更新日:2/20【木】
ポケカブックでは立ち回りを解説する際、「サイドの有利トレード」という言葉を使用します。
サイドの有利トレードとは?
各ポケモンが持つサイドの価値の交換のことを指します。ポケモンexはサイド2枚分の価値を持ち、非ルールポケモンはサイド1枚分の価値を持ちます。各ポケモンが自身のサイド価値を上回る成果を挙げることを、「サイドの有利トレード」と表現しています。
たとえば、非ルールポケモンがポケモンexを1ターンできぜつさせた場合、そのポケモンは自身のサイド1枚分の価値に対して2枚分の働きをしたことになり、これはサイドの有利トレードに該当します。
ポケモンカードにおいてサイドが劣勢の状況では、お互いの攻撃が順当に進む限り、サイドの等価トレードを繰り返すだけでは逆転することができません。
そのため、どこかでサイドの有利トレードを仕掛け、相手より多くのサイドを取る 又は 攻撃を耐えて相手にサイドを取らせないターンを作ることが重要となります。
そして、《サイドの有利トレードが行われることなく、このままゲームが進めばどちらが先に勝つのか?》
この戦略的な考え方を『サイドレース』と呼びます。
環境デッキに対する立ち回り方

基本的な考え方として、1ターンに1枚以上サイドを取得できれば、多少手順が乱れたとしても、プレイングに大きな問題は生じない。
もちろん、「このカードは先に使うべきだった」「エネルギーのトラッシュはこうすべきだった」といった課題が残る可能性はある。しかし、それらはプレイを重ねる中で学んでいけば良い。重要なのは方針として 「1ターンに1体きぜつさせる」 ことを徹底して意識すること。この基本を軸に戦略を組み立ててほしい。
VSドラパルト
速やかな攻撃+負けないための防御のテクニックが求められるマッチアップ。
基礎知識として、タケルライコ側が最速でサイドを進めたとしても、ドラパルト側は『カースドボム』130ダメージに加え、2回の『ファントムダイブ』でサイドを取り切ることが可能である。重要なのは、タケルライコ側がどれだけ手札に恵まれ、どれだけテンポよく攻撃できていたとしても、この事実には抗えないという点であること。したがって、タケルライコ側はドラパルト側のサイドの取り方を妨害することも戦略として理解しておかなければならない。
以上を前提として、タケルライコ側に速やかな攻撃+負けないための防御のテクニックが求められる理由を説く。
速やかな攻撃とは?
- 基本的にバトルポケモンをきぜつさせ続けるだけで良い。
- 攻撃方法では差は生まれない。速やかな攻撃をするだけならば一人回しやイメージトレーニングでも学習できるため省略する。
防御のテクニックとは?
- あらかじめ「ゼロの大空洞」を場に出しておき、ダメージを受けたあとに別名のスタジアムを張り替えて「ゼロの大空洞」破壊。ダメージを受けたポケモンをトラッシュする。
- 「勇気のおまもり」を採用し、『ファントムダイブ』の200ダメージを受けたポケモンにつける。
上記2つを実行する上で重要なのは、ドラパルト側がどのポケモンex3体でサイドの6枚取得を狙っているのかを正確に見極めること。その際、ドラパルト側の「まけんきハチマキ」の有無も考慮し、どのポケモンをケアされるとドラパルト側が不利になるのかを見定める必要がある。
ドラパルト側のダメージの乗せ方やサイドの取り方には幅があり、一律のパターンは存在しない。例えば、ホーホーラインをきぜつさせ「オーリム博士の気迫」を使わせないようにするという、最短勝利から外れた迂回パターンもあり、ドラパルト側は何も最短勝利だけが美徳ではなく、リソースを削る動きや、状況に応じた戦術も採用する。
したがって、勝率を上げるためには多くの対戦をこなし、ドラパルト側の多様なサイドの取り方を理解することが不可欠。
