復して相手の確定数をズラす動きは想像以上に難易度が高い。なぜなら、「回復する」と「攻撃する」は必ずセットで成立しなければならず、攻撃を伴わない回復は単なるターンの浪費となってしまう。さらに多くの回復系カードは、回復と引き換えにエネルギーをトラッシュするというデメリットを持つ。そのため、「回復して捲くらなければならない立場」であるにも関わらず、強い手札を確保していなければ成立しないというジレンマがあった。
しかし、メガフシギバナexの特性【ソーラートランス】は、このエネルギー面の問題をポケモン単体で解決している。加えて「活力の森」が場に出続ける限り、回復カードを事実上デメリットなしで使用可能。つまり【ソーラートランス】は、回復カードが抱える最大の弱点のひとつを自力で克服している。
悪い点
- 活力の森への依存度が高過ぎる
メガフシギバナexへの進化は「活力の森」に依存しており、このスタジアムを引けるかどうかで殴り始めるタイミングが左右される。早い段階で攻撃に移行し、序盤の損失を抑えることによって回復カードが使えるターンを増やしていく。 - ワンパンに弱い
耐久を主軸とするデッキなのでサーフゴーやタケルライコといった青天井火力のデッキには弱い。この対面を重く見る場合は、特性【ねんきんコロニー】を持つリククラゲを厚めに採用したい。
各対面解説
- サーナイトex
お互いにワンパンはできないものの、サーナイト側は非ルールポケモンをアタッカーとして運用してくるため、サイドレースではやや不利。「ボスの指令」や「テツノツツミ」を駆使し、サーナイト側の要求値を引き上げる立ち回りが求められる。
基本的に、フシギバナ側は相手のバトル場のポケモンを攻撃し続けることになるが、サーナイト側はサケブシッポのワザ『ほえさけぶ』で好きなポケモンを狙い撃ちしてくる。フシギバナ側が回復カードを使わせてもらえる展開なら有利に働くが、その状況になるかどうかはサーナイト側のさじ加減ひとつ。ゲームの主導権はサーナイト側に握られやすい。 - ドラパルトex
『ファントムダイブ』+【カースドボム】のコンボでも倒されず、さらにメガフシギバナexのワザ『ジャングルダンプ』でHPを30回復できるため、『ファントムダイブ』を2回受けても耐えられる。おまけに回復系サポートも備えているため、ドラパルト側にサイドを取らせない立ち回りが可能。 - サーフゴーex
こちらはサーフゴーをワンパンできない一方、サーフゴーはメガフシギバナexをワンパンしてくるため、正面からの殴り合いでは勝ち目が薄い。
あえてメガフシギバナexを倒させた後に、特性【ねんきんコロニー】を持つリククラゲを立て、「スーパーエネルギー回収」を封じてから攻撃を仕掛けていきたい。
フシギバナ側は対戦に勝利するためのターン数をそれなりに要するため、何かしらの対抗策をデッキに施していなければいつかはサーフゴー側に引かれて負ける。 - タケルライコex
タケルライコにはワンパンされてしまうものの、そのためにはエネルギーを6枚トラッシュする必要があり、タケルライコ側も盤面にエネルギーを残しづらい。フシギバナ側はサイドを2‐3‐3で取らせ、場のエネルギーを消費させた状態で「ナンジャモ」を絡めて勝負したい。
またサーフゴーと違い、フシギバナ側もタケルライコをワンパンできるため、タケルライコ側のミスやドロー事故といった、たった1つの過失を直接勝利に結びつけることも期待できる。 - マリィのオーロンゲex
『デヴォリューション』さえケアできれば負けることはない。それほどの相性差がある。 - リザードンex
リザードンexは草弱点を持つため、基本的に有利に戦える。ヨノワールの特性【カースドボム】がなければメガフシギバナexをワンパンできないため、まずは【カースドボム】持ちを優先的に倒していきたい。ただし、イーユイによってオーガポンexが倒される可能性がある点には注意。
まとめ
「活力の森」による安定感の向上と、無理なく採用できる不利対面対策カードにより、環境でも十分戦える性能を持つ。特にオーロンゲとリザードンには弱点を突けるため、この2つが環境上位に位置する場合は評価はさらに高まるだろう。環境のトライアングルに割って入る特異な第三勢力といったイメージ。
メガルカリオの評価記事も同様の事を述べたが、ワンパンしてくるデッキには不利、ワンパンしてこないデッキには有利と、有利不利が明確に分かれる。メガシンカポケモンは倒されるとサイドを3枚取られるため、評価は必然的に同じ結論に行き着く。
個々のメガシンカポケモンはいかにワンパンされない展開に持ち込むかが鍵であり、その展開への誘導の易さと、その再現性にて測られるべきである。
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