エーススペック(ACE SPEC)とは
「ACE SPEC」とは特別なルールを持つグッズやエネルギーカードです。
強力な効果を持つかわりに、エーススペックは1つのデッキに1枚しか入れることができません。
1番強いエーススペックは?
エーススペックはそのデッキに応じた1番相性の良いカードがセレクトされるため、強さに序列をつけることは困難です。ですが、全体の使用率から無理に序列をつけるのであれば、ポケモンカード競技勢の中では、エーススペックは「プライムキャッチャー」と「アンフェアスタンプ」の2強環境です。
初心者おすすめのエーススペックは?
初心者の方がエーススペックの採用に迷うのであれば、『プライムキャッチャー』や『デラックスボム』、『マスターボール』はどのデッキでも力を発揮する万能なカードです。
基本的には『プライムキャッチャー』。始めたばかりの方でルール等、色々不安な方は『デラックスボム』、『マスターボール』を採用すると良いでしょう。
特に『プライムキャッチャー』と向き合わず競技ポケモンカードを語ることは不可能です。大会に出ることを目標にしているプレイヤーは、最初は何も考えず手持ちのデッキに『プライムキャッチャー』を入れて練習しましょう。
エーススペック解説
プライムキャッチャー
相手のベンチポケモンを1匹選び、バトルポケモンと入れ替える。その後、自分のバトルポケモンをベンチポケモンと入れ替える。
サイバージャッジ収録のエーススペック。迷ったのであれば採用すればいいカード筆頭。
組み合わせ次第では他のエーススペックに席を譲っても良いが、特別な理由がなければ許さない。それほどの高みから他のエーススペックを見下ろすパワーカード。
プライムキャッチャーの強みは、『グッズ』の効果で相手のベンチポケモンを呼び出すことができること。
通常、このような効果は『サポート』である「ボスの指令」などに限定されており、同時に自分のポケモンを入れ替えるには「ポケモンいれかえ」など別のカードが必要となる。それら2枚分の効果を、1枚で、しかも『グッズ』という1ターンに何枚でも使用できる軽いリソースで行えるという点において、「プライムキャッチャー」は非常に高い実用性を誇る。テキストに書かれている事実のみでパワーがあることを明確に理解できる一枚。
「プライムキャッチャー」だけにしかできない特別な効果がある訳ではないが、1枚のカードに詰め込まれた圧倒的なリターンの大きさでこのカードの強さは測られている。
「プライムキャッチャー」は事前公開で真っ先にお披露目されたエーススペックであったが、SNS上では「出だしから既にプライムキャッチャーを超えるエーススペックが想像できない」と言われるほどであった。
アンフェアスタンプ
このカードは、前の相手の番に、自分のポケモンがきぜつしていなければ使えない。
おたがいのプレイヤーは、それぞれ手札をすべて山札にもどして切る。その後、自分は5枚、相手は2枚、山札を引く。
クリムゾンヘイズ収録のエーススペック。その性質上、過去に禁止カードとなった「リセットスタンプ」などと類似した効果は今後登場しないものと見られていたが、適切な調整を経てのまさかの復活。
手札干渉効果は扱いが難しいカテゴリーとされる。なぜならそれ自体が極めて強力である一方、環境に与える影響の予測が難しく、ゲームのバランスを大きく崩しかねない。公式も長らく敬遠しているように見えた中での本カードの登場は、多くのプレイヤーに驚きを与えた。
アンフェアスタンプの強みは、ゲームの早い段階から相手の手札に強く干渉することができること。この相手の手札に干渉する行為はポケモンカードで逆転するためのメカニズムと大きな因果関係を持つ。
ポケモンカードで劣勢である場合、逆転するためには以下の2パターンのどちらかを成立させなければ逆転することができない。
- 相手のポケモンが攻撃できないターンを作る。(エネルギーが間に合わないなど。)
- 相手に効率良くサイドを取らせないターンを作る。(途中で非ルールのポケモンを倒させる、相手の攻撃を耐えるなど。)
このいずれかを成立させなければどれだけ強力な攻撃を放とうが、(※)単純な数字の行進として相手より先にサイドを6枚取る勝利条件を満たすことができない。手札干渉とは、この逆転の糸口を掴むための半ば必須行動となっている。この必須行動はサポートの「ナンジャモ」等で行ってきたが、「アンフェアスタンプ」の登場により「グッズ」でも行えるようになった。
(※)例えば、お互いがサイドを1枚ずつ取り続けた場合、先にサイドを取得したプレイヤーが先に6枚目を手にするのは当然の帰結。これを後手のプレイヤーが逆転するには、相手の攻撃を耐えるか(相手にサイドを取らせない)、1ターンに2枚サイドを取るかのいずれかしかない。このようにこのままゲームが進行すればどちらのプレイヤーが先に勝つか、という理論をサイドレースと言い、競技ポケモンカードでのすべての行為はサイドレースを優位に進めることを目的として動く。
デラックスボム
このカードをつけているポケモンが、バトル場で相手のポケモンからワザのダメージを受けたとき、ワザを使ったポケモンにダメカンを12個のせる。その後、このカードをトラッシュする。
ステラミラクル収録のエーススペック。ワザを使った相手のポケモンにダメカンを12個のせる効果を持つ。エーススペックが「1ターンの短縮または延長」をもたらすことに本質があるならば、「デラックスボム」も十分に“強い”と評価されうるカードである。
1ターンの短縮又は延長とは、勝利条件を満たすまでに要するターン数のことを指す。例えば、「プライムキャッチャー」は相手のサイドの奇数調整を回避することができたら、勝利までのターンを1ターン短縮できているので短縮のエーススペック。「マキシマムベルト」はツーパンをワンパンに変更するので短縮のエーススペック。「サバイブギプス」や「ポケバイタルA」で相手の攻撃を耐えることができれば、相手の勝利までのターンを1ターン延長できているので延長のエーススペック。要するに、エーススペックは多かれ少なかれ、勝利ターンの短縮または敗北ターンの延長という時間的価値に寄与している。
