エーススペック(ACE SPEC)とは
「ACE SPEC」とは特別なルールを持つグッズやエネルギーカードです。
強力な効果を持つかわりに、エーススペックは1つのデッキに1枚しか入れることができません。
1番強いエーススペックは?
エーススペックはそのデッキに応じた1番相性の良いカードがセレクトされるため、強さに序列をつけることは困難です。ですが、全体の使用率から無理に序列をつけるのであれば、ポケモンカード競技勢の中では、エーススペックは「プライムキャッチャー」と「アンフェアスタンプ」の2強環境です。
初心者おすすめのエーススペックは?
初心者の方がエーススペックの採用に迷うのであれば、『プライムキャッチャー』や『デラックスボム』、『マスターボール』はどのデッキでも力を発揮する万能なカードです。
基本的には『プライムキャッチャー』。始めたばかりの方でルール等、色々不安な方は『デラックスボム』、『マスターボール』を採用すると良いでしょう。
特に『プライムキャッチャー』と向き合わず競技ポケモンカードを語ることは不可能です。大会に出ることを目標にしているプレイヤーは、最初は何も考えず手持ちのデッキに『プライムキャッチャー』を入れて練習しましょう。
エーススペック解説
トレジャーガジェット
自分の山札から「ポケモンのどうぐ」を5枚まで選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
テラスタルフェスex収録のエーススペック。山札から「ポケモンのどうぐ」を5枚手札に加える。
「ポケモンのどうぐ」はバトルポケモンに対して効果を付与するカードが大半を占める。(ダメージ追加する、ダメージ軽減する、ワザの付与など、交戦を前提としたもの。)
しかし、バトルポケモンによるワザ宣言は1ターンに1回しかできないため、「ポケモンのどうぐ」がもたらすバトルへの影響は、基本的に1ターンにつき1枚分の用途に限られる。
つまりワザ宣言が1ターンに1回である以上、オフェンス(交戦)を目的として手札に加えた「ポケモンのどうぐ」は結果として手札に余り続けることとなる。これはゲームの効率を考えると望ましい状況ではない。
そのため、「トレジャーガジェット」の用途は2つ。
1.ディフェンスを目的とした「ポケモンのどうぐ」を手札に加える。
「ポケモンのどうぐ」5枚ぶんの情報、すべてを盤面に提出する。交戦を前提としていないため、5枚すべてに意味を持たせた上でリリースすることができる。
(例)「学習装置」をベンチのポケモン複数体につける。「勇気のおまもり」をベンチのポケモン複数体につける。等
2.「ポケモンのどうぐ」の活用を目的としたコンセプトデッキに使用する。
ポケモンが持つ独自の効果を活用する。
(例)手札から「ポケモンのどうぐ」をトラッシュし、トラッシュした枚数の数×ダメージを与える。このポケモンには「ポケモンのどうぐ」を複数枚つけることができる特性を持つポケモンを採用する。等
つりざおMAX
自分のトラッシュからポケモンと基本エネルギーを合計5枚まで選び、相手に見せて、手札に加える。
テラスタルフェスex収録のエーススペック。ポケモンと基本エネルギーを合計5枚まで選び手札に加える。
このカードの魅力はトラッシュのカードを直接手札に加えることができること。具体的には「夜のタンカ」5回ぶんのはたらきをする。ただし、「夜のタンカ」は必要な場面で適宜使用できる小回りの良さが大きな利点でもある。
したがって、「つりざおMAX」=「夜のタンカ」×5 と単純な等式で結ばれるわけではない。
「つりざおMAX」は、以下のような特定のデッキで特に有効に活用することができる。
- サーフゴーexのようなエネルギー回収を重視するデッキ
- ボムパルキアのように【カースドボム】を連鎖させるデッキ
- 「ゼロの大空洞」破壊によってベンチが減った時、そのポケモンの復帰を重視するデッキ等
いずれにせよ通常のデッキに導入するには「つりざおMAX」の効果は供給過多であるため、専用構築が求められる。このカードには高い評価が与えられる一方、評価の高さに反して対戦で見かける機会は少ないであろう。
スクランブルスイッチ
自分のバトルポケモンをベンチポケモンと入れ替える。その後、ベンチに入れ替えたポケモンについているエネルギーを好きなだけ選び、新しいバトルポケモンにつけ替える。
超電ブレイカー収録のエーススペック。「スクランブルスイッチ」は既出のエーススペックであり、新イラストを携えて現代ポケモンカードに蘇る。
入れ替えたポケモンについているエネルギーを好きなだけつけ替えることができるため、コストが重いワザや自分についているエネルギーの数×ダメージを与えるワザを持つポケモンと相性が良い。入れ替える効果も付帯されているため、ワザのコストが重いポケモンが、瀕死のバトルポケモンを引き継ぐようにプレイするのが最も効果的な使い方になる。
このカードの問題は、相手の攻撃を耐えた後に使う必要があること。バトルポケモンについているエネルギーしか引き継がないため、1度バトル場に出て戦っていたポケモンに対して使用しなければならない。そのような使い方ができなければ「スクランブルスイッチ」はただの「ポケモンいれかえ」でしかない。
1つの例外としてオーガポンみどりのめんexに地道に溜めたエネルギーを「スクランブルスイッチ」で持って行く使い方がある。環境デッキの中ではレジドラゴVSTARが該当する。
しかし、レジドラゴVSTARは「プライムキャッチャー」を特性【レガシースター】で2回使うことができる殺傷性が売りとなっており、上記のような「スクランブルスイッチ」の使い方はレジドラゴVSTARの良いところを引き出せていない。無傷のオーガポンexをわざわざ(※)死に出ししてエネルギーを引っ張って行くだけなら、それはそれで今度はただの「エネルギーつけかえ」でしかない。
(※)バトルポケモンがきぜつした時にベンチポケモンをバトル場に出すこと。
また、レジドラゴVSTARと「プライムキャッチャー」は既に至高のマリアージュを実現しているため、そこに他者が介入する余地はない。