「多くの対戦をこなし、ドラパルト側の多様なサイドの取り方を理解する」という記述の本質は、「すべてのプレイヤーのレベルが高いわけではない。レベルが低いパターンも知ることが重要である」という点にある。対戦を重ねる中で、適切なケアが不要な場面に遭遇することも少なくない。このとき、不必要なケアをしてしまい、本来最速で勝利できる場面を見逃すことがある。
したがって、「多くの人と対戦する」ことの真髄は、初心者から上級者まで、あらゆるプレイヤーのバリエーションを把握し、それに対する適切な対応力を身につけることにある。
VSタケルライコ【ミラーマッチ】
ヨルノズク型が多いため先攻有利。お互いサイド進行2-2-2を目指す。
ゲームのポイント
- 先攻側がタケルライコexを準備して、先に「ボスの指令」を使う権利がある。
- 「プライムキャッチャー」が大切。
- 先に相手にサイドを2枚取られた場合、逆転する手段としてコライドンのワザ『はじょうもうこう』がある。(非ルールのポケモンでキチキギスexの闘弱点を突いてきぜつさせられるため、サイドの有利トレードを発生させることができる。)
先にサイドを2枚取れない場合は、バトル場に非ルールのポケモンを出して番を終了すること。コライドンの採用がないのであれば、先にサイドを2枚取られた時点で相手の攻撃が止まらない限り負け。
VSテラスタルバレット
タケルライコ側が後攻1ターン目からポケモンexをきぜつさせ、2-2-2のサイド進行で勝利する展開が実現すれば、これ以上の理想的な結果はない。
しかし、実戦では必ずしもそのように進行するとは限らない。以下ではゲームが乱戦となった場合の立ち回りについて記述する。
マッチアップの鍵を握るのは、タケルライコ側の非ルールポケモン。
最も相性が良いのは、ワザ『らくらいあらし』を持つタケルライコ。
このポケモンでオーガポンいどのめんexのワザ『げきりゅうポンプ』を耐えつつ、ベンチのホーホーを狙撃する。
ゲームのポイント
テラスタルバレットは「ボスの指令」を3回使用できない(3枚採用がない)ため、非ルールポケモンの押しつけが通りやすい。
- テラスタルバレット側が先に「ボスの指令」→『げきりゅうポンプ』でサイドを2枚先制する。
- 返しで、タケルライコのワザ『らくらいあらし』により、テラスタルバレット側のホーホーをきぜつさせる。
- 『げきりゅうポンプ』ではHP130のタケルライコをきぜつさせられないため、サイドの奇数進行を押し付けやすい。
- タケルライコでホーホーをきぜつさせることで、テラスタルバレット側はオーガポンいどのめんexを突っ張らせるにせよ、他のアタッカーに交代するにせよ、多大なリソースを要求される。
- なお、タケルライコのワザ『らくらいあらし』はオーダイルにも効果的。メタゲームを意識するなら採用を検討したい1枚。
- オーガポンいどのめんexのワザ『すすりなく』はポケモンをにげられなくするワザを持つ。「プライムキャッチャー」がない限り二度とにげられない。「プライムキャッチャー」はベンチを呼び出す目的で使うのではなく、にげるためのカードとして温存しておく。
テラスタルバレット側にタケルライコの押し付けが成功すれば、サイドレースは逆転する。サイドレースが逆転したら後はバトル場のポケモンを倒し続ければ良い。
このマッチアップは、タケルライコ側の非ルールポケモンがサイドの有利トレードを仕掛けられるかどうかに懸かっている。
VSサーフゴー
サーフゴー側がスピンロトムやコライドン等の相手をしてくれれば勝てる。
つまりお互いサイド1-2-2-2進行をし、先に1を歩みだしたタケルライコ側が勝つというルート。
ゲームのポイント
- 先にポケモンexをきぜつさせてサイドを2枚取れない限り、スピンロトムから攻撃を開始する。
- この返してサーフゴー側が「カウンターキャッチャー」や「ボスの指令」でベンチのポケモンexをきぜつさせられなければ勝ち。
- きぜつさせられた場合はもう一度スピンロトムでベンチポケモンを呼び出して攻撃をする。
ハッサム型の場合
