【インフェルノX】収録カード解説

メガリザードンXex

進化・育成の手間がかかるうえ、必要エネルギーも複数と重く、さらにワザでトラッシュしてしまうため安定感に欠ける。エネルギー加速も単体で完結せず、入れ替えやオドリドリexの補助が必須となる点もネック。とにかく、山札を大量に引かなければ攻撃すらできない。

現環境では青天井火力を出せるデッキがタケルライコ、サーフゴーとすでに2種類存在しており、メガリザードンexに非代替性がない。辛口に言うとタケルライコやサーフゴーより優れている部分を見つけるほうが難しい。

ただし、高HP・青天井火力・水弱点というスペック自体は決して低くないため、来年のスタン落ち後に期待がかかる。昨今のカードテキストのさりげない弱体化傾向から、メガ進化環境へとゲームメイクの開発方針が向かっているのは伝わるため、来年はきっと強くなるのだろう。

ムウマージex

新カード「アノホラグサ」や「めまいの谷」は、状態異常「こんらん」を活かして戦うコンセプト。

特性ロック、グッズロック、手札干渉など、今日に至るまで多様な対戦ロジックが開発されてきた。しかし唯一、対戦環境に本格的に導入されていない未開拓のシステムが、この「状態異常」というルールである。

もちろん、「ポケモンを入れ替えれば状態異常は回復する」という仕様がある以上、戦略として成立させにくいことは重々承知している。だが、この部分だけはいまだ手つかず。もし対戦に新たなスパイスを加えるとすれば、この領域こそが最後のフロンティアなのかもしれない。そして遂に着手し始めたか?

メガヘラクロスex

HPが低く、本来メインウエポンであろう『パンツァーホーン』を活かせるマッチが少ないため、メガヘラクロスexを全面的に押し出した構築では戦えない。何かのデッキのピン刺しが限界か。意識して無理にでも使おうとしないと使えないカード。

ロトムex

ロトムのワザ『ガジェットショー』デッキが大幅に強化され、「ゼロの大空洞」無しでも2進化exをワンパンできるようになった。
しかし「ポケモンのどうぐ」は初動において完全なノイズカード。つまり、『ガジェットショー』のダメージを高めようと構築を寄せれば寄せるほど、同時に事故率も上昇するというカラクリが潜んでいる。

例えば、ドラパルトexをワンパンするには、最低でも「ポケモンのどうぐ」を11枚必要。さらにサイド落ちを考慮すれば13~14枚程度の採用は避けられず、その場合デッキの4分の1近くをノイズカードが占める計算になる。その事故率をあなたは許容することができないだろう。(13~14枚と言えば、「エレキジェネレーター」での速攻を目指すミライドンのエネルギーの枚数と同数。つまり手札にエネルギーしかないという事故が手札にポケモンのどうぐしかないに置き換わる)。

ファイヤー

オーガポンみどりのめんexやゲノセクトexを、手札から出して即座にワンパンできる破格のスペック。
従来であればこの種のテキストには必ず「弱点・抵抗力は計算しない」という但し書きがついていたが、今回はまさかの削除。SNS上では「相性関係に革命が起きる」と大きな話題を呼んだ1枚である。

昨今のHPラインでは、システム系ポケモンexのHPは220前後に落ち着いている。このカードは、将来登場するであろう鋼弱点を持つシステムポケモンすら睨みつけている。

オドリドリex

特性【エキサイトターボ】によってエネルギー加速は可能だが、その条件が厳しい。
メガ進化ポケモンに加え、ポケモンの入れ替え、さらに手札に複数枚のエネルギーを要求されるため、実戦ではやや使いづらい印象を受ける。

ストリンダー

特性【バッドアッパー】によってエネルギー加速が可能。
加速のたびにダメカンが乗ってしまうが、マシマシラを組み合わせればメリットへと変換できる。

ヒトカゲ

特性【みがる】のおかげで、バトル場でスタートしてもシャリタツやピィへ交代できる。ワザでスボミーを難なく倒せる。ルチャブル特性【フライングエントリー】+ファントムダイブのラインを耐えられる。

様々なメリットがあるが、「なかよしポフィン」の対象外。

メガミミロップex

+170ダメージは追加しすぎ。マキシマムベルト込で280まで見れる。たねポケモンex全般の処理を任せることができる。闘オーガポンなどのメタカードにも強い。

メインアタッカーでデッキを組むのはやや難しいが、無色エネルギーで使える点もあり、サブアタッカーとして非常に扱いやすい。

ジャンボアイス

メタビートデッキへの採用が話題となっている。回復で確定数を増やすことを目的とする。
「メタビートと対戦したが、命からがら最後に捻り出した攻撃でなんとか勝てた」そんな場面に蓋をしてしまう1枚。

ヒートバーナー

「ポケモンのどうぐ」「特殊エネルギー」「スタジアム」から1枚を選び、トラッシュできる。
特にグッズでスタジアムをトラッシュできるようになった点を評価。

ギーマの一手

条件付きではあるが、山札からたね・進化を問わず悪ポケモンをベンチに出すことができる。
ストリンダーや「ギーマの一手」の登場により、今後の2進化悪ポケモンはそれだけで一定の評価を得られるだろう。現環境では、メガゲンガーexやサザンドラexに特に期待したい。

が、不確定状態で「ギーマの一手」の使用は推奨されないため、必ずヒットするような組み方が必要。

ヒカリ

2進化待望のサポート。たね・1進化・2進化をそれぞれ1枚ずつサーチできるため、進化先でドロー効果を持つポケモンを採用するデッキと相性が良い。

想像しただけでニヤケが止まらない汎用さ。このテキスト、何度も読み直したくなる。いいんですか、そんなにサーチして。

バトルコロシアム

ファントムダイブの余波、カースドボム、アドレナブレインなど、現環境で強力な特性を無効化できる。細かい精査は後ほどするとして、一旦、すべてのデッキが息を吹き返したと思っても良いほどの影響力を持つ印象。

ボムドラパとオーロンゲのメノコマシラ、この2つの弱いものいじめコンセプトを突破できるデッキは極わずかであったため、多くのプレイヤーとって待望のカードである。

コメント