相手の攻撃を1度耐える必要があることを条件にフィルターをかけると、「スクランブルスイッチ」を有効に使うことができる候補デッキは一気に少なくなる。しかし「スクランブルスイッチ」もレジドラゴとプライムキャッチャーのような運命的なシナジーを持つデッキを発見し、その独自の使い道を追求することが重要。オンリーワンの環境デッキとして確立されることが、このカードの価値を120%引き出す方法と言える。
「スクランブルスイッチ」はエーススペックの中でも最強クラスの性能。それにも関わらず環境で見かけないのは「スクランブルスイッチ」が弱いカードだからではない。ただ我々が持て余しているだけである。
BW期の「スクランブルスイッチ」はゲンシグラードンEXデッキ1パターンにのみ使用されていた。(手張り×4でエネルギーをつけてゲンシグラードンEX1体で無双していく、ワザのコストが重いポケモンの極みのようなデッキ)
スクランブルスイッチはバトルポケモンについていたエネルギーのみを引き継ぎます。テツノイサハexやアヤシシVのように、場全体からエネルギーをつけ替えることはできません。
希望のアミュレット
このカードをつけているポケモンが、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつしたとき、自分の山札から好きなカードを3枚まで選び、手札に加える。そして山札を切る。
超電ブレイカー収録のエーススペック。ポケモンがワザのダメージできぜつしたとき、好きなカードを3枚手札に加えるポケモンのどうぐ。
ポケモンのどうぐであるため、「ペパー」のサーチ対象であることが評価できる。
一方、「希望のアミュレット」の効果の条件には「ワザのダメージできぜつしたとき」と限定されている。そのため、ヨノワールの特性【カースドボム】や、ドラパルトexのワザ『ファントムダイブ』のダメカンを6個のせる効果できぜつした場合は「希望のアミュレット」の効果ははたらかない。昨今のポケモンカードではワザのダメージ以外できぜつさせる手段は無数にあるため、必ずしも「希望のアミュレット」の恩恵に与れるとは限らない。
また、「ロストスイーパー」や「ジャミングタワー」による懸念要素も抱えており、デメリットばかりに目が行ってしまい気持ちよく採用しようという気分には到底ならない。
むしろ「希望のアミュレット」の効果を有効に発動させること自体が目的、動機になりかねず、相手より先に6枚サイドを取るという勝利条件を盲目にさせる恐れすらあるだろう。強力な効果であることは間違いないが、懸念要素もしっかり目立つため御しがたい。
ミラクルインカム
自分のトラッシュからサポートを2枚まで選び、相手に見せて、手札に加える。
超電ブレイカー収録のエーススペック。トラッシュからサポートを2枚まで手札に加えるカード。エクストラレギュレーション「バトルサーチャー」の上位互換カード。
ポケモンカードは1ターン目の出だしが勝敗を大きく分ける。しかし「ミラクルインカム」の使用時期の到来はどんなに早くても2ターン目、むしろそれ以降が濃厚という致命的な欠陥を抱えている。更に、エーススペックの強みである1ターンに詰め込める情報量の開放には一切関与せず、現況にも直接的な変化を与えない。
そのため、「ミラクルインカム」はスタンダードレギュレーション最弱のエーススペックと揶揄されてもやむを得ない効果である。(例えばプライムキャッチャーやアンフェアスタンプをハイパーボールのコストにする際は、プレイヤーの100%が断腸の思いでコストにする。しかしミラクルインカムをコストにする際には、それほど拒否反応を示すことなくすんなり現実を受け入れるだろう。この人身御供に対する抵抗の無さによりエーススペック内の上下関係を無意識に感じることができる。)
サポートと同等それ以上の効果を持つエーススペックが存在するにも関わらず、ただサポートになるだけのエーススペックに価値を見出すこと困難極まりない。
エネルギー転送PRO
自分の山札から、それぞれちがうタイプの基本エネルギーを好きなだけ選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
楽園ドラゴーナ収録のエーススペック。基本エネルギーカードを手札に加えるカード。ポケモンカードには8種のタイプがあるため、最大で8枚の基本エネルギーを手札に加えることができる。
タイプに富んだ専用構築を組んで使用するのも趣があって良いが、単純に8枚のカードを山札から抜き取る効果と考えても強力。1ターン目に使用することができれば(※)山札を強くすることができる。
(※)状況にもよるが、ことトップドローにおいて、エネルギーカードを引いて嬉しいカードと感じる人は少数派だろう。トップドローにおけるハズレと定義された基本エネルギーを「エネルギー転送PRO」の効果であらかじめ山札から抜き取っておくことで、相対的にトップドローを強化する考え方。(「圧縮」とも言う。)
タイプ8色を利用したデッキの案としては、サーフゴーex、タギングル、ハピナスex等がSNS上で挙げられている。
メガトンブロアー
相手のポケモン全員についている「ポケモンのどうぐ」と「特殊エネルギー」と、場に出ている「スタジアム」を、すべてトラッシュする。
楽園ドラゴーナ収録のエーススペック。相手の場のポケモンのどうぐ、特殊エネルギー、スタジアムをすべてトラッシュする効果を持つ。
ポケモンのどうぐとスタジアムの破壊を目的とするなら「ロストスイーパー」の採用を検討すれば良い。そのため左記の理由で「メガトンブロアー」の採用に至るには動機が弱い。「メガトンブロアー」の主目的は相手の場の「特殊エネルギー」をトラッシュすることにある。
「メガトンブロアー」はわかりやすいルギアデッキに対するメタカード。片翼のアーケオスをきぜつさせながら「メガトンブロアー」を使用すれば概ねルギアデッキは停止する。それ以外の用途は現状無いと言って良い。
現状のポケモンカードの環境デッキは基本エネルギーで構成されているデッキが多いため、「メガトンブロアー」はルギアデッキ以外に対する価値は非常に乏しい。ただ、現在は基本エネルギーで戦うデッキが主であるというだけで、過去には特殊エネルギーで戦うデッキが主であった時代も当然ある。環境の遷移に伴い「メガトンブロアー」の価値は変動する。