エーススペックの本質は、この「1ターンの短縮又は延長」をもたらすためにある。
強いエーススペックとは、「どのエーススペックが1ターンを勝ち取りやすいか」その実現性を、プレイヤーは自身の経験や感覚によって無意識に等級評価し、「強い」「弱い」という二項評価で発露させているにすぎない。
「デラックスボム」はツーパンを実質的なワンパンに変更するため、1ターンの短縮のエーススペックに分類される。「ジャミングタワー」や「ワザの効果」等でしか処理することができず、この限定はそれなりに要求値が高い。また、「デラックスボム」はワザを受けるまでは付けっぱなしにできるため、確実に活躍させることができる場面を作りやすい。
「ジャミングタワー」「ワザの効果」等の憂いを含めて、「デラックスボム」を活躍させることができるシチュエーションの再現度が現実的であれば、「デラックスボム」は十分強いエーススペックと判断することができる。
だんけつのつばさのような、非ルールのポケモンで、2進化ポケモンexに対してサイドの有利トレードを仕掛けることができるデッキならば有効的に使える場面も多いだろう。
効果がシンプルでわかりやすく、プレイの中でその強さを実感しやすい点でも優れている。初めてエーススペックを選ぶなら、「デラックスボム」は十分に候補足りうるカードである。
メガトンブロアー
相手のポケモン全員についている「ポケモンのどうぐ」と「特殊エネルギー」と、場に出ている「スタジアム」を、すべてトラッシュする。
楽園ドラゴーナ収録のエーススペック。相手の場のポケモンのどうぐ、特殊エネルギー、スタジアムをすべてトラッシュする効果を持つ。
ポケモンのどうぐとスタジアムへの干渉を目的とするなら「ジャミングタワー」の採用を検討すれば良い。この点から、「メガトンブロアー」をあえて採用する強い動機は見出しにくい。「メガトンブロアー」の主目的は相手の場の「特殊エネルギー」をトラッシュすることにある。
現状のポケモンカードの環境デッキは基本エネルギーで構成されているデッキが多いため、「メガトンブロアー」の価値は非常に乏しい。ただ、現在は基本エネルギーで戦うデッキが主であるというだけで、実際、過去には特殊エネルギーを軸に構築されたデッキが環境の中心にあった時期も存在する。環境の遷移に伴い「メガトンブロアー」の価値は変動する。
しかし、今後特殊エネルギー主体の環境が来ることは考えにくい。というのも、年々ポケモンカードの特殊エネルギーのテキストには都度調整が加えられており、その調整の修正方向は下方である。特にその調整の方向性と頻度からは、特殊エネルギーの設計に対して今なお慎重な姿勢が読み取れる。ポケモンカードは特殊エネルギーの塩梅一つでゲーム性を大きく損なってしまう、いや、損なってきた歴史がある。
そのため「メガトンブロアー」を活用しなければならないほどの特殊エネルギーがリリースされることは考えにくく、何より苦節して作り上げた今の環境のバランスは非常に良い。「メガトンブロアー」の活躍する機会が訪れないことは、それは逆に健全な環境であることを示唆している。
「良環境」とは?に対するどうでもいい考察。
ポケモンカードの「良環境」は円環の姿をしていない。
「良環境」とは、ユーザーによる満足度の総和が定量的な閾値を超えたとき、一時的な正解として受け入れられているにすぎない。穴を埋め合う整合性ではなく、積み重ねの総和によって肯定される環境。これがポケモンカードにおける「良環境」の実態であると私は思う。
レガシーエネルギー
このカードは、ポケモンについているかぎり、すべてのタイプのエネルギー1個ぶんとしてはたらく。
このカードをつけているポケモンが、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつしたとき、とられるサイドは1枚少なくなる。対戦中、自分の「レガシーエネルギー」のこの効果は、1回しかはたらかない。
変幻の仮面収録のエーススペック。2つの異なる効果を併せ持つ特殊エネルギーであるため、分解して解説する。
1.すべてのタイプのエネルギー1個ぶんとしてはたらく。
この効果は収録当初、主にルギアVSTARデッキでの活用が中心であった。
すべてのタイプ1個ぶんとしてはたらくことで、数種類の異なったタイプのポケモンを採用することが可能となり、収録初年度は主にこちらの効果を目的として使用されることが多かった。
2.このカードをつけているポケモンが、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつしたとき、とられるサイドは1枚少なくなる。
レガシーエネルギーの本質的な価値はこちらにある。
たとえば、ポケモンexを3体倒して6枚のサイドを取り切る構成の中に、サイドを1枚しか取られないポケモンexを混ぜ込むことで、4体目のポケモンexをねじ込むことができる。
非ルールのポケモン主体のデッキであれば、7体目のポケモンを繰り出すような戦術となり、実質的なエクストラターンを創出することが可能となる。
しかしながら、この強力な効果にもかかわらず、「レガシーエネルギー」は実戦であまり採用されていない。その理由は、アタッカーを1体多く用意するという構築上のコストが極めて重いためである。
つまり、苛烈な攻撃を継続して与え続けている最中、さりげなく「レガシーエネルギー」をつけるのが最も強い使い方だが、そもそもポケモンカードはそんなに多くのアタッカーを用意することができないという現実問題がある。ポケモンカードのデッキは60枚で組まなければならず、用意できるアタッカーの数には限りがある。要するに、「レガシーエネルギー」を最大限に活かすには、アタッカーの総量が有り余るくらい豊富であることが裏テーマとして要求されている。