- ハッサムのワザ『パニッシュシザー』には素点の10があり、かなりベンチを絞らなければきぜつを免れることはできない。タケルライコ側の構築の都合上、ケアできないのは致し方ない部分もある。
- 先にサイドを1枚取得しているのであれば、1-2-2-2進行が1-1-2-2進行となるだけ。つまり先にサイドを1枚取得していれば、ハッサムが2回来ない限り問題ない。
- サーフゴー側はサイドの有利トレードを発生させるため、ハッサムだけ進化し、あとは進化させずに非ルールのみの盤面を作ってくる可能性がある。(場のどこをきぜつさせてもサイドが1枚しか取れないため、サイドの有利トレードを100%持ちかけることができる。
- 非ルール盤面を作ってきた場合は「ジャッジマン」が非常に有効。サーフゴーexに進化できずにそのまま押し切れる可能性が高い。
元々サーフゴーは有利マッチではない。どのプランも通ればラッキーくらいの心づもりでいること。
VSリザードン
タケルライコ側は攻撃を4回行わないとサイドを取り切ることができないが、リザードン側は3回の攻撃でサイドを取り切ることができる。
宝石型リザードン、ボム型リザードン共にゲームの全容は下記の通り。
- タケルライコ側が先にスピンロトムでサイドを1枚先取する。
- その後、タケルライコ側の負けパターンは2つ。
1.リザードン側が「カウンターキャッチャー」を使う。
- タケルライコ側にサイドを1枚取られた返しにリザードン側が「カウンターキャッチャー」を使い、ポケモンexをきぜつさせてサイドを2枚取得する。
- リザードン側がサイド進行2-2-2を歩むため、タケルライコ側は逆転できない。
2.リザードン側が『カースドボム』+『ブライア』を使う。
- タケルライコ側のサイド進行1-2-2-2の1-2のタイミングでリザードン側が『カースドボム』。
- タケルライコ側のホーホーがきぜつさせられ、サイドを1枚取らされる。
- これでタケルライコ側のサイドが残り2枚となり、「ブライア」圏内。
- リザードン側がサイド進行1-2-3を歩み勝利。
敗北原因
- リザードン側はタケルライコ側がサイドを取り始めるまでポケモンexを出さずに待てばよいため、開戦の火蓋はタケルライコ側が切らなければならない。
- タケルライコ側がスピンロトムできぜつさせて最初に取得したサイドの1枚に旨味がないのが原因。
タケルライコ側の勝負どころ
- 1の「カウンターキャッチャー」を防ぐことは、リザードン側にとってパーツが少ないため難しい。
- タケルライコ側が勝負するなら2.『カースドボム』+『ブライア』を妨害して勝負する。
- タケルライコ側のサイドが残り3枚となるターンで「ジャッジマン」を使い、リザードン側の手札へ干渉を行う。
- このタイミングでパーツが揃わなければタケルライコ側が押し切って勝つことができる。
VSNのゾロアーク
タケルライコ側が先にサイドを1枚取る。
そのカウンターでゾロアーク側にサイド進行2-2-2を許さなければ勝てる。しかし、ゾロアーク側には多様なサイドの取り方があり、それらをすべて意識しながら進める必要がある。
ゾロアーク側のサイドの2枚取得の方法
- ヒヒダルマのワザ『ひだるまキャノン』によるホーホー2体同時きぜつ。
- ヒヒダルマのワザ『バックドラフト』で、オーガポンexの草弱点を突く。
- 「くさりもち」や「マキシマムベルト」で加点したゾロアークのワザ『イノセントフレイム』。
- 終盤のモモワロウexのワザ『イライラバースト』。
- 終盤のガチグマアカツキexのワザ『ブラッドムーン』。
ゲームのポイント
- ゾロアーク側のサイドの有利トレードを生むのは、ヒヒダルマによる直接攻撃。
- このヒヒダルマのワザ『バックドラフト』『ひだるまキャノン』でサイドを取らせないように立ち回る。
- HPの低いスピンロトムは積極的にトラッシュしたい。(ヨルノズクなら『ひだるまキャノン』を耐える。「ゼロの大空洞」が破壊された際にトラッシュするなら、スピンロトムを優先。)