しかし、今後特殊エネルギー主体の環境が来ることは考えにくい。というのも、年々ポケモンカードの特殊エネルギーのテキストには都度調整が加えられており、その調整の修正方向は下方である。そしてその調整具合からは、今もなお特殊エネルギーのテキストには神経を尖らせてリリースをしている節を感じずにはいられない。ポケモンカードは特殊エネルギーの塩梅一つでゲーム性を大きく損なってしまう、いや、損なってきた歴史がある。
そのため「メガトンブロアー」を活用しなければならないほどの特殊エネルギーがリリースされることは考えにくく、何より苦節して作り上げた今の環境のバランスは非常に良い。「メガトンブロアー」の活躍する機会が訪れないことは、それは逆に健全な環境であることを示唆している。
ただ、健全な環境がプレイヤーにとって面白い環境であるかどうかはまた別の話である。
リッチエネルギー
このカードは、このポケモンについているかぎり、無色エネルギー1個ぶんとしてはたらく。
このカードを手札からポケモンにつけたとき、自分の山札を4枚引く。
楽園ドラゴーナ収録のエーススペック。手札からポケモンにつけたとき、山札を4枚引く効果を持つ。手札からつけたときなので、1ターンに1回の(※)手張りの権利を使って効果を得る。
(※)1ターンに1回、手札からポケモンにエネルギーをつける権利のこと。
ポケモンカードで環境入りを果たすような強いデッキには概ねの傾向があり、それは特性やトレーナーズでエネルギーを加速する手段が導入されているデッキが強いデッキと判断されやすい傾向がある。つまり手張り以外でエネルギーの充足を得るデッキのことを指す。
手張りのみでエネルギーを満たすデッキでは、1ターン目に「場にポケモンを出す+エネルギーをつける」の2アクションを行わなければならない。これがどんなにエネルギーを多く採用したとしても同時並行が難しく、その不安定さが度々問題視され議論を展開させている。
このような不安定さを極力排除するため、競技の場では手張り以外でエネルギーの充足を得る方法が導入されているデッキが上位に来ることが多い。
この話のどこが「リッチエネルギー」の効果解説に着地するのかと言うと、そのデッキがエネルギーの充足を特性やトレーナーズで得るならば、「リッチエネルギー」は任意のタイミングで4枚ドローができる実質的なサポートのような使い方ができるカードとして導入可能。つまり手張りが重要でないデッキであるほど「リッチエネルギー」を強力に使うことができるという結論に帰結する。
「リッチエネルギー」の採用が強力であるかどうかは別として、リザードンデッキやサーナイトデッキ等、手張り以外のエネルギー加速手段が導入されているデッキは採用の候補として挙がってくる。
パーフェクトミキサー
自分の山札から好きなカードを5枚まで選び、トラッシュする。そして山札を切る。
スターターセット ソウブレイズex収録のエーススペック。山札から好きなカードを5枚トラッシュする。エクストラレギュレーション「バトルコンプレッサー」の強化版に相当する。(バトルコンプレッサーは3枚トラッシュする。)
ポケモンカードにはトラッシュにあるカードを再利用する効果を持つカードが多く、一見デメリットにしか見えないこのカードも用途次第では強く使用することができる。例えば、トラッシュにあるエネルギーカードをポケモンにつける特性を持つポケモン等と相性が良い。
そして何より、スタンダードレギュレーションではルギアVSTARの特性【アッセンブルスター】への立役者となる。「パーフェクトミキサー」でアーケオスをトラッシュすることにより安定して【アッセンブルスター】を宣言することができるようになった。
ルギアデッキの攻撃性能は環境の中でもトップクラスだが、アーケオスをトラッシュに送る方法に乏しく、その安定性の無さが常に課題となっていた。そんな中、待望の「パーフェクトミキサー」である。「パーフェクトミキサー」の登場には感極まる者や、スタンダード環境の未来を案じて阿鼻叫喚を訴える者など、得た心証は様々であるが、我々のポケモンカードがより加速して熱量を帯びたものとなるのは間違いない。
またポケモンカードに圧縮という考え方がある。カードをトラッシュすることを直接の目的とせず、山札から不要なカードを排除する目的として使用することで相対的なドローの強化を促すプレイングを指す。
(※)例えば、ゲームで既に使用目的が無いと明白となったカード(終盤のなかよしポフィン等)を事前にトラッシュしておくことで、必要なカードをトップドローで引いてくる確率を上げたり、相手プレイヤーのナンジャモやツツジ等の手札干渉に備えることができる。このプレイングを「圧縮」と言い、「パーフェクトミキサー」は山札から5枚ぶんのハズレカードを排除するという視点でも捉えることもできる。
プレシャスキャリー
自分の山札からたねポケモンを好きなだけ選び、ベンチに出す。そして山札を切る。
スターターセット ニンフィアex収録のエーススペック。自分の山札からたねポケモンを好きなだけ出す効果を持つ。1ターン目に使用すれば最大でネストボール5枚ぶんのはたらきをする。
強力な恩恵に与るためにも、「なかよしポフィン」の対象範囲外であるポケモンが多く採用されているデッキと相性が良い。(例、レジギガス、ポケモンV主体のデッキ、大空洞パルキア等)
「プレシャスキャリー」は安定志向のカードであるため、いずれのデッキに採用されていたとしても「プレシャスキャリー」の採用を否定することは難しい。場にポケモンが出ていなければ、どれだけ潤沢な手札でも行く先がない。ポケモンカードのすべての行為はベンチにポケモンを出さなければ始まらない。
ただ「プレシャスキャリー」に唯一性は無く、代替案は提示できるため、他のエーススペックと比べてリターンが極めて少ない。
場に「ゼロの大空洞」が出ている時、「プレシャスキャリー」を使うより前にあらかじめテラスタルのポケモンを場に出しておかなけれベンチに出せるポケモンは8匹にならない。 (例えば、プレシャスキャリーの効果中、1番最初にテラパゴスexを出したからといって8匹出せる効果を得ることはできない。)
12/8【日】:追記
2進化ポケモンデッキや大空洞型コンセプトなど、序盤の安定感を重視した構築トレンドで広く活用されている。上記、『リターンが極めて少ない』と記した自身の考察は誤りであったと判断したため、その点について訂正を加える。
デラックスボム