「レガシーエネルギー」の理想的な運用には、次の2条件を同時に満たす必要がある。
- アタッカーの枚数が豊富であること
- 攻撃のためのエネルギー捻出が容易であること
しかしこのような条件を満たすデッキは、往々にしてポケモンの最大HPが低くなりやすい。
たとえばドラパルトexの『ファントムダイブ』のように、ワザの効果によってダメカンをばらまくタイプの攻撃に対しては、「レガシーエネルギー」の効果を無効化されてしまうという、現場ならではの課題と直面する。(他ヨノワールの特性【カースドボム】など)
「レガシーエネルギー」のテキスト自体はエーススペックの中でも最強クラスであることは間違いない。
しかし、その最大効率の運用には、「デッキ枚数60枚、サイド6枚」というルールのスケールが小さすぎる。そう感じさせるカードである。
プレシャスキャリー
自分の山札からたねポケモンを好きなだけ選び、ベンチに出す。そして山札を切る。
スターターセット ニンフィアex収録のエーススペック。自分の山札からたねポケモンを好きなだけ出す効果を持つ。1ターン目に使用すれば最大でネストボール5枚ぶんのはたらきをする。
すなわち「プレシャスキャリー」は本来であれば5枚分の「ネストボール」が担う役割を、たった1枚に凝縮したカードである。この圧縮によって最大で4枚分のデッキスロットに余白が生まれる。
「プレシャスキャリー」自体は直接的に相手や盤面に干渉するカードではないが、デッキ構築段階において大きなスロットの自由度をもたらす点において、他のエーススペックとは異なるアプローチでアドバンテージを提供するカードである。
「プレシャスキャリー」は安定志向のカードであるため、どのようなデッキに採用されていてもその選択を否定することは難しい。場にポケモンが出ていなければ、どれだけ潤沢な手札を抱えていようと、ゲームは一歩も動かない。
ポケモンカードにおけるすべての行為は、“ベンチにポケモンを出す”という一点から始まる。
シークレットボックス
このカードは、自分の手札を3枚トラッシュしなければ使えない。
自分の山札から「グッズ」「ポケモンのどうぐ」「サポート」「スタジアム」を1枚ずつ選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
変幻の仮面収録のエーススペック。「シークレットボックス」は、サーチ対象に「サポート」を含む点が特徴的であり、特に1ターン目に確実にサポートを使用したい速攻型のデッキにおいて、その性能が最大限に発揮される。
このカードが速攻型のデッキと噛み合う理由は、上段効果の使用条件にある。
「手札3枚をトラッシュしなければならない」という制約が極めて重く、「シークレットボックス」自体を含めて最低4枚の手札がなければ使用できない。そのため、中盤以降の手札干渉により、手札リソースが限られた場面では運用が著しく困難になる。
したがって、このカードは「速攻型のデッキと相性が良い」というよりも、「速攻型以外のデッキでは運用が難しい」と言い換えた方が実態に即している。さらに、「手札3枚をコストにする」という性質上、その対価となるサーチ対象4枚にはすべて代替不可能な価値が求められる。そしてそのようなカードは多くの場合、ゲーム序盤の動き出しに集約されている。
まとめると、「シークレットボックス」が速攻型のデッキとの相性が良い考えられる理由は以下の2点にある。
- 後半のターンでは、手札コストの都合上、使用条件を満たすことが難しくなる
- サーチ対象の4枚が“明確に必要なカード”である状況は、主にゲーム序盤に集中している
これらの理由から、「シークレットボックス」は速攻型のデッキにおいてこそ、真価を発揮するカードであると説いた。
パーフェクトミキサー
自分の山札から好きなカードを5枚まで選び、トラッシュする。そして山札を切る。
スターターセット ソウブレイズex収録のエーススペック。山札から好きなカードを5枚トラッシュする。エクストラレギュレーション「バトルコンプレッサー」の強化版に相当する。(バトルコンプレッサーは3枚トラッシュする。)
一見すると、カードを5枚もトラッシュするこの効果はデメリットのようにも思える。しかしポケモンカードにおいては、トラッシュにあるカードを再利用する効果を持つカードが多く存在しているため、このカードも使い方次第で強力な働きを見せる。例えば、トラッシュからエネルギーカードをポケモンにつける特性を持つポケモンと組み合わせれば、明確なシナジーを生む。
またポケモンカードには(※)圧縮という考え方がある。カードをトラッシュすることを直接の目的とせず、山札から不要なカードを排除する目的として使用することで相対的なドローの強化を促すプレイングを指す。
(※)たとえば、終盤に使用する予定のないカード(「なかよしポフィン」など)をあらかじめトラッシュしておくことで、トップドローで必要なカードを引く確率を高めたり、「ナンジャモ」などの手札干渉を受けた際に山札内の不要カードを減らすことができる。このようなプレイを「圧縮」と呼び、「パーフェクトミキサー」は最大5枚分の“ハズレカード”を山札から除外するカードとしても評価できる。
つりざおMAX
自分のトラッシュからポケモンと基本エネルギーを合計5枚まで選び、相手に見せて、手札に加える。
テラスタルフェスex収録のエーススペック。ポケモンと基本エネルギーを合計5枚まで選び手札に加える。
このカードの魅力はトラッシュのカードを直接手札に加えることができること。具体的には「夜のタンカ」5回ぶんのはたらきをする。ただし、「夜のタンカ」は必要な場面で適宜使用できる小回りの良さが大きな利点でもある。
したがって、「つりざおMAX」=「夜のタンカ」×5 と単純な等式で結ばれるわけではない。
