ロケット団のミュウツーexの組み方は、いわゆるトップダウン設計に分類される。デッキの中核となる重要な要素から詰め込み、残りの枠に調整要素を詰め込むというアプローチが取られる。必要パーツが多く、自由枠がほとんど存在しないことから、最終的には多くの構築が似通ったリストに収束するだろう。「Nのゾロアーク」の構築論に類似している。
ロケット団のミュウツーexの高火力、高耐久を活かして戦う。
序盤は「ロケット団のランス」や「エヴォリューション」で準備。その後、「アンフェアスタンプ」や「ロケット団のアポロ」で手札干渉。
ロケット団のコンセプトには直接関与しないが、「アンフェアスタンプ」および「リーリエのピッピex」を、ドラパルトおよびタケルライコに対抗するためのメタカードとして採用。しかし、ロケット団の栄光環境では両者ともに、コダックやミミッキュ、ロケット団の監視塔により指名対策される。そのため、これらの採用は過剰な敵対心で終わるかもしれない。
良い点
- HPとダメージが高い。たねポケモンでありながらワンパンされないのは強み。
- ワナイダーの特性とワザが強い。ミュウツーexが動けない時に活躍する。
- 「ロケット団のレシーバー」が優秀。このカードのおかげでサポートの枚数を極限まで絞れる+多様な種類のサポートを採用できる。
- 「ロケット団のアテナ」のバリューが高い。「ロケット団のファクトリー」と合わせて10ドロー。2ターン目に使えると盤面を作りやすい。
- エーススペックに迷える。元々のコンセプトだけで成り立っているので、何を採用しても良い。この辺もNのゾロアークも類似している。
悪い点
- ロケット団のミュウツーexのワザのコストが重い。いきなり手札からベンチに出して攻撃するには「エネルギーつけかえ」+「ロケット団エネルギー」を手札に揃えておく必要がある。
- 「ロケット団のアテナ」のバリューを引き出す都合上、ロケット団のポケモン以外のポケモンを採用しづらい。コダックやシェイミ等のメタカードを採用できないため、相手のコンセプトをノーガードで受けることになる。
- スボミーのグッズロックが厳しい。「ロケット団のレシーバー」と止められてしまうとこの構築の良いところが失われ、サポートを削った構築が裏目になる。
まとめ
構築も、実対戦の動きも自由度が少ない。デッキの動きも重く、相手の上振れに対抗できない。ミュウツーexが2ターン目から攻撃できることは稀、数ターン準備に時間を費やす必要あり。
メタカードにより弱体化した環境ならなんとか活躍できるか…?という、なんとも頼りない心証を得た。弱体化した環境に乗じるようなアプローチとは、あまり美学を感じない。
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