このカードをつけているポケモンが、バトル場で相手のポケモンからワザのダメージを受けたとき、ワザを使ったポケモンにダメカンを12個のせる。その後、このカードをトラッシュする。
ステラミラクル収録のエーススペック。ワザを使った相手のポケモンにダメカンを12個のせる効果を持つ。エーススペックの役割が1ターンの短縮又は延長の実現ならばこの「デラックスボム」も強いエーススペックと判断される余地がある。
1ターンの短縮又は延長とは、勝利条件を満たすまでに要するターン数のことを指す。例えば、「プライムキャッチャー」は相手のサイドの奇数調整を回避することができたら、勝利までのターンを1ターン短縮できているので短縮のエーススペック。「マキシマムベルト」はツーパンをワンパンに変更するので短縮のエーススペック。「サバイブギプス」や「ポケバイタルA」で相手の攻撃を耐えることができれば、相手の勝利までのターンを1ターン延長できているので延長のエーススペック。このようにエーススペックは「勝利までのターンを短縮するか」「敗北までのターンを延長するか」大なり小なりこのいずれかに関わってきている。
エーススペックの存在意義は、この「1ターンの短縮又は延長」をもたらすためにある。
強いエーススペックとは、「どのエーススペックが1ターンを勝ち取りやすいか」その実現性の度合いを、個人の経験則から無意識に等級評価し、それが自然と「強い」と「弱い」の二元論で発露されているに過ぎない。
「デラックスボム」はツーパンを実質的なワンパンに変更するため、1ターンの短縮のエーススペックに分類される。「ロストスイーパー」「ジャミングタワー」のみでしか処理することができず、2種の限定はそれなりに要求値が高い。「デラックスボム」はワザを受けるまでは付けっぱなしにできるため、確実に活躍させることができる場面を作りやすい。
「ロストスイーパー」や「ジャミングタワー」等の憂いを含めて、「デラックスボム」を活躍させることができるシチュエーションの再現度が現実的であれば、「デラックスボム」は十分強いエーススペックと判断することができる。
だんけつのつばさのような、非ルールのポケモンで、2進化ポケモンexに対してサイドの有利トレードを仕掛けることができるデッキならば有効的に使える場面も多いだろう。
ポケモンに付けるだけで簡単に効果を実感できるのに加えて、それなりに強力。「マスターボール」に勝るとも劣らない使いやすさであるため、人生最初のエーススペックはこのカードでも良い。
偉大な大樹
おたがいのプレイヤーは、自分の番ごとに1回、自分の場のたねポケモン1匹から進化する1進化ポケモンを、自分の山札から1枚選び、そのポケモンにのせて進化させてよい。進化したなら、続けて2進化ポケモンを1枚選び、進化させてよい。そして山札を切る。(最初の自分の番や、出したばかりのたねポケモンは進化させられない。)
ステラミラクル収録のエーススペック。自分のたねポケモンを1進化経由したのち、2進化ポケモンへと進化させることができる。
1進化になるためだけならば「ハイパーアロマ」の方が優れているため、「偉大な大樹」を採用する以上、2進化ポケモンまで繋がなければこのカードに優位性がない。パッと思いついたのがアマージョex、ゲッコウガex、パオジアンex(セグレイブ、ピジョットex軸)、特性【カースドボム】のヨノワール。
環境デッキの中でトレンドの戦法が「アンフェアスタンプ」で主導権を握ろうと立ち回ってくる戦法であるため、「偉大な大樹」でシステムポケモンをあらかじめ設置して「アンフェアスタンプ」と相殺させるように使うことができたら良いと感じた。
ただ相手プレイヤーにも「偉大な大樹」の効果を1回は使われてしまうため、採用する側のプレイヤーには莫大なアドバンテージがなければ、相手プレイヤーに控えているエーススペックとの差による単純なデッキパワー負けは免れない。
つまり今から自分が進化させようとする2進化ポケモンVS相手にも進化ポケモンを作られる+「プライムキャッチャー」or「アンフェスタンプ」とぶつかった時、果たしてあなたの作ろうとしている2進化ポケモンにはそこまでの価値がありますか?という葛藤と直面するため、この利益衡量の問題を自分なりに腑に落とし、相手に多大なメリットを与えることにも重々承知しておく必要がある。しかし、その承知ができるビジョンが丸っ切り見えないため私は個人的には、現状辛口評価。
ちなみにSNS上では強すぎると絶賛の嵐。
このターンに偉大な大樹で進化させた1進化ポケモンは、進化したばかりのポケモンであるため、同じ番に手札から2進化ポケモンをのせて進化させることはできない。
きらめく結晶
このカードをつけている「テラスタル」のポケモンがワザを使うとき、そのワザを使うためのエネルギーは、1個ぶん少なくなる。(少なくなるのは、どのタイプのエネルギーでもよい。)
ステラミラクル収録のエーススペック。テラスタルポケモンのワザを使うためのエネルギーを1個ぶん少なくする。
ステラミラクル収録のテラパゴスexが使うためのワザのエネルギーの色指定が3色とかなり厳しいため、今後テラパゴスexのような多色エネルギーを求められるようなワザが増えれば増えるほどバリューが広がる。「テラスタイプ:ステラ」と「きらめく結晶」の評価基準は相対関係であるため、ある程度は環境への理解がなければ評価することができない。そのため一旦保留とする。
「テラスタル」のポケモンが対象であるため、既にリリースされているリザードンexやドラパルトexも効果の対象となる。特にドラパルトexは「ネオアッパーエネルギー」の代わりに採用される余地がある。(ペパーできらめく結晶をサーチできる。一方ネオアッパーエネルギーは概ね【マッハサーチ】に頼っているため、ワザの使いやすさで差別化ができている。)
ステラミラクル発売後追記:「きらめく結晶」は主にドラパルトデッキに採用されている。「きらめく結晶」が「ペパー」のサーチ対象であることが、「ネオアッパーエネルギー」より優れていると評価された。しかし、まだまだ現状の「テラスタルタイプ:ステラ」が弱いためこのような使われ方しかされていない節があり、「きらめく結晶」の評価は引き続き保留であることには変わりはない。
デンジャラス光線
相手のバトルポケモンをやけどとこんらんにする。
ナイトワンダラー収録のエーススペック。相手のポケモンを2つの特殊状態にする。