「つりざおMAX」は、以下のような特定のデッキで特に有効に活用することができる。
- サーフゴーexのようなエネルギー回収を重視するデッキ
- 【カースドボム】を連鎖させるデッキ
- 「ゼロの大空洞」破壊によってベンチが減った時、そのポケモンの復帰を重視するデッキ等
いずれにせよ通常のデッキに導入するには「つりざおMAX」の効果は供給過多であるため、専用構築が求められる。このカードには高い評価が与えられる一方、評価の高さに反して対戦で見かける機会は少ないであろう。
エネルギー転送PRO
自分の山札から、それぞれちがうタイプの基本エネルギーを好きなだけ選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
楽園ドラゴーナ収録のエーススペック。基本エネルギーカードを手札に加えるカード。ポケモンカードには8種類のタイプが存在するため、最大で8枚の異なる基本エネルギーを一度に手札に加えることができる。
エネルギー8色を利用する専用構築を組んで使用するのも趣があって良いが、単純に「山札から最大8枚のカードを抜き取る」効果と見なしても、非常に強力である。1ターン目に使用することができれば(※)山札を強くすることができる。
(※)もちろん状況によるが、トップドローにおいて基本エネルギーを引いて「嬉しい」と感じるプレイヤーは多くないだろう。トップから引いても強くないカード、つまり“ハズレ”である基本エネルギーを、あらかじめ「エネルギー転送PRO」の効果で山札から除いておくことで、相対的にドローの質を高めることができるという考え方。ポケモンカード用語で「圧縮」と言う。
偉大な大樹
おたがいのプレイヤーは、自分の番ごとに1回、自分の場のたねポケモン1匹から進化する1進化ポケモンを、自分の山札から1枚選び、そのポケモンにのせて進化させてよい。進化したなら、続けて2進化ポケモンを1枚選び、進化させてよい。そして山札を切る。(最初の自分の番や、出したばかりのたねポケモンは進化させられない。)
ステラミラクル収録のエーススペック。自分のたねポケモンを1進化経由したのち、2進化ポケモンへと進化させることができる。
1進化になるためだけならば「ハイパーアロマ」の方が優れているため、「偉大な大樹」を採用する以上、2進化ポケモンまで繋がなければこのカードに優位性がない。
環境デッキの中でトレンドの戦法が「アンフェアスタンプ」で主導権を握ろうと立ち回ってくる戦法であるため、「偉大な大樹」でシステムポケモンをあらかじめ設置して「アンフェアスタンプ」と相殺するような形で先にシステムポケモンを展開できれば、このカードは十分に機能する。
ただ相手プレイヤーにも「偉大な大樹」の効果を1回は使われてしまうため、採用する側のプレイヤーには特大・莫大なアドバンテージがなければ、相手プレイヤーに控えているエーススペックとの差による単純なデッキパワー負けは免れない。
つまり、自分が「偉大な大樹」で進化させようとしている2進化ポケモンが、相手の「プライムキャッチャー」や「アンフェアスタンプ」とぶつかったときに、それでもなお戦局をひっくり返すだけの価値があるのか。そうした利益衡量をあらかじめ整理し、“相手にも恩恵を与える”というリスクを受け入れる覚悟が必要となる。
要するに、「偉大な大樹」を採用する以上、その2進化ポケモンがゲーム全体を通じて大車輪の活躍をし続けることが前提条件となる。
トレジャーガジェット
自分の山札から「ポケモンのどうぐ」を5枚まで選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
テラスタルフェスex収録のエーススペック。山札から「ポケモンのどうぐ」を5枚手札に加える。
「ポケモンのどうぐ」はバトルポケモンに対して効果を付与するカードが大半を占める。(ダメージ追加する、ダメージ軽減する、ワザの付与など、交戦を前提としたもの。)
しかし、バトルポケモンによるワザ宣言は1ターンに1回しかできないため、「ポケモンのどうぐ」がもたらすバトルへの影響は、基本的に1ターンにつき1枚分の用途に限られる。つまりワザ宣言が1ターンに1回である以上、オフェンス(交戦)を目的として手札に加えた「ポケモンのどうぐ」は結果として手札に余り続けることとなる。これはゲームの効率を考えると望ましい状況ではない。
そのため、「トレジャーガジェット」の用途は2つ。
1.ディフェンスを目的とした「ポケモンのどうぐ」を手札に加える。
「ポケモンのどうぐ」5枚ぶんの情報、すべてを盤面に提出する。交戦を前提としていないため、5枚すべてに意味を持たせた上でリリースすることができる。
(例)「学習装置」をベンチのポケモン複数体につける。「勇気のおまもり」をベンチのポケモン複数体につける。等
2.「ポケモンのどうぐ」の活用を目的としたコンセプトデッキに使用する。
ポケモンが持つ独自の効果を活用する。
(例)手札から「ポケモンのどうぐ」をトラッシュし、トラッシュした枚数の数×ダメージを与える。このポケモンには「ポケモンのどうぐ」を複数枚つけることができる特性を持つポケモンを採用する。等
きらめく結晶
このカードをつけている「テラスタル」のポケモンがワザを使うとき、そのワザを使うためのエネルギーは、1個ぶん少なくなる。(少なくなるのは、どのタイプのエネルギーでもよい。)
ステラミラクル収録のエーススペック。テラスタルポケモンのワザを使うためのエネルギーを1個ぶん少なくする。
どのタイプのエネルギーでも1個ぶん少なくすることができるため、多くのエネルギータイプを採用するデッキほど有利に働く。そのようなデッキは「きらめく結晶」を採用することで、すべてのエネルギーカードを実質的に1枚ずつ多く採用した結果(効率)を得ることができる。
「テラスタル」のポケモンが対象であるため、テラスタイプ「ステラ」ではないリザードンexやドラパルトexも効果の対象となる。特にドラパルトexのワザ『ファントムダイブ』は2色指定ワザであるため、「きらめく結晶」でのエネルギー効率化を図りやすい。
