ドラパルトex
ボム型とボムなし型の2種類が存在しており、いずれもドロンチの特性【ていさつしれい】による中盤以降の安定感と、ワザ『ファントムダイブ』の高いパフォーマンスが魅力である。
圧倒的に不利とされるサーナイトというデッキが1つ存在するものの、それ以外に対しては大きな不利がつく相手は少なく、強気に卓に座れる。
ボム型とボムなし型で有利不利のマッチアップに大きな差は見られないが、ボム型の方が取れるプランが多く、上振れた際の破壊力は環境全体でも随一である。
一方、ボムなし型はメタカードの採用により環境上位デッキへの対応力を重視した構築となっている。特に6月15日に開催されたNAICにおいて、トード・レクレフ選手が使用したボムなし型のドラパルトは、サポートを厚く採用しオーロンゲに対してマシマシラの数的有利を維持できるよう構築されている。
Tier1と予想されていたオーロンゲはこの構築の出現によって、新たな苦手対面を突きつけられた格好となる。
サーナイトex
ドラパルトの増加とオーロンゲの減少により、使用者は増加傾向にある。
オーロンゲに対しては、かつて明確に不利がつくとされていたが、マシマシラの採用枚数を増やしたり、エナジーターボを導入して育成速度を高めることで立ち位置の改善が図られ、有利とは言えないものの、十分に渡り合えるレベルにまで改善されている。
直近の海外大会でもベスト4に3名が入賞するなど好成績を収めており、PJCSにおいても活躍が期待されるデッキである。
タケルライコex
攻撃までのハードルが低く、相手の盤面が完成する前に強制的にサイドレースへ参加させることができる。その結果、相手が立ち遅れると、巻き返し不可能な段階まで一気に試合が進行する。
タケルライコはサイドの複数取りの手段を持たず、必殺の大技があるわけでもないので、相手の動きが強い場合には順当に敗れることもしばしば。しかし勝率全体で見れば、タケルライコに対して明確に優位な勝率を示せるデッキはほとんど存在しない。究極のベーシックデッキ。
サーフゴーex
ブラックボルト/ホワイトフレアによって強化を受け、一気に環境デッキとして再浮上した構築である。
安定感が向上したことで序盤の出遅れが減少した。
手札からエネルギーを捨てる都合上、盤面で明確なリーサルプランを描きにくい側面はあるものの、特性によって大量ドローが進行する点から、「ボスの指令」や「フトゥー博士のシナリオ」といった、状況に応じたサポートカードを柔軟に使用できる点が強みである。
そこそこ使い込んで試してみたが、使用感はタケルライコに近い。ゲノセクトexの登場でも、そこまで立ち位置は変わらないと思っていたが、現在はかなり納得感のあるスピードでゲームを振り回すため、環境当初よりもプラスの評価を与えている。
サーナイトやバクフーンなど相性の悪いデッキも存在するが、ドラパルトやタケルライコと正面から互角に戦える数少ないデッキの一つであり、デッキ自体の人気の高さからも、使用者の増加が見込まれる。
マリィのオーロンゲex
CL愛知では圧倒的な存在感を放っていたデッキだが、戦術が周知されつつあることで、以前ほどの勝率は見込めなくなってきている。
それでも依然として強力なデッキであり、多彩な搦手を用いることが可能な点から、上級者に好まれやすい傾向にある。
デッキの柔軟性やパワーが評価されている一方、使用率はなぜか下がっている。多くの人はこの矛盾の理由を指摘できないため、オーロンゲに対しての言及が難しい。
リザードンex
ドラパルトが環境トップに位置していることから、立ち位置としては芳しくないデッキである。
しかし、元々のデッキパワーの高さに加え、それ以外の多くのデッキに対して大きな不利を取らない点から一定の使用数は維持されている。
ただしドラパルトの増加に伴い、対策としてコダックを採用するデッキも増加傾向にあり、その巻き添えを受けている。結果としてドラパルト本体とそのメタカードの双方に苦しめられるという二重の逆風であり、使用には割り切った判断が求められる。
ヒビキのバクフーン
新弾によって強化されたデッキの一つであり、事前評価は高かった。
しかし蓋を開けてみれば、ドラパルト、サーナイト、オーロンゲといったデッキのシェアが高い環境となっており、非exであることによる「1ターンにサイドを1枚しか取られない」という本来の強みが、ほとんど機能していない。
見た目上は十分に戦えそうに見えるタケルライコに対しても、展開速度で押し切られる試合が散見され、期待されたほどの勝率は上がっていないという印象。
殴りだしは早ければ早いほど良く、難しいサイドレースの兼ね合いを考える必要がないため、今のプチ人気は新規参入層に支えられてのシェア率か?
ブリジュラスex
どのデッキとも最低限戦えるスペックがあるが、有利といえるデッキ(マッチアップしたいデッキ)がほとんどない。逆に当たりたくないデッキは数多くあり(サーフゴーやバクフーン)、立ち位置が良いとは言えない。
バチュルバレット
タケルライコの非exアタッカーがコライドンへとシフトしてきているため、環境的には悪くない立ち位置にあるデッキ。このデッキの良し悪しは結局、タケルライコのチヲハウハネの使用率に引っ張られてしまう宿命にある。
個人的には良い選択肢だと感じているのだが、使用率はあまり伸びていないため、私の発言は数字に裏付けられた説得力を欠いてしまっている。
まとめ
それぞれのデッキが持つ最大値が非常に高い。
各々のデッキがフルパワーのムーブでぶつかった場合を仮定して、その優劣に順番付けろと言われたら、はっきり言って全然わからない。
したがって、安定感や逆転力といった要素に比重を置いて考察すると、最終的に勝ち残るのはドラパルト、サーナイト、タケルライコ、オーロンゲといった集合知によって構築完成度が保証されているデッキを支持するしかないだろう。
DAY1は25分・1戦勝負であるのに対し、DAY2は50分・最大3戦のBO3形式で行われるため、試合時間の関係上、オーロンゲはやや数を減らすと見られる。
一方で、BO3ルールとの相性が良いタケルライコは、DAY2での使用率がさらに高まると予想される。
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