相手をやけど状態にすればポケモンチェックで2個ダメカンが乗る。これによりワザのダメージ+やけどの「20」ダメージとなるため、「デンジャラス光線」は実質的な加点要素として扱うことができる。
実質的な加点ではあるが、ワザのダメージでのきぜつではなく、ポケモンチェックでのきぜつであるため通常とは処理の方法が違う。例えばHP140のポケモンにテツノカイナexワザ『ごっつぁんプリファイ』で120ダメージを与えた後、やけどチェックで2個ダメカンが乗りきぜつしたとしても、それは『ごっつぁんプリファイ』によるきぜつではなく、状態異常によるきぜつであるためサイドを1枚多く取ることはできない。
他「サバイブギプス」の効果でHPが10残ったポケモンに対しては、ワザのダメージで生き残ったとしても、やけどチェックによる20ダメージが残っているため、「サバイブギプス」の恩恵を無視してきぜつさせることができる。このカードを加点要素として使う場合、ワザのダメージによるきぜつとではニュアンスが異なってくるので注意が必要。
「デンジャラス光線」はエーススペックとしてはかなり物足りない。その理由として、特殊状態を利用した攻めがアテにならないことが挙げられる。アテにならない理由とは、
- 特殊状態はベンチに下がればすべて回復してしまう。
- 特殊状態を利用した攻撃は何かと多くのパーツ、条件を必要とする。
- たまにいる、オマケのようについた【このポケモンは特殊状態にならない】的な特性持ちのポケモンに無駄に振り回される。
- 昨今のワンパン環境で特殊状態を挟む余地がない。(特殊状態という面倒な過程を挟んでワンパンを主張するデッキに優位性がない。)
以上4つの理由により「デンジャラス光線」の運用は難しい。
ポケバイタルA
自分のポケモン1匹のHPを「150」回復する。
このカードは、トラッシュにあるかぎり、手札に加えられず、山札にもどせない。
ナイトワンダラー収録のエーススペック。HPを回復することができるカード。
回復量が乏しいとの声もあるが、注目すべきは相手の攻撃回数を増やすような使い方ができるかどうかであるため、「ポケバイタルA」の価値はこの「150」回復で手持ちのデッキがその条件を満たせるかで判断される。
例えば回復量が「10」であっても「300」であっても、2回攻撃突破を3回攻撃突破に変更することができれば、それは同じ結果をもたらしたため同価値と言える。重要なのは回復量ではなく自分のデッキが環境のダメージラインに対して、「150」の回復で1ターンの延命を勝ち取ることができるかどうかである。
ただ、それには相手の攻撃をエーススペックを使わずナチュラルに耐えることが前提であるため、例えばタケルライコオーガポンやルギアのチラチーノのように400を超えるダメージを繰り出すようなデッキが環境に存在する以上、使い道はかなり限定される。「ヒーローマント」や「サバイブギプス」は耐えるためのエーススペックであるのに「ポケバイタルA」は耐えた後のエーススペック。順番が逆である。
そのためタケルライコやルギア等の容赦のない青天井が環境に増えれば増えるほど「ポケバイタルA」の価値は相対的に下がる。環境を考慮した上で1ターンの延命を試みるのであれば、「サバイブギプス」の方が助かる場面は多い。
「ポケバイタルA」は「ポケストップ」の効果でトラッシュした場合、手札に加えることはできない。
ニュートラルセンター
おたがいのポケモン(「ルールを持つポケモン」をのぞく)全員は、相手の「ポケモンex・V」からワザのダメージを受けない。
このカードは、トラッシュにあるかぎり、手札に加えられず、山札にもどせない。
ナイトワンダラー収録のエーススペック。非ルールのポケモンが相手のポケモンex・Vからのダメージを受けなくなる。
非常に強力な効果だが、かなり消極的なディフェンスカード。個人が各々のポケモンカードの対戦の歴史を振り返ったとして、「数値化して提示できたり明確な根拠がある訳ではないが、自分のスタジアムが残り続けることに過度な期待はできない」という印象を抱くプレイヤーは少なくないだろう。そう、意図してスタジアムを通すのは難しい。
相手が対抗のスタジアムを握っていたら簡単に張り替えされてしまうので、(※)スタジアムの攻防があるデッキに採用が望ましい。現状だとイダイナキバLOが良いのではないかと思われる。
(※)イダイナキバは場を安定させるために「ボウルタウン」を貼る。相手はイダイナキバの供給を止めたいため「ボウルタウン」を積極的に割りたい。このスタジアム張り替え合戦の攻防を経て最後の「ニュートラルセンター」を通すことを目指す。ワザの道中で相手のスタジアムを削れるのも良い。
カビゴンLOにも良いとの意見もあるが、相手プレイヤーはカビゴンLOに対してスタジアムを張り替える理由がないため、「ニュートラルセンター」への対抗のスタジアムの温存は容易である。自ら山札を削りに行く能動的LOではないため、相手の山札の中に対抗のスタジアムが残り続けてしまうのがイダイナキバLOとの大きな違い。要は「ニュートラルセンター」を通すにはお膳立てが必要なのである。
総括すると他のエーススペックが強力すぎるため、構築段階での個人の思考プロセスに影響を与えることは難しいであろうと考えられる。(ニュートラルセンターを警戒してデッキをこう工夫しよう、と国民を思案にふけさせるほどの影響力はないのではないかということ。)
ルギアVSTARのワザ『ストームダイブ』、トドロクツキexのワザ『カラミティストーム』等で破壊可能。この場合、ダメージ無効→スタジアムトラッシュの手順を踏む。
シークレットボックス
このカードは、自分の手札を3枚トラッシュしなければ使えない。
自分の山札から「グッズ」「ポケモンのどうぐ」「サポート」「スタジアム」を1枚ずつ選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
変幻の仮面収録のエーススペック。サーチの内容に「サポート」が含まれているため、1ターン目に絶対に使用したい「サポート」が含まれている速攻デッキと相性が良い。
例えばロストデッキで「ロストスイーパー」「緊急ボード」「アクロマの実験」「ボウルタウン」とサーチすることで後攻1ターン目から確実にウッウのワザ『おとぼけスピット』に繋げることができる。