- ミュウex、ラティアスexは悪弱点。簡単にサイドを2枚取られる可能性があるため、なるべく場に出さない。
冒頭ではゾロアーク側の多様なサイドの取り方を意識することが重要と述べたが、タケルライコ側が受けに回ると爆発力が低下し、後半の失速につながる。
意識することはミュウexやラティアスexを『イノセントフレイム』で狙われ、サイドを取られないこと程度に留め、あとは盤面にエネルギーを溜め、「ボスの指令」を連発する方が勝率は安定する。
様々なことを意識してケアしたものの、それが勝利への迂回になっていないか常に留意する。
基本的に、タケルライコは処理を押し付ける側のデッキである。
VSサーナイト
「ボスの指令」「プライムキャッチャー」「ジャミングタワー」が重要なパーツ。タケルライコ側はサイド進行1-1-2-2の爆速でサイドを取りきりたい。
タケルライコ側がサイドを先制
- サーナイト側は立ち上がりが遅いため、タケルライコ側がサイドを先制できる。
サーナイト側がサイドの有利トレードを仕掛ける
- サーナイト側は逆転を狙う立場からスタートする。
- そのため、非ルールのポケモン(フワンテ、サケブシッポ)でサイドの有利トレードを仕掛けてくる。
- サーナイト側が非ルールポケモンで有利トレードを狙う場合、ベンチにリーリエのピッピexが待機していることが多い。
- このリーリエのピッピexやサーナイトexを「ボスの指令」や「プライムキャッチャー」で呼び出してきぜつさせる。
リーリエのピッピexを介さずにサイドを取り進めてきた場合
- サーナイト側がリーリエのピッピexの特性【フェアリーゾーン】を使わず、非ルールポケモンでサイドの有利トレードを仕掛けてきた場合、フワンテやサケブシッポには「勇気のおまもり」を付ける必要がある。
- この場合はHP超過きぜつが狙えるため、「ジャミングタワー」を場に出す。
- ただし、マシマシラの特性【アドレナブレイン】(30ダメージ)とフワンテのワザ『バルーンボム』(180ダメージ)により、「勇気のおまもり」なしでも210ダメージに到達する。
- サーナイト側の『エヴォリューション』を封じるための「ジャミングタワー」即出しと、HP超過きぜつを狙うための温存。どちらを優先すべきかは難しく、一概には判断できない。このような選択肢もあるという紹介に留める。
ゲームのポイント
- タケルライコ側は、常にサイドを多く取れる選択肢を選び続ける。
- いつでもサーナイトexをきぜつさせられる準備を整えておく。(きぜつにはエネルギー5枚が必要なため、常にこれを捻出できるよう場にエネルギーを溜めておく。)
VSオーダイル
ゲームの進め方
- 場に出すポケモンは絞って戦う。オーガポンいしずえのめんexは選出確定。
- 基本的に攻撃はオーガポンみどりのめんex。「ゴージャスマント」を付けたミミッキュにはオーガポンいしずえのめんex。タケルライコexは「オーリム博士の気迫」で山札を引くための対象として出す。
- 「プライムキャッチャー」は温存が基本だが、相手のオーダイルの育成が遅れている場合は使用も可(オーダイルの育成が遅れれば、その分こちらの攻撃ターンが増えるため)
ゲームのポイント
- ワニノコのワザ『かじりつく』で詰まないよう、ラティアスexとイキリンコexは場に出さない。
- ホーホーは最悪出してもよい。進化すれば『かじりつく』の効果が消え、1度は手張りでにげられる。(ほうせきさがしを最後の詰めに活用できる。)
- スピンロトム単体では「ゴージャスマント」を付けたミミッキュを突破できない。(マシマシラの特性【アドレナブレイン】で返され続けるため。)
- 「ゴージャスマント」を付けたミミッキュで詰まないよう、タケルライコ側はオーガポンいしずえのめんexを採用する構築が求められる。
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