ポケモン回収サイクロン
自分の場のポケモンを1匹選び、そのポケモンと、ついているすべてのカードを、手札にもどす。
変幻の仮面収録のエーススペック。ポケモン回収サイクロンは既出のエーススペックであり、新イラストを携えて現代ポケモンカードに蘇る。
ポケモン回収サイクロンはその万能性からエクストラレギュレーションでも支持されている。主な用途は2つ。
- ダメカンが乗ったポケモンを回収することで負け筋を消す。(実質的な回復カードとして扱う。)
- ベンチに出した時に特性がはたらくポケモン(ネオラントV等)などを回収して、再びベンチに出して特性を使用する。(実質的なドローカードとして扱う。)
上記の2つはよく知られた使用例だが、このカードの活用範囲はそれだけにとどまらない。このカードは定められたシチュエーションでの使用を期待して採用するようなカードではなく、プレイヤーの適宜な現場判断で使用される。そのため、万能性があると上述したにも関わらず、その本質は本人の閃きに委ねられるという上級者専用の万能カードである。
スクランブルスイッチ
自分のバトルポケモンをベンチポケモンと入れ替える。その後、ベンチに入れ替えたポケモンについているエネルギーを好きなだけ選び、新しいバトルポケモンにつけ替える。
超電ブレイカー収録のエーススペック。「スクランブルスイッチ」は既出のエーススペックであり、新イラストを携えて現代ポケモンカードに蘇る。
入れ替えたポケモンについているエネルギーを、新しいバトルポケモンに好きなだけつけ替えることができる。そのため、コストが重いワザを持つポケモンや、「エネルギーの数×ダメージ」のようなワザ構成と相性が良い。入れ替える効果も付帯されているため、ワザのコストが重いポケモンが、瀕死のバトルポケモンを引き継ぐようにプレイするのが最も効果的な使い方になる。
このカードの問題は、相手の攻撃を耐えた後に使う必要があること。バトルポケモンについているエネルギーしか引き継がないため、1度バトル場に出て戦っていたポケモンに対して使用しなければならない。そのような使い方ができなければ「スクランブルスイッチ」はただの「ポケモンいれかえ」でしかない。
相手の攻撃を1度耐える必要があるという条件でフィルターをかけると、「スクランブルスイッチ」を有効に使えるデッキは一気に限られてくる。しかし「スクランブルスイッチ」は、特定のデッキと極めて高いシナジーを発揮するカードであり、その可能性を突き詰めていくことが構築の鍵となる。オンリーワンの環境デッキとして確立されることが、このカードの価値を120%引き出す方法と言える。
「スクランブルスイッチ」の環境での採用率が低いのは、このカードが弱いからではない。むしろ、使いこなすことの難しさゆえに、評価が追いついていないだけである。
BW期の「スクランブルスイッチ」はゲンシグラードンEXデッキ1パターンにのみ使用されていた。(手張り×4でエネルギーをつけてゲンシグラードンEX1体で無双していく、ワザのコストが重いポケモンの極みのようなデッキ)
希望のアミュレット
このカードをつけているポケモンが、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつしたとき、自分の山札から好きなカードを3枚まで選び、手札に加える。そして山札を切る。
超電ブレイカー収録のエーススペック。ポケモンがワザのダメージできぜつしたとき、好きなカードを3枚手札に加えるポケモンのどうぐ。
ポケモンのどうぐである点は、「ペパー」などのカードによってサーチが可能であることから一定の利便性を持つ。しかし、このカードの発動条件は「ワザのダメージによるきぜつ」に限定されており、
たとえばヨノワールの特性「カースドボム」や、ドラパルトexの『ファントムダイブ』によるダメカンをのせる効果によるきぜつでは発動しない。
現環境においては、ワザのダメージ以外でポケモンをきぜつさせる手段も豊富であり、必ずしもこのカードの効果を安定して発動させられるとは限らない。さらに「ジャミングタワー」など、どうぐに対する対抗手段の存在も踏まえると、構築時点での信頼性には大きな揺らぎがある。
加えて、「希望のアミュレット」の効果そのものが、本来の勝利条件からプレイヤーの意識を逸らすリスクすら孕む。発動を狙うこと自体が構築の目的となり、“相手よりも先に6枚のサイドを取る”という根本的な勝利条件を盲目にさせる恐れすらあるだろう。
強力な効果であることは間違いないが、懸念要素もしっかり目立つため御しがたい。
ミラクルインカム
自分のトラッシュからサポートを2枚まで選び、相手に見せて、手札に加える。
超電ブレイカー収録のエーススペック。トラッシュからサポートを2枚まで手札に加えるカード。エクストラレギュレーション「バトルサーチャー」の上位互換カード。
ポケモンカードは1ターン目の出だしが勝敗を大きく分ける。しかし「ミラクルインカム」の使用時期の到来はどんなに早くても2ターン目、むしろそれ以降に使うことが大半となるため、ゲーム序盤の主導権を握るという点では著しく遅く、致命的とも言える欠点を抱えている。更に、エーススペックが本来持つ、“1ターンで手札や盤面に劇的な変化を起こす力”には全く寄与しておらず、現況にも直接的な変化を与えない。
そのため、「ミラクルインカム」はスタンダードレギュレーション最弱のエーススペックと揶揄されてもやむを得ない効果である。(例えばプライムキャッチャーやアンフェアスタンプをハイパーボールのコストにする際は、プレイヤーの100%が断腸の思いでコストにする。しかしミラクルインカムをコストにする際には、それほど拒否反応を示すことなくすんなり現実を受け入れるだろう。この人身御供に対する抵抗の無さによりエーススペック内の上下関係を無意識に感じることができる。)