他にもイキリンコex型のトドロクツキで「ダークパッチ(大地の器)」「オーリム博士の気迫」をサーチすることで後攻1ターン目からトドロクツキexのワザが使いやすく、やはりこちらも後攻1ターン目の安定性を上げる目的で使用する。
ではなぜ1ターン目に動き出す速攻デッキばかりが相性の良いデッキの例に挙がるのかというと、上段の「手札3枚をトラッシュしなければ使えない」コストがとにかく重い。
このカードを使用するためには「シークレットボックス」を含めて手札が4枚以上あるときにしか使えない。この重たいコストをシステムを持たないデッキが、後半に手札干渉を受けながら捻出することは非常にハードルが高い。
ならばシステムを持つデッキに採用すれば良いのか?と言われるとそうでもなく、そういったデッキは搭載したシステムポケモンのドローやサーチによって「シークレットボックス」に頼らずとも自力で引けるような構築になっていなければならない、という話になってくる。手札を3枚コストにする以上、サーチ対象先である4枚のカード全てに代替不可能性を持たせることが出来なければこのカードをエーススペックの枠に据える価値に見合わない。この代替不可能性は必要なカードが多い序盤に集約していることが多分にあるため、このカードは速攻デッキと相性が良いと説いた。
「シークレットボックス」はなんだか凄いことを書いているように見えるが、他のエーススペックは限界を超えるエーススペックである一方、あくまでこちらは不運を補填するに留まるエーススペックであることに留意しなければならない。
5/18【土】追記:ロストバレットやタケルライコ等、1ターン目に必ず使いたいサポート(アクロマの実験やオーリム博士の気迫)があるデッキから非常に高い評価を受けている。他のエーススペックが常時70%の動きを瞬間的に120%に引き上げる役割ならば、シークレットボックスは常時100%の動きを担保する役割で使用されている。これらシークレットボックス推進派の主張は要は「ポケモンカードはエーススペックで勝つんじゃない、プレイが上手い方が勝つ。デッキさえ回れば俺が勝つ」といった主張。
ポケモン回収サイクロン
自分の場のポケモンを1匹選び、そのポケモンと、ついているすべてのカードを、手札にもどす。
変幻の仮面収録のエーススペック。ポケモン回収サイクロンは既出のエーススペックであり、新イラストを携えて現代ポケモンカードに蘇る。
ポケモン回収サイクロンはその万能性からエクストラレギュレーションでも支持されている。主な用途は2つ。
- ダメカンが乗ったポケモンを回収することで負け筋を消す。(実質的な回復カードとして扱う。)
- ベンチに出した時に特性がはたらくポケモン(ネオラントV等)などを回収して、再びベンチに出して特性を使用する。(実質的なドローカードとして扱う。)
具体的な代表例は上記2つだが、これはあくまで氷山の一角。このカードはあらかじめ定められたシチュエーションでの使用を期待して採用するようなカードではなく、プレイヤーの適宜な現場判断で使用される。そのため、万能性があると上述したにも関わらず、その本質は本人の閃きに委ねられるという上級者専用の万能カードである。変幻の仮面環境では、ドラパルトexのワザ『ファントムダイブ』のダメカンをのせる効果への対策として採用されることが多かった。
レガシーエネルギー
このカードは、ポケモンについているかぎり、すべてのタイプのエネルギー1個ぶんとしてはたらく。
このカードをつけているポケモンが、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつしたとき、とられるサイドは1枚少なくなる。対戦中、自分の「レガシーエネルギー」のこの効果は、1回しかはたらかない。
変幻の仮面収録のエーススペック。まず、すべてのエネルギー1個ぶんとしてはたらく時点でそこそこ強力。ポケカの歴史を遡るとすべてのエネルギー1個ぶんとしてはたらくエネルギーのリリースは割と一般的であった。しかし昨今では、特にアーケオスの特性【プライマルターボ】の登場以来、すべてのタイプとしてはたらくカードのリリースは慎重となっている。(ルミナスエネルギーは左条件を満たしているが、アーケオスの特性と兼ね合いが悪いため例外とする。)
すべてのエネルギー1個ぶんとしてはたらく効果は、すなわちルギアデッキに様々なアタッカーを導入することが可能であることを表し、この変化はルギアデッキに飛躍的な進化をもたらす。特にネオラントVのワザ『アクアリターン』でレガシーエネルギーごと山札に戻る動きが強力ではないかとSNSでは考察されている。(他テツノカイナex、かがやくリザードン、オーガポンexいどのめんの採用等。)
そしてどっちがメインの効果なんだかわからなくなってしまったが、下段には取られるサイドが1枚少なくなる効果も付帯されている。ルギアデッキは非ルールのポケモンがバトル場で戦うことが多く、効果でのきぜつを防ぐ「ミストエネルギー」も存在しているため、このレガシーエネルギーの下段効果を回避することはほぼ不可能。ルギアデッキは実質的に1ターン多く行動する権利を得る。
「改造ハンマー」で容易に対策することができるが、「改造ハンマー」はほぼルギア対面専用のカードとなってしまうため、1枠割いてまで対策の必要がある対面かどうか考えて採用したい。
ハイパーアロマ
自分の山札から1進化ポケモンを3枚まで選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
クリムゾンヘイズ収録のエーススペック。1進化ポケモンを3枚まで手札に加えることができる。その対象は1進化ポケモンに限定されていることに気をつけなければならない。主にサーフゴーex、キルリア(リファイン)、メタング(メタルメーカー)等が使い道となっている。
他のエーススペックはデッキ単位を別次元のデッキに昇華させるほどの能力がある一方、ハイパーアロマのテキストはあまりに華がなく、現状では積極的に採用する理由がない。
ただ1進化ポケモンには(※)システムが多く、これらのポケモンを多く採用するデッキならば実質的にハイパーアロマはドローカードと解釈することができるので、デッキの内容次第でハイパーアロマの価値は変動する。サーフゴーexやキルリアのようなシステムに命を捧げているデッキは、大雑把に区分するのではあれば、敵は対戦相手ではなく事故する自分といったノリのデッキであるため、左記問題を解決するのに「ハイパーアロマ」は大いに役に立つ。
しかし、それでもよほどそのシステムに価値がない限り採用は難しいことを理解した上で検討したい。
(※)特性で山札を引いたり、エネルギーをつけたりと、そのデッキを動かすためのエンジンともいえるようなポケモンのこと。
サバイブギプス
このカードをつけているポケモンのHPがまんたんの状態で、相手のポケモンからワザのダメージを受けてきぜつするとき、そのポケモンはきぜつせずに、残りHPが「10」の状態で場に残る。その後、このカードをトラッシュする。
クリムゾンヘイズ収録のエーススペック。HPがまんたんの状態でワザのダメージできぜつした場合、HP10の状態で攻撃を耐えることができる。気をつけなければならないのが、ワザのダメージであるため、ヤミラミのワザ『ロストマイン』やトドロクツキexのワザ『くるいえぐる』は対象外である。
サバイブギプスの強みは、HPが低いポケモンでも2回攻撃が期待できることが挙げられる。例えばルギアデッキのチラチーノのように、高いダメージを出せるが攻撃を耐えることができないポケモンにつけると相手の計算を狂わせることができる。(おまつりおんど、だんけつのつばさ等もこれに該当。)
他にもカビゴン等の耐久デッキにも採用されやすく、幅広い場面での活躍が予想される。
「ヒーローマント」と違い、ダメージがHPを超過した状態で生き残るわけではないため、「ロストスイーパー」への耐性がこちらの方が少しだけ高い。耐えるという行為のみに着目して比べるなら「サバイブギプス」の方が助かることは多い。
アンフェアスタンプ
このカードは、前の相手の番に、自分のポケモンがきぜつしていなければ使えない。
おたがいのプレイヤーは、それぞれ手札をすべて山札にもどして切る。その後、自分は5枚、相手は2枚、山札を引く。
クリムゾンヘイズ収録のエーススペック。相手の手札に干渉するグッズは一度禁止カードとなっているため類似効果はもう出ないと思われたが、調整が加えられまさかの復活。
相手の手札に干渉するカードはまさに伏魔殿。慎重にリリースしなければただ環境を破壊するだけのバランスブレイカーへと成り下がるため、手札干渉効果はその危険性と用途の見通しの悪さから敬遠されるものかと思っていた。そんな矢先、驚愕のリリースであった。
アンフェアスタンプの強みは、ゲームの早い段階から相手の手札に強く干渉することができること。この相手の手札に干渉する行為はポケモンカードで逆転するためのメカニズムと大きな因果関係を持つ。
ポケモンカードで劣勢である場合、逆転するためには以下の2パターンのどちらかを成立させなければ逆転することができない。
- 相手のポケモンが攻撃できないターンを作る。(エネルギーが間に合わないなど。)
- 相手に効率良くサイドを取らせないターンを作る。(途中で非ルールのポケモンを倒させる、相手の攻撃を耐えるなど。)
このいずれかを成立させなければどれだけ強力な攻撃を放とうが、(※)単純な数字の行進として相手より先にサイドを6枚取る勝利条件を満たすことができない。手札干渉とは、この逆転の糸口を掴むための半ば必須行動となっている。この必須行動はサポートの「ツツジ」や「ナンジャモ」で行ってきたが、「アンフェアスタンプ」の登場により「グッズ」でも行えるようになった。
「アンフェアスタンプ」は早ければ先攻2ターン目から相手の手札を2枚することができるため、例えばロストバレットや古代バレットのような、攻撃をしながら準備を整えるデッキに強力にはたらく。
(※)例えば、お互いがサイドを1枚ずつ取り続けた場合、先にサイドを取得したプレイヤーが先に6枚目を手にするのは当然の帰結。これを後手のプレイヤーが逆転するには、相手の攻撃を耐えるか(相手にサイドを取らせない)、1ターンに2枚サイドを取るかのいずれかしかない。このようにこのままゲームが進行すればどちらのプレイヤーが先に勝つか、という理論をサイドレースと言い、競技ポケモンカードでのすべての行為はサイドレースを優位に進めることを目的として動く。
プライムキャッチャー
相手のベンチポケモンを1匹選び、バトルポケモンと入れ替える。その後、自分のバトルポケモンをベンチポケモンと入れ替える。
サイバージャッジ収録のエーススペック。迷ったのであれば採用すればいいカード筆頭。
組み合わせ次第では他のエーススペックに席を譲っても良いが、特別な理由がなければ許さない。それほどの高みから他のエーススペックを見下ろすパワーカード。
プライムキャッチャーの強みは、『グッズ』の効果で相手のベンチポケモンを呼び出すことができること。
本来、相手のベンチポケモンとバトルポケモンを入れ替える効果は『サポート』で行う効果。更に、自分のベンチポケモンと入れ替える効果も付帯されているので、「ボスの指令」+「ポケモンいれかえ」の2枚分のはたらきを1枚のカードでできる。それを自分の番に何回でも使える『グッズ』で行うので、テキストに書かれている事実を述べるだけでパワーがあることを証明できるわかりやすい効果。
「プライムキャッチャー」だけにしかできない特別な効果がある訳ではないが、1枚のカードに詰め込まれた圧倒的なリターンの大きさでこのカードの強さは測られている。
「プライムキャッチャー」は事前公開で真っ先にお披露目されたエーススペックであったが、SNS上では「出だしから既にプライムキャッチャーを超えるエーススペックが想像できない」と言われるほどであった。
マキシマムベルト
このカードをつけているポケモンが使うワザの、相手のバトル場の「ポケモンex」へのダメージは「+50」される。
ワイルドフォース収録のエーススペック。ポケモンexへのダメージが「+50」されるため、HPの高い2進化ポケモンexを倒したいデッキに用いられる。有名どころではギラティナVSTARのワザ「ロストインパクト」の280ダメージと合わせてリザードンexのHP330を狙う。
マキシマムベルトの強みは、高いHPで相手の攻撃を1回耐えることを前提として組まれている2進化ポケモンexに対して強いこと。まさに今、相手の攻撃を耐えることを前提としている高いHPのリザードンexを中心に環境は回っているため、『マキシマムベルト』は他のデッキにも大きなチャンスを与えるカードとなっている。『マキシマムベルト』にしか担えない役割があり、このカードがあるからこそ活きるデッキは多い。