他のエーススペックがサポート以上の役割を果たす中、単に“サポートを再利用する”だけのこのカードに、構築上の優先順位を見出すのは極めて難しい。
リッチエネルギー
このカードは、このポケモンについているかぎり、無色エネルギー1個ぶんとしてはたらく。
このカードを手札からポケモンにつけたとき、自分の山札を4枚引く。
楽園ドラゴーナ収録のエーススペック。手札からポケモンにつけたとき、山札を4枚引く効果を持つ。手札からつけたときなので、1ターンに1回の(※)手張りの権利を使って効果を得る。
(※)1ターンに1回、手札からポケモンにエネルギーをつける権利のこと。
環境で上位に位置するデッキにはある共通点がある。それは、特性やトレーナーズによって手張り以外のエネルギー加速手段を備えているという点である。要するに、手張りだけに頼らず、他の手段でエネルギーを供給できるデッキが競技環境では有利とされやすい傾向にある。
手張りのみでエネルギーを満たすデッキでは、1ターン目に「場にポケモンを出す+エネルギーをつける」の2アクションを行わなければならない。これがどんなにエネルギーを多く採用したとしても同時並行が難しく、その不安定さが度々問題視され議論を展開させている。
この不安定さを解消するために、安定したエネルギー加速手段を持つデッキが、競技環境で上位に入りやすい構造になっている。
では、ここから「リッチエネルギー」の効果とどう関係するのかを見ていく。そのデッキがエネルギーの充足を特性やトレーナーズで得るならば、「リッチエネルギー」は任意のタイミングで4枚ドローができる実質的なサポートのような使い方ができるカードとして導入可能。つまり手張りが重要でないデッキであるほど「リッチエネルギー」を強力に使うことができるという結論に帰結する。
「リッチエネルギー」の採用が強力であるかどうかは別として、リザードンデッキやサーナイトデッキ等、手張り以外のエネルギー加速手段が導入されているデッキは採用の候補として挙がってくる。
デンジャラス光線
相手のバトルポケモンをやけどとこんらんにする。
ナイトワンダラー収録のエーススペック。相手のポケモンを2つの特殊状態にする。
相手をやけど状態にすればポケモンチェックで2個ダメカンが乗る。これによりワザのダメージ+やけどの「20」ダメージとなるため、「デンジャラス光線」は実質的な加点要素として扱うことができる。
やけどによるダメージは実質的な“加点”だが、それによるきぜつは「ワザで倒した」扱いにはならない。このため、たとえばテツノカイナexのワザ『ごっつぁんプリファイ』で残ったHPをやけどで削っても、追加サイドは得られない。
また「サバイブギプス」の効果でHPが10残る場面でも、やけどによる20ダメージが適用されるため、「サバイブギプス」の効果を無視してきぜつさせることができる。
このように、このカードを加点要素として使う場合、ワザのダメージによるきぜつとではニュアンスが異なってくるので注意が必要。
「デンジャラス光線」はエーススペックとしてはかなり物足りない。その理由として、特殊状態を利用した攻めがアテにならないことが挙げられる。アテにならない理由とは、
- 特殊状態はベンチに下がればすべて回復してしまう。
- 特殊状態を利用した攻撃は何かと多くのパーツ、条件を必要とする。
- たまにいる、オマケのようについた【このポケモンは特殊状態にならない】的な特性持ちのポケモンに無駄に振り回される。
- そもそも現環境はワンパンが主流であり、特殊状態を挟む余地がそもそも少ない。
これらの理由から、「デンジャラス光線」は現代のポケモンカードに適応しきれておらず、エーススペックとしては明確に物足りないと言わざるを得ない。
ポケバイタルA
自分のポケモン1匹のHPを「150」回復する。
このカードは、トラッシュにあるかぎり、手札に加えられず、山札にもどせない。
ナイトワンダラー収録のエーススペック。HPを「150」回復することができるカード。
回復量が乏しいとの声もあるが、注目すべきは相手の攻撃回数を増やすような使い方ができるかどうかであるため、「ポケバイタルA」の価値はこの「150」回復で手持ちのデッキがその条件を満たせるかで判断される。
重要なのは回復量ではなく、自分のデッキが環境のダメージラインに対して、「150」の回復で1ターンの延命を勝ち取ることができるかどうか。
たとえ回復量が「10」であっても「300」であっても、相手の2回攻撃で倒される流れを3回に引き延ばせたならば、それは等しく“1ターンの延命”である。
ただし、それには相手の攻撃をエーススペックを使わずナチュラルに耐えることが前提となる。例えばタケルライコexのように400を超えるダメージを繰り出すようなデッキが環境に存在する以上、使い道はかなり限定される。「ヒーローマント」や「サバイブギプス」は“相手の攻撃に耐えるためのカード”であるのに対し、「ポケバイタルA」は“耐えた後に発動するカード”。つまり、発動タイミングが根本的に異なる。
そのためタケルライコ等の容赦のない青天井が環境に増えれば増えるほど「ポケバイタルA」の価値は相対的に下がる。環境を考慮した上で1ターンの延命を試みるのであれば、「サバイブギプス」の方が助かる場面は多い。
ニュートラルセンター
おたがいのポケモン(「ルールを持つポケモン」をのぞく)全員は、相手の「ポケモンex・V」からワザのダメージを受けない。
このカードは、トラッシュにあるかぎり、手札に加えられず、山札にもどせない。
ナイトワンダラー収録のエーススペック。非ルールのポケモンが相手のポケモンex・Vからのダメージを受けなくなる。
非常に強力な効果だが、かなり消極的なディフェンスカード。個人が各々のポケモンカードの対戦の歴史を振り返ったとして、「数値化して提示できたり明確な根拠がある訳ではないが、自分のスタジアムが残り続けることに過度な期待はできない」という印象を抱くプレイヤーは少なくないだろう。そう、意図してスタジアムを通すのは難しい。
相手が対抗のスタジアムを握っていたら簡単に張り替えされてしまうので、(※)スタジアムの攻防があるデッキに採用が望ましい。現状だとイダイナキバLOが良いのではないかと思われる。
(※)イダイナキバは場を安定させるために「ボウルタウン」を貼る。相手はイダイナキバの供給を止めたいため「ボウルタウン」を積極的に割りたい。このスタジアム張り替え合戦の攻防を経て最後の「ニュートラルセンター」を通すことを目指す。ワザの道中で相手のスタジアムを削れるのも良い。
カビゴンLOにも良いとの意見もあるが、相手プレイヤーはカビゴンLOに対してスタジアムを張り替える理由がないため、「ニュートラルセンター」への対抗のスタジアムの温存は容易である。カビゴンLOは自ら山札を削りに行く能動的LOではないため、相手プレイヤーの山札の中に対抗のスタジアムが残り続けてしまうのがイダイナキバLOとの大きな違い。要は「ニュートラルセンター」を通すにはお膳立てが必要なのである。
総じて言えば、「ニュートラルセンター」は効果自体は強力であるものの、他のエーススペックが持つインパクトと比べると、構築段階でプレイヤーの意思決定を大きく左右するだけの影響力は持ちづらいと考えられる。
言い換えれば、「このカードが環境に登場したことで、構築やプレイングを抜本的に見直そう」と国民的に思案させるほどの力は現状では期待しにくい。
トドロクツキexのワザ『カラミティストーム』等で破壊可能。この場合、ダメージ無効→スタジアムトラッシュの手順を踏む。
ハイパーアロマ
自分の山札から1進化ポケモンを3枚まで選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
クリムゾンヘイズ収録のエーススペック。1進化ポケモンを3枚まで手札に加えることができる。ただし、対象はあくまで“1進化ポケモン”に限定されており、その点には注意が必要である。
他のエーススペックが、デッキの性能そのものを構造から変えるほどの圧倒的な影響力を持つのに対し、「ハイパーアロマ」はテキストとしても汎用性としても控えめであり、現時点で積極的に採用される理由は乏しい。
ただし1進化ポケモンには(※)システムが多く、これらのポケモンを多く採用するデッキならば実質的に「ハイパーアロマ」はドローカードと解釈することができるので、デッキの構造次第で「ハイパーアロマ」の価値は変動する。サーフゴーexのようなシステムに命を捧げているデッキは、ざっくりと分類するならば、こうしたデッキは“対戦相手との駆け引き”ではなく、“自分の事故との戦い”を重視する構造である。
そのデッキの構造が「自分のデッキさえ回れば勝てる」という前提に立脚しているのであれば、構築においては何よりもデッキを安定して回すことを最優先すべきである。その前提の前では「ハイパーアロマ」の強弱を論じること自体がそもそもズレている。
とはいえ、そのシステムが試合全体において明確な支配力を持たない限り、「ハイパーアロマ」をエーススペック枠で採用するのは難しい。構築段階においては、その点を十分に考慮すべきである。
(※)特性で山札を引いたり、エネルギーをつけたりと、そのデッキを動かすためのエンジンともいえるようなポケモンのこと。
サバイブギプス
このカードをつけているポケモンのHPがまんたんの状態で、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつするとき、そのポケモンはきぜつせずに、残りHPが「10」の状態で場に残る。その後、このカードをトラッシュする。
クリムゾンヘイズ収録のエーススペック。
HPがまんたんの状態でワザのダメージできぜつした場合、HP10の状態で攻撃を耐えることができる。
気をつけなければならないのは「ワザのダメージ」であるため、ドラパルトexのワザ『ファントムダイブ』や、トドロクツキexのワザ『くるいえぐる』のように、ワザの効果で倒すものは対象外である。
「サバイブギプス」の強みは、HPが低いポケモンでも2回攻撃が期待できる点にある。
高い打点を持ちながらも1回の攻撃しか許されないポケモンにつければ、相手の計算を大きく狂わせることができる。(「おまつりおんど」や「だんけつのつばさ」等。)
「ヒーローマント」と異なり、ダメージがHPを超過した状態で生き残るわけではないため、「ジャミングタワー」で無効化されたとしても生存に影響しないケースがある。
“耐える”という行為そのものに着目して比較するならば、「サバイブギプス」の方が助かる場面は多いと考えられる。
マキシマムベルト
このカードをつけているポケモンが使うワザの、相手のバトル場の「ポケモンex」へのダメージは「+50」される。
ワイルドフォース収録のエーススペック。ポケモンexへのダメージが「+50」されるため、HPの高い2進化ポケモンexを倒したいデッキに用いられる。有名どころではギラティナVSTARのワザ「ロストインパクト」の280ダメージと合わせてリザードンexのHP330を狙う。
マキシマムベルトの強みは、高いHPで相手の攻撃を1回耐えることを前提として組まれている2進化ポケモンexに対して強いこと。まさに今、相手の攻撃を耐えることを前提としている高いHPのリザードンexを中心に環境は回っているため、『マキシマムベルト』は他のデッキにも大きなチャンスを与えるカードとなっている。『マキシマムベルト』にしか担えない役割があり、このカードがあるからこそ活きるデッキは多い。
2進化ポケモンexを1回の攻撃できぜつさせることには大きな意味があり、その高いHP帯の領域に無理やり踏む込む最終手段。ロジックごと粉砕する理論派泣かせのパワーカード。
ヒーローマント
このカードをつけているポケモンの最大HPは「+100」される。