2進化ポケモンexを1回の攻撃できぜつさせることには大きな意味があり、その高いHP帯の領域に無理やり踏む込む最終手段。ロジックごと粉砕する理論派泣かせのパワーカード。
ヒーローマント
このカードをつけているポケモンの最大HPは「+100」される。
サイバージャッジ収録のエーススペック。最大HPを「+100」するシンプルな効果。
相手の攻撃を1回耐える、耐えないに着目した「マキシマムベルト」と似たような役割を持つが、「マキシマムベルト」は高いダメージを出すポケモンの攻撃と組み合わせて初めて強力なカードとなるため、使用にはタイミングが必要である。
一方『ヒーローマント』は、それこそ適当にポケモンにつけているだけでそれなりに効果を発揮するため、使いやすい易しい効果であるといえる。
ヒーローマントの強みは、「ヒーローマント」を処理しにくいことが挙げられる。「マキシマムベルト」は相手ポケモンを倒してしまえば一緒にトラッシュにいくが、「ヒーローマント」はそもそも倒されること防ぐカードであるため、「ロストスイーパー」の採用がなければ処理をすることができない。
そのため「チェレンのきくばり」や「ベルのまごころ」等の回復カードと組み合わせて使用されると、泥沼から抜け出せない可能性がある。
他のエーススペックが強力であることにも助けられている。他のエーススペックが強力であるがゆえに「ヒーローマント」の警戒を怠り、「ロストスイーパー」の採用を見送るプレイヤーも出てくるだろう。
「ヒーローマント」はエーススペックの中でもTier1の強さではないが、Tier1ではないからこそTier1のカードと同等のポテンシャルを発揮する。
ネオアッパーエネルギー
このカードは、ポケモンについているかぎり、無色エネルギー1個ぶんとしてはたらく。
2進化ポケモンについているなら、すべてのタイプのエネルギー2個ぶんとしてはたらく。
2進化ポケモンにつけることですべてのタイプのエネルギー2個ぶんとしてはたらく。
ネオアッパーエネルギーの強みは、「リバーサルエネルギー」と違って【ルールを持つポケモン】にも対応していること。そのため2進化ポケモンexにつけることで効果を最大限に発揮する。
変幻の仮面で収録されたドラパルトexとの相性が良いとして採用されることがある。
覚醒のドラム
自分の場の「古代」のポケモンの数ぶん、山札を引く。
ワイルドフォース収録のエーススペック。自分の場の「古代」ポケモンの数ぶん山札を引けるので、最大6枚ドローが期待できる。
覚醒のドラムの強みは、古代デッキのメインサポートである「オーリム博士の気迫」が3枚ドローと控えめであるため、「覚醒のドラム」で手札を補強できること。
ただし、ドローをするだけなら他のカードでも代用することもできるため、「覚醒のドラム」だけにしかできないような特別な役割はない。ただただ山札を引いて、とにかく引いて何も考えず相手のバトルポケモンを倒すだけで勝利を目指すような、直線的で自己完結しているデッキとは相性が良い。
リブートポッド
自分の「未来」のポケモン全員に、トラッシュから基本エネルギーを1枚ずつつける。
サイバージャッジ収録のエーススペック。「未来」のポケモンに基本エネルギーを1枚ずつつけることができる。未来デッキは「リブートポッド」でゆとりあるエネルギー管理をするか、「プライムキャッチャー」で相手の急所に切り込んで行くかの選択となっている。
リブートポッドの強みは、本来ワザや特性を使ってエネルギーを加速する効果をグッズでおこなうことができること。最大で「ダークパッチ」6枚ぶんの効果を発揮し、驚愕のぶっ壊れ性能といってもいい効果なのだが、未来のポケモンに限定すると途端に評価が難しくなる。その理由は、そもそもこのカードが採用される未来デッキのポテンシャルや立ち位置が抜きん出ているものではないことに起因する。未来デッキの評価が高くなければ、「リブートポッド」の評価も当然それ以上のものとはならない。
マスターボール
自分の山札からポケモンを1枚選び、相手に見せて、手札に加える。そして山札を切る。
山札から1枚ポケモンを選んで手札に加える。ポケモンV,ex問わずポケモンであればなんでも手札に加えることができる。
マスターボールの強みは、とにかく使いやすいこと。「マスターボール」は手札に来ればどの対戦でも100%使用し、活躍する。進化することでドローができる特性を持つポケモンをサーチしたりすることで事故を回避し、目に見えた効果は分かりづらいが、ゲーム全体を通してバランスの底上げに貢献してくれる。
盤面作りの大切さが問われている現代ポケモンカード。地味な効果だが、高評価を与えているプレイヤーは意外と多い。
コメント
サバイブギプスとヒーローマントはもう少し補足が必要だと思います
サバイブギプスはダメカンが乗ってないときにワンパンされないって性質上リザードンexの場合だとタケルライコex、パオジアンexからワンパンの要求をヒーローマント以上に稼ぐことができます。また、リザードンexのようなデッキでリザードンexにサバイブギプスをつけない対面ではビーダルにつけることによってリソース源を維持することができます
一方のヒーローマントはサケブシッポ、フワンテのような自身に乗ってるダメカンでダメージが上がるポケモンと相性が良く火力アップアイテムとしての側面もあります
一週間前に初めてルールも抜けている初心者です。
とりあえずマスターボール使ってみます。
リザードンexを使っているのですが、アンフェアスタンプを使っている人が多いと感じました。初心者である私は「ナンジャモと被ってないか……?」と思ったのですが、記事を見てアンフェアスタンプって強いな〜と思うようになりました。
アンフェアスタンプを入れたいのですが、値段もするので、まずはピジョットexやロトムVを揃えてからにしたいと思います。それまではマスターボールでなんとか…
全て初心者の主観ですが
まとめありがとうございました。
参考にさせていただきます。
このサイトのコラム系の記事は語彙力凄いので、もっと沢山読みたいですねぇ!
エーススペックに限らず、色んなカードの評価が気になります!