サイバージャッジ収録のエーススペック。最大HPを「+100」するシンプルな効果。
相手の攻撃を1回耐える、耐えないに着目した「マキシマムベルト」と似たような役割を持つが、「マキシマムベルト」は高いダメージを出すポケモンの攻撃と組み合わせて初めて強力なカードとなるため、使用にはタイミングが必要である。
一方『ヒーローマント』は、それこそ適当にポケモンにつけているだけでそれなりに効果を発揮するため、使いやすい易しい効果であるといえる。
ヒーローマントの強みは、「ヒーローマント」を処理しにくいことが挙げられる。「マキシマムベルト」は相手ポケモンを倒してしまえば一緒にトラッシュにいくが、「ヒーローマント」はそもそも倒されること防ぐカードであるため、「ロストスイーパー」の採用がなければ処理をすることができない。
そのため「チェレンのきくばり」や「ベルのまごころ」等の回復カードと組み合わせて使用されると、泥沼から抜け出せない可能性がある。
他のエーススペックが強力であることにも助けられている。他のエーススペックが強力であるがゆえに「ヒーローマント」の警戒を怠り、「ロストスイーパー」の採用を見送るプレイヤーも出てくるだろう。
「ヒーローマント」はエーススペックの中でもTier1の強さではないが、Tier1ではないからこそTier1のカードと同等のポテンシャルを発揮する。
ネオアッパーエネルギー
このカードは、ポケモンについているかぎり、無色エネルギー1個ぶんとしてはたらく。
2進化ポケモンについているなら、すべてのタイプのエネルギー2個ぶんとしてはたらく。
2進化ポケモンにつけることですべてのタイプのエネルギー2個ぶんとしてはたらく。
ネオアッパーエネルギーの強みは、「リバーサルエネルギー」と違って【ルールを持つポケモン】にも対応していること。そのため2進化ポケモンexにつけることで効果を最大限に発揮する。
変幻の仮面で収録されたドラパルトexとの相性が良いとして採用されることがある。
覚醒のドラム
自分の場の「古代」のポケモンの数ぶん、山札を引く。
ワイルドフォース収録のエーススペック。自分の場の「古代」ポケモンの数ぶん山札を引けるので、最大6枚ドローが期待できる。
覚醒のドラムの強みは、古代デッキのメインサポートである「オーリム博士の気迫」が3枚ドローと控えめであるため、「覚醒のドラム」で手札を補強できること。
ただし、ドローをするだけなら他のカードでも代用することもできるため、「覚醒のドラム」だけにしかできないような特別な役割はない。ただただ山札を引いて、とにかく引いて何も考えず相手のバトルポケモンを倒すだけで勝利を目指すような、直線的で自己完結しているデッキとは相性が良い。
リブートポッド
自分の「未来」のポケモン全員に、トラッシュから基本エネルギーを1枚ずつつける。
サイバージャッジ収録のエーススペック。「未来」のポケモンに基本エネルギーを1枚ずつつけることができる。未来デッキは「リブートポッド」でゆとりあるエネルギー管理をするか、「プライムキャッチャー」で相手の急所に切り込んで行くかの選択となっている。
リブートポッドの強みは、本来ワザや特性を使ってエネルギーを加速する効果をグッズでおこなうことができること。最大で「ダークパッチ」6枚ぶんの効果を発揮し、驚愕のぶっ壊れ性能といってもいい効果なのだが、未来のポケモンに限定すると途端に評価が難しくなる。その理由は、そもそもこのカードが採用される未来デッキのポテンシャルや立ち位置が抜きん出ているものではないことに起因する。未来デッキの評価が高くなければ、「リブートポッド」の評価も当然それ以上のものとはならない。
マスターボール
自分の山札からポケモンを1枚選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
山札から1枚ポケモンを選んで手札に加える。ポケモンV,ex問わずポケモンであればなんでも手札に加えることができる。
マスターボールの強みは、とにかく使いやすいこと。「マスターボール」は手札に来ればどの対戦でも100%使用し、活躍する。進化することでドローができる特性を持つポケモンをサーチしたりすることで事故を回避し、目に見えた効果は分かりづらいが、ゲーム全体を通してバランスの底上げに貢献してくれる。
盤面作りの大切さが問われている現代ポケモンカード。地味な効果だが、高評価を与えているプレイヤーは意外と多い。
コメント
サバイブギプスとヒーローマントはもう少し補足が必要だと思います
サバイブギプスはダメカンが乗ってないときにワンパンされないって性質上リザードンexの場合だとタケルライコex、パオジアンexからワンパンの要求をヒーローマント以上に稼ぐことができます。また、リザードンexのようなデッキでリザードンexにサバイブギプスをつけない対面ではビーダルにつけることによってリソース源を維持することができます
一方のヒーローマントはサケブシッポ、フワンテのような自身に乗ってるダメカンでダメージが上がるポケモンと相性が良く火力アップアイテムとしての側面もあります
一週間前に初めてルールも抜けている初心者です。
とりあえずマスターボール使ってみます。
リザードンexを使っているのですが、アンフェアスタンプを使っている人が多いと感じました。初心者である私は「ナンジャモと被ってないか……?」と思ったのですが、記事を見てアンフェアスタンプって強いな〜と思うようになりました。
アンフェアスタンプを入れたいのですが、値段もするので、まずはピジョットexやロトムVを揃えてからにしたいと思います。それまではマスターボールでなんとか…
全て初心者の主観ですが
まとめありがとうございました。
参考にさせていただきます。
このサイトのコラム系の記事は語彙力凄いので、もっと沢山読みたいですねぇ!
エーススペックに限らず、色んなカードの評価